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世界初“トゥルー・リボン・ヘッドフォン”RAAL「SR1a」登場。衝撃のサウンド

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2019」が、27日に東京・中野サンプラザで開幕。エミライブースで特に注目を集めていたのは、日本での取り扱いを検討中という、米国のメーカー・RAALの「SR1a」という製品。世界初という“トゥルー・リボン・ヘッドフォン”だ。予価は45万円前後。

RAAL「SR1a」

RAALは、スピーカー向けのリボンツイーターで知られるメーカーだが、その自社開発リボンドライバーを使ったヘッドフォンが「SR1a」となる。なお、同社ではヘッドフォンではなく「Earfieldモニター」と呼んでいる。

世界初の“トゥルー・リボンヘッドフォン”としており、リボンドライバーを両耳の前に吊るすような構造になっている。密閉されたチェンバーベースは無く、「全帯域に渡って真のサウンドフィールドを形成するため」としてユニット前面と背面の両方をオープンエアバッフル構造としている。自社開発のリボンドライバーは、30Hz~30kHzまでの再生が可能。

正確なサウンドを再生でき、リスニング用途で使えるほか、サウンドエンジニア用のモニターとしても訴求。「持ち運びが可能な新たなプロフェッショナル環境」と表現している。

バッフル部分はカーボンファイバー製。ステンレススプリングスチールヘッドバンド、アルミリボンドライバー、低反発クッション、ラムスキンレザーなどで構成。ヨーロッパの職人によって、セルビアで製造されているという。

RAAL「SR1a」

駆動方法もユニークで、セットになっているインターフェイス(アンプ側から見たときに、SR1aが5.6Ωの抵抗を持っているかのように振る舞う装置)とヘッドフォンを専用ケーブルで接続。そのインターフェイスの背面にはスピーカーターミナルがあり、スピーカー駆動用のアンプと接続し、ドライブする形となる。ヘッドフォンと言うよりも、“リボンドライバーの小さなスピーカー”をドライブするような形だ。

インターフェイス
インターフェイスを左のパワーアンプで駆動している

音を聴いてみる

ヘッドフォンを装着するというよりも、ハンガーを頭の上から乗せるようなイメージだ。左右を広げて頭に装着し、リボンドライバー部分は自重で下がってきて、耳と並行になる構造になっている。

音が出た瞬間に、今まで聴いていたヘッドフォンのサウンドとまるで違う音に驚く。通常のダイナミック型ユニットを使ったヘッドフォンと違うだけでなく、平面駆動型やコンデンサ型などのサウンドとも明らかに違う。

繊細な描写と情報量の多さは、平面駆動型やコンデンサ型と似ているのだが、SR1aの音は、1つ1つがとても力強く、パワフルさはむしろダイナミック型と似ている。繊細かつシャープ、そして艷やかなサウンドが、パワフルにグッと迫ってくる。非常に“旨味”の多いサウンドで、かなり衝撃的な音だ。装着感や装着安定性の面で、普通のヘッドフォンと比べると見劣りする部分はあるが、このヘッドフォンならではの世界が感じられる。会場でぜひ試聴してみて欲しい。

日本で実際に販売するかは未定とのことだが、エミライでは「イベントでの反響なども踏まえて検討していきたい」としている。