ニュース

ソニー、NABで2/3型3板式4Kカメラや10Gbps読出しのメモリーカード

ソニーは、米国ラスベガスにて現地時間8日から開催される国際放送機器展「2019 NAB Show」に出展。グローバルシャッター機能付き3板式4Kカメラ「HDC-5500」やデジタルワイヤレスマイクロフォン「UWP-D21」、10Gbps読み出しが可能なSxS PRO Xメモリーカードなどの新製品を発表した。

HDC-5500

ブース会場では、横約9.7m×縦約5.4m、8K×4K構成の440型Crystal LEDディスプレイシステムを設置。8Kカメラ「UHC-8300」で撮影したモータースポーツ映像(8K/120p/HDR)や、CineAltaカメラ「VENICE」で撮影したリオのカーニバル2019の映像などを上映する。

グローバルシャッター機能付き3板式4Kカメラ「HDC-5500」

ウルトラハイビットレート(UHB)伝送に対応し、12G-SDIによるカメラ本体からの4K信号出力が可能なマルチフォーマットポータブルカメラ。

グローバルシャッター機能付き2/3型3板式4Kイメージセンサーを搭載し、 歪みのない高速撮影を実現。カメラコントロールユニット(CCU)「HDCU-5500」と組み合わせ、2系統の4K信号を双方向で同時に送受信できるUHB伝送を可能にしている。

ベースバンドプロセッサーユニット(BPU)を介さずに、従来のHDカメラシステム同様、カメラヘッドからCCUまで光ファイバーケーブル1本で接続でき、省スペース運用も可能。さらに「HDCU-5500」にSMPTE ST 2110インターフェイスキット「HKCU-SFP50」を搭載することで、IP Liveプロダクションシステムにも対応する。

日本での発売は5月5日。参考システム価格は約1,400万円。

4Kカメラ「HDC-5500」(写真左)とコントロールユニット「HDCU-5500」(右)

機器の設定や監視を一元的に行なう「Live Element Orchestrator」

IP Liveプロダクションシステムで機器共有をする際に、複数機器の統合的な管理および監視を可能にしたソリューション。スタジオサブシステムや中継車に設置されたカメラやスイッチャーなどの映像制作機器の設定や監視を一元的に行なうことが可能という。

カメラとカメラリモコンの割り当てをはじめ、ビデオサーバーの入出力や4K/HDのシステム変更、HDR/SDRの設定、マトリクスルーター(IP/SDI)の信号分配(クロスポイント)一括設定など、従来個別に手動設定が必要だった作業をシステムから行なえる。また各機器の状態監視とアラート機能を統合、ワークフローの効率化やダウンタイムの短縮、運用の省力化を実現している。接続する機材数や用途にあわせ有償ライセンスを提供。日本での展開も予定している。

デジタルワイヤレスマイクロフォン「UWP-D21/UWP-D22」

高音質のワイヤレス伝送を実現するデジタルオーディオインターフェイス対応のデジタルワイヤレスマイクロフォン。別売のマルチインターフェースシュー(外部入力端子)用アダプター「SMAD-P5」との組み合わせで、XDCAMカムコーダーとの音声データのデジタル接続に対応、ノイズを低減した高音質伝送を実現する。

ボディパックトランスミッター(送信機)部は、従来機種より約20%小型化。周波数設定にはNFC SYNCを採用し、送信機と受信機のタッチでチャンネル設定が可能。

日本では、8月より順次発売予定。ボディーパックトランスミッター/ポータブルチューナーの「UWP-D21」は、78,000円。ハンドヘルドマイク/ポータブルチューナーの「UWP-D22」は78,000円。

デジタルワイヤレスマイクロフォンシリーズ

最大読出し速度10GbpsのSxS PRO Xメモリーカードとリーダーライター

SxSメモリーカードの新シリーズとして、最大読出し速度10Gbps(1250MB/s)を実現するSxS PRO X「SBP-240F」(240GB)、「SBP-120F」(120GB)をラインナップ。Thunderbolt3インターフェイス対応したSxSメモリーカードリーダーライター「SBAC-T40」との組み合わせで、ソニー製カムコーダーで記録した240GBの映像データを約3分半でPCに転送可能。従来機種(SxS PRO+)と比較し、コピー時間を約1/3に短縮している。日本では、'19年秋の発売予定。

SxS PRO Xメモリーカード「SBP-240F」
SxSメモリーカードリーダーライター「SBAC-T40」

AIを活用した映像製作支援ユニットEdge Analytics Appliance「REA-C1000」

接続したカメラの映像をリアルタイムに解析し、特定の被写体を抜き出して、他の映像と組み合わせたりすることができるAI活用の映像制作支援ユニット。

クロマキーレス機能オプションを活用することで、従来必要だった専用ブルースクリーンを使うことなく、プレゼンテーターのみを抽出し、任意の背景に重ね合わせることができる。

4K/HDの入出力に対応し、XDCAMカムコーダーや旋回型リモートカメラシステムと組み合わせて使用できる。日本での展開も予定しているという。

REA-C1000