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ZOOM、360度全方位の音をハイレゾ録音するVRマイク

ZOOM(ズーム)は、アンビソニックス方式のVRマイクを搭載し、VRコンテンツ用の空間音声が録音できるハンディレコーダー「H3-VR」を10月下旬より発売する。価格はオープンプライス。

VRマイク「H3-VR」

VR映像に求められる空間音声(Spatial Audio)を収録するためのVRマイク。左右(水平方向)、上下(仰角)、前後(奥行き)方向を含む、360度全方位を録音する「アンビソニックス方式」を採用。全方位の音を記録することで、再生時に音像を回転させたり、楽器や人の声など聴きたい音源が存在する特定方向のサウンドをステレオで再生するなど、VRならではの自由で動きのあるサウンドが可能になる。また頭の向きに応じて映像と音声が追従するヘッドトラッキング対応ビデオや、Facebook/YouTubeの360度動画などにも活用できる。

アンビソニックスBフォーマット(FuMa/AmbiX)への変換も、PCを使わずに内蔵デコーダーで行なえる。アンビソニックス録音に加え、バイノーラル録音、ステレオ録音にも対応する。無償ソフト「ZOOM Ambisonics Player」(PC/Mac対応)を使えば、アンビソニックス方式で録音した音声データを5.1chサラウンド音声に変換することもできる。

アンビソニックス録音とステレオ録音時は、最高96kHz/24bit WAV(BWF/iXML対応)までのハイレゾ録音が可能。バイノーラル録音時は、最高48kHz/24bit WAVまで。内蔵マイクは、単一指向性コンデンサマイク×4。最大入力音圧は120dB SPL。マイクゲインは+18~+48dB。

H3-VRの前面(写真左)と背面(写真右)

円錐形のボディには、6軸のモーションセンサーを内蔵する。センサーがマイクの向きの検出し、空間の上下左右・前後関係を保ったまま録音。電子水準器を内蔵し、背面ディスプレイから水平方向の設置角度が確認できる。

パソコンと接続し、360度USBマイクとしても利用可能。iOSデバイスと接続することでステレオマイクとしても使える。オーディオインターフェイス動作時は最高48kHz/24bit(アンビソニックス録音)、最高48kHz/16bit(バイノーラル/ステレオ録音)。またBluetoothアダプタ(別売BTA-1)を介し、iOSデバイスでのワイヤレス操作に対応する。

このほか、カメラ側のオーディオ入力レベル調整が行なえるテストトーン機能、録音開始/終了時にトーン信号をライン出力するサウンドマーカー機能、リミッター/ローカットフィルター機能などを搭載する。

記録メディアはmicroSDカードで、最大512GBまで使用可能。アルカリ/ニッケル水素/リチウムの単3電池2本で駆動。アルカリ/ニッケル水素電池使用時は約11.5時間、リチウム電池使用時は約24時間の連続録音が可能。USB給電にも対応する。

3.5mmステレオミニのライン入力とヘッドフォン出力を搭載する。外形寸法は76×78×123mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は120g。