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X1 Ultimate搭載の4K液晶BRAVIA上位機「X9500G」。BS4K+直下型LED

ソニーは、BS4Kチューナーと最上位エンジン「X1 Ultimate」を搭載したハイクラス4K液晶テレビ「BRAVIA X9500G」シリーズを6月8日に発売する。ラインナップは、85/75/65/55/49型の全5サイズ。価格は全てオープンプライスで、店頭予想価格は18万円前後(49型)から。

KJ-85X9500G

【BRAVIA X9500G】

・85型 4K液晶 「KJ-85X9500G」 店頭予想価格70万円前後
・75型 4K液晶 「KJ-75X9500G」 同55万円前後
・65型 4K液晶 「KJ-65X9500G」 同33万円前後
・55型 4K液晶 「KJ-55X9500G」 同23万円前後
・49型 4K液晶 「KJ-49X9500G」 同18万円前後

'18年6月に発売された「X9000F」シリーズの後継機で、2基のBS4Kチューナーを搭載。加えて、最上位グレードの高画質プロセッサー「X1 Ultimate」や、新機能「アコースティックマルチオーディオ」を搭載するなど、液晶フラグシップZ9F並みの性能に底上げされたハイクラスモデルとなっている。

KJ-65X9500G
KJ-49X9500G

なお、同日発表の4K有機ELの最上位モデル「BRAVIA A9G」、4Kチューナー搭載のスタンダードモデル「X8550G」「X8500G」、4Kチューナー非搭載の「X8000G」(液晶)、「A8G」(有機EL)は別記事で紹介している。

2019年春夏モデルの仕様の違い

BS4Kチューナーと最上位グレードのエンジン「X1 Ultimate」搭載

いずれも4K/3,840×2,160ドットの液晶・倍速駆動パネルを採用。LEDバックライトは直下型で、ローカルディミングに対応。暗部の電流を明部に電流を集中させてコントラストを拡張させる「X-tended Dynamic Range PRO」も備える。XDRコントラストは6倍(Z9Fは12倍)。

搭載する高画質プロセッサーは、最上位グレードの「X1 Ultimate」。被写体ごとに最適な高精細化処理を施す“オブジェクト型超解像”、超解像処理とノイズ低減のデータベースを組み合わせた“デュアルデータベース分析”、14bit相当の階調処理を行なう“Super Bit Mapping 4K HDR”と、SDR映像をHDR相当に高コントラスト化する“HDRリマスター”が可能。放送番組からゲーム、ネット動画など、様々な素材をデータベース型超解像処理で4K化する専用エンジン「4K X-Reality PRO」も搭載する。

4K高画質プロセッサー「X1 Ultimate」

鮮やかな色を再現する「トリルミナスディスプレイ」、フレーム毎にLEDバックライトの部分駆動制御と発光時間の最適化を組み合わせた残像低減処理「X-Motion Clarity」も備える。また85型と75型のみ、Z9Fにも採用されている光学設計技術「X-Wide Angle」を搭載しており、斜め視聴時でも広い視野角と高いコントラストを実現する。

HDR方式は、HDR10、HLG、Dolby Visionに対応。3D信号は非対応。Netflix画質モードを搭載する。

新4K衛星放送が受信できるBS4Kチューナー、地上/BS/110度CSデジタルチューナーをそれぞれ2基搭載。USB HDD(別売)を接続することで、裏番組の録画もできる。録画に使用できるHDDは、USB 3.0準拠の容量160GB~16TBまで。オートチャプター機能は搭載しない。

音の定位感を向上させるアコースティックマルチオーディオを新搭載

55型以上のモデルには、音質向上の新機能「アコースティックマルチオーディオ」を搭載。

テレビのスピーカーを下向き設置することで発生する“音のこもり”や“音像の偏り”を改善するもので、具体的には、2つの小型ツイーター(サウンドポジショニングツイーター)をディスプレイ背面上部に搭載して高域を強化。その高域を左右の両サイドから前方に向けて放射することで音場を広げ、持ち上がった音像が画と音の一体感を生み出す。また85型と75型に関しては、大画面に合わせた重低音とするべく、ツインダクト構造のフルレンジスピーカーとしている。

「有機ELテレビでは、画面振動によるサウンド出力で画と音の一体感を実現したが、今回のアコースティックマルチオーディオ機能により、液晶テレビにおいても、まるで“画面から音が出てくるような視聴体験”を実現した」という。

KJ-65X9500Gの背面
BRAVIAロゴの左側、縦に細長く伸びる2つのスリットが「サウンドポジショニングツイーター」

スピーカー構成は、85/75/65/55型がフルレンジ×2とツイーター×2で、49型がフルレンジ×2。出力はすべて20W(10W×2ch)。アンプはS-Masterデジタルアンプを採用する。バーチャルサラウンド技術の「S-Forceフロントサラウンド」や声の音量だけをコントロールする「ボイスズーム」も備える。センタースピーカーモードは非搭載。'19年内のアップデートによりDolby Atmos音声の入力に対応する。

KJ-49X9500Gの背面。ツイーターは非搭載

UIを刷新し、レスポンスも大幅向上。無線リモコンも復活

ユーザーインターフェイスを刷新、番組表や入力切替画面などが変更された。

番組表はタブの切り替えだけで地上/BS/CS/BS4K/CS4Kのチャンネル内容が表示できるようになり、最大4つまでオリジナルのタブも作成が可能。地上+BS+BS4Kなどのように、視聴頻度が高いチャンネルだけをまとめた“マイ番組表”を作成する場合に重宝するとしている。番組表は2K解像度となる。

新しくなった番組表

入力切替や設定画面は、タイル状のアイコンを画面下部に配置したデザインとなり、視聴中の画面がメニュー項目で大きくマスクされないように変更された。

入力切替
設定変更

搭載するOSは、Android 8.0(Oreo)で、映像/音楽配信サービスや写真鑑賞やゲームアプリ、音声検索などが可能。

Appleデバイスを使った連携機能に対応。映像や写真などのデータをBRAVIAへストリーミング再生したり、端末画面をBRAVIA上にミラーリングする「Works with Apple AirPlay 2」、iPhoneのSiriを使ってBRAVIAを音声操作する「Works with Apple Homekit」をサポートする。同機能は、後日アップデートでの対応を予定する。

Appleデバイス以外にも、スマートフォンからのコンテンツ操作が行なえる「Chromecast built-in」、付属リモコンかハンズフリーで本体に発話して音声操作を行なう「Google アシスタント built-in」、Amazon Alexa対応機器から音声操作できる「Works with Alexa」などをサポートする。ソニールームリンク(DLNA)は、クライアント機能のみ。

リモコンは、向きを気にせず操作できる無線式(Bluetooth)を採用。ソニーでは、数年前まで“おき楽リモコン”と称した無線リモコンをBRAVIAで訴求していたが、Android OSの導入と合わせて赤外線方式へと切り替えていた。「CPU性能やソフトウェアの最適化でようやく無線化を実現した」という。なお、電源のON/OFFとチャンネルポンは赤外線での操作となる。

無線方式の新リモコン(RMF-TX410J)

従来リモコン同様、Hulu、Netflix、U-NEXT、Abema TV、YouTubeがワンプッシュで起動できるダイレクトボタンを搭載。ほかにも、GYAO!、Amazonビデオ、Niconico、dTV、スカパー! オンデマンド、ビデオマーケット、TSUTAYA TV、DAZN、Rakuten TV、FODなどの動画配信サービスに対応し、アプリボタンから手軽にアクセスできる。

また'18年の秋モデル(A9F/Z9F)と同じCPUを採用しており、ネット動画アプリの起動や電源、各種切替といった操作全体のレスポンスを大幅に改善。動作速度の速い“サクサク操作”が可能、としている。

KJ-65X9500Gの背面

HDMI端子は4入力。全系統で4K/HDR機器との接続が可能な18Gbpsに対応する。コンポジットビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、ヘッドフォン出力×1のほか、3系統のUSB端子、LAN端子を装備。無線LANはIEEE 802.11ac/a/b/g/n。

消費電力は85型が430W、75型が363W、65型が305W、55型が248W、49型が195W。年間消費電力量は85型が365kWh/年、75型が319kWh/年、65型が249kWh/年、55型が212kWh/年、49型が175kWh/年。

スタンドを含む外形寸法/重量は、85型が191×41.2×117.9cm(幅×奥行き×高さ)/49kg、75型が167.4×37.6×103.6cm(同)/37.2kg、65型が144.7×33.3×90.2cm(同)/24.9kg、55型が122.8×27.4×77.6cm(同)/19.1kg、49型が109.3×27.4×69.9cm(同)/14.4kg。

スタンド