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医療用基材とモジュラーメタルボディのイヤフォンAcoustune、アユートが販売

アユートは、香港のイヤフォンメーカー・Acoustune(アコースチューン)の日本国内総輸入代理店業務を、4月1日より開始。製品の販売、ユーザーサポートの全ての業務を担当する。ラインナップはいずれもダイナミック型イヤフォンでオープンプライス。店頭予想価格は「HS1670SS」が76,980円前後(税込)、「HS1650CU」が65,980円前後(税込)、「HS1551CU」が54,980円前後(税込)。

左からHS1551CU×2、HS1650CU、HS1670SS

Acoustuneは2013年香港にて創業。医療グレードのポリマーバイオマテリアル「ミリンクス」を振動板に採用した「ミリンクスドライバー」を使っているのが特徴。筐体には、音響部分と機構部分を完全分離することで相互干渉による音質劣化を抑制した「モジュラーメタルボディ」を採用。この2つのオリジナルテクノロジーを基軸に、「従来のダイナミック型イヤフォンを凌駕するサウンドを提供する」という。

振動板素材のミリンクスは、人工皮膚や手術縫合糸などに使われるポリマーバイオマテリアル。医療用合成基材だが、振動板素材としても非常に高い音響性能を誇るという。このミリンクスを薄膜化し、ドライバー構造に最適化した10mm径の振動板とし、軽量ながら高い強度と柔軟性を合わせ持ち、過渡特性に優れた高解像度で広ダイナミックレンジな再生が可能という。

最上位の「HS1670SS」。音響チャンバー部、ハウジング部どちらにもステンレススチールを使っている

ラインナップ3機種の内、HS1500シリーズは第3世代、HS1600シリーズは振動膜のテクスチャー、コイル、マグネット、チューニングプロセスの全てを刷新した第4世代のミリンクスドライバーを採用している。

ハウジング部は、音響チャンバー部(ドライバー格納)と機構ハウジング部(コネクター格納)を完全に分離したモジュラー構造。相互干渉を防いでいる。本体ハウジングは全てCNC金属切削加工で、強度と精度の両立を実現。「高い音響特性を持つメタルボディのパフォーマンスを引き出す」という。

素材としては、HS1550CU、HS1650CUは、音響チャンバー部にブラス、機構ハウジング部に銅を採用。HS1670SSは両方にステンレススチールを使っている。

「HS1650CU」音響チャンバー部にブラス、機構ハウジング部に銅を採用
「HS1550CU」音響チャンバー部にブラス、機構ハウジング部に銅を採用

ケーブルは全モデル着脱可能で、MMCX端子を採用。HS1670SS、HS1650CUはシルバーコートハイブリッドケーブルを同梱。シルバーコート銅線と極細のOFC線を組み合わせたもので、2重ツイスト構造を持つ8芯ケーブルを3重にシールド。さらに導体抵抗値を抑え、オーディオ信号の伝達ロスを防ぎ、周波数全域でのSN比を向上したとする。

HS1551CUのケーブルはOFCワイヤーケーブル。極細OFCワイヤー114本を3重シールドと共に編組したもので、導体抵抗値を抑え、オーディオ信号の伝達ロスを低減。柔軟性も確保したという。

上位機HS1670SSの入力感度は110dB@1mW、インピーダンスは24Ω、最大入力は100mW、周波数特性は10Hz~25kHz。カラーはガンメタル×シルバー。

HS1650CUは、入力感度110dB@1mW、インピーダンス24Ω、最大入力100mW、周波数特性は10Hz~25kHz。カラーはマットブラック×ゴールド。

HS1551CUは、入力感度110dB@1mW、インピーダンス32Ω、最大入力100mW、周波数特性10Hz~25kHz。バーガンディ×ゴールド、グランブルー×ゴールドの2色を用意する。

いずれのモデルも、4種類のイヤーピースを同梱する。

アクセサリとして、交換用ケーブルにラインナップを追加。ARC OFCのワイヤーケーブルに、従来のMMCXコネクタに加え、カスタムイヤフォンの2ピン向けケーブル3機種、「ARC21 IEM 2pin-3.5mm3 極」14,980円(税込)、「2.5mm/4極バランス ARC22 IEM 2pin-2.5mm 4極」14,980円(税込)、「4.4mm/5極バランス ARC23 IEM 2pin-4.4mm5 極」19,980円(税込)を用意。価格はいずれも想定売価。

ARCシルバーコートハイブリッドケーブルも、MMCXと2ピンコネクタの2種類でラインナップ。入力プラグは3.5mm/3極、2.5mm/4極、4.4mm/5極を用意。想定売価は25,980円~30,980円(税込)。

交換用のAETイヤーピースもラインナップ。価格は各サイズペアで880円(税込)。3種類のイヤーピースには、下記のような音の違いがある。各モデルで、異なるサイズのラインナップを用意する。

  • AET06:広帯域で鮮明なサウンド。軸径が細めのイヤホンにも対応
  • AET07:広帯域で鮮明なサウンド
  • AET08:広帯域且つ低音域を重視したサウンド

音を聴いてみる

3機種に共通する特徴は、ミリンクスドライバーによる高精細でハイスピードなサウンドだ。ダイナミック型にありがちな、もたつくような描写ではなく、バランスドアーマチュア(BA)型ユニットのような、キレのあるサウンドが楽しめる。

同時に、ダイナミック型らしい低域から高域まで繋がりがよく、低域のゆったりとした量感も描写。音の響きも付帯音、固有音の少ないクリアな音で、ダイナミック型とBA型の“いいとこどり”なサウンドと言える。

3機種の中でも、最新世代のミリンクスドライバーを搭載した上位機の「HS1670SS」と「HS1650CU」は、より音がクリアでメリハリがある。ハウジングには金属が使われているが、モジュラーメタルボディ構造で余計な響きは抑えられている。

ただ、上位2機種では最上位の「HS1670SS」がやや金属質な綺羅びやかさを感じ、「HS1650CU」はより響きを抑えたモニターライクな描写という違いがある。