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ディスプレイ付き「Amazon Echo Show 5」“声+タッチ”の快適さ
2019年6月21日 17:04
Amazonは、5月29日より予約販売を開始した5.5型スマートディスプレイ/スピーカー「Echo Show 5」の利用シーンなどを紹介する体験会を開催。テレビや生活家電などの様々な機器も用意した「Amazon Alexaおうちラボ」で、スマートディスプレイならではの活用を体験した。
既報の通り、Echo Show 5は5.5型/960×480ドットのディスプレイを備え、音声操作とタッチ操作の両方が可能。価格は9,980円(税込)。カラーはブラックとホワイトの2色。出荷開始は6月26日を予定している。
10.1型液晶搭載の「Echo Show」(27,980円/税込)や、円形ディスプレイが特徴的な「Echo Spot」(14,980円/税込)に続く、ディスプレイ搭載のAlexaデバイス。スマートスピーカーと同様の音声操作だけでなく、ディスプレイのタッチ操作で細かな設定変更などもできるのが特徴。音声の読み上げを待たずに素早く操作したいといったニーズにもこたえる。小型筐体が特徴のEcho Show 5は、寝室のサイドテーブルやデスクでも利用できる。
ディスプレイで活用の幅を拡大。家のスピーカーやテレビとも連携
Amazonが開設した「Amazon Alexaおうちラボ」は、リビングルームやキッチン、オフィスをイメージしたスペース。ここで、利用シーンに応じた使い方を体験した。
リビングなどで使われる機能として、メインでもある音楽再生機能を紹介。既存のAlexa対応スマートスピーカーと同様に、例えば「アレクサ、アリアナ・グランデの「MY EVERYTHINGとかけて」と話しかけると、Amazon Music(初期設定時)で再生を開始。ディスプレイでは音楽に合わせて歌詞表示もできる。プレイリストの作成も声で行なえる。
1.65インチのフルレンジステレオスピーカーを内蔵。スピーカー出力は4W。小型の筐体からイメージする以上に低音もしっかり出ており、少し離れた場所から聴いても量感のある音が聴けた。なお、本体に外部スピーカー接続用のステレオミニ音声出力や、Bluetoothも備えており、Alexaを搭載しないスピーカーなどに音声出力して聴ける。
さらに、別室にあるAlexa搭載スマートスピーカーやサウンドバーなどとWi-Fi経由で連携し、マルチルーム再生も行なえる。
好きなアーティストをフォローすることも可能。「アレクサ、ミスチルをフォローして」と言うと「ミスターチルドレンの最新情報が入り次第、お知らせします」とこたえ、新譜のストリーミング配信が開始されたときなどに通知される。
従来から、曲が流れている間に「いいね」や「好きじゃない」とAlexaに伝えると、ユーザーの好みを学習する機能が搭載されているが、機能強化により、いいねできるステーションなどが増えたという。
音楽サービスは、Amazon Music以外にも、Spotify、dヒッツ powered by レコチョク、うたパスなどに対応。なお、アーティストのフォローなどの機能はAmazon Musicのみとなる。
音楽以外にも、Amazon Prime Videoで映画やドラマを観られるほか、「NHKニュース」や「テレ朝news」などのフラッシュニュースが視聴可能。また、「アレクサ、J-WAVEをかけて」などと話しかけてradiko(ラジコ)も聴ける。
家の対応テレビとも連携。「アレクサ、テレビをNHKにして」や「テレビを消して」などの操作ができる。
AV機器以外の連携でも、例えば離れたオフィスを掃除したい時に、Echo Show 5に「アレクサ、ルンバで掃除をして」と話しかけてオフィスのルンバを起動、ホームに戻すといったことができる。
Echo Show 5と既発売のEcho Showでは、新しいスマートホーム設定画面を採用したのも特徴。対応するスマートホームデバイスやグループを簡単にコントロールでき、照明などを音声で操作可能。照明が色や明るさの調整に対応していれば、Echo Show 5ディスプレイにタッチして、細かな調整ができる。また、Alexa対応のネットワークカメラの映像をスクリーンに表示したり、最近使用したスマートホームデバイスやグループを確認できる。
キッチンから家族全員に「起きて」と一斉通知。レシピや動画も
21日に発表された新機能の「アナウンス機能」は、複数のAlexa搭載デバイスに話しかけて、家族に「起きて」や「ご飯ができたよ」などと一斉にお知らせできるもの。キッチンのEcho Show 5から、各部屋のEchoなどに同時に伝えられる。
伝える内容は、定型文をただ流すのではなく、例えば「アレクサ、“朝だよー”ってアナウンスして」と話しかけると、ニワトリが鳴くSEとともに、話しかけたユーザーの“朝だよー”という声をそのまま別室のEchoなどに流せるため、状況に応じて具体的な内容を伝えられるのがポイントだ。
なお、最初に「アレクサ、アナウンスして」と話してから、Alexaが「なんのアナウンスですか」と応えるのに対し「ごはんができたよ」と伝えたい内容を話すという手順でも操作できる。そのほか、スマホなどのAlexaアプリを使って[連絡]から[アナウンス]を選び、メッセージを文字入力または声で登録後、各デバイスへ一斉アナウンスすることも可能。
料理をしながら、待ち時間にPrime Videoを視聴したり、レシピをチェックしたりというのもディスプレイ搭載ならではの便利な使い方として紹介。レシピを呼び出して表示、その手順を読み上げたり、Kindleの本の読み上げなどもできる。
忙しい朝などに、決まった一連の動作を行なう定型アクションにも対応。「アレクサ、朝の支度」と話しかけるだけで、他の機器とも連携して照明を点け、お湯を沸かし、クラシック音楽を流すなどの操作が一度に行なわれる。宅配便のチェックも可能。「アレクサ、ヤマト運輸を開いて」と話してその日に届く荷物の予定を通知。受け取り日を変更するという操作もできる。
1メガピクセルのHDカメラを搭載し、ハンズフリーのビデオ通話が可能。カメラカバーも備え、上面のスライドスイッチを有効にするとカメラを覆う形になり、プライバシーを管理しながら利用できる。
アレクサに“親近感”、スキルや音声操作の利用拡大
アマゾンジャパンのAlexaエクスペリエンス&デバイス事業部 リージョナルディレクター Alexa アジア パシフィック 大木聡氏が、Alexa搭載デバイスの日本での状況や、Echo Show 5の位置づけなどを説明。
日本での発売にあたり、相撲の勝敗などを表示する“縦書き表示”の実装や、“あっち向いてホイ”のゲームができるなど、「暮らしを便利に、楽しくする」ことへ注力しており、スクリーン付きやオーディオ向け機器など、幅広いラインナップを展開していることを紹介。Echo以外にも、Fire TVやFireタブレットなど、様々なデバイスでAlexaが使える環境の強化も進めているという。
Alexaデバイスが対応する「スキル」は、2017年当初の250程度から、2019年6月時点では2,500以上へ拡大。その中身も多様化し、占いから宅配便、レシピ、落語、クイズの「アタック25」、YouTubeなどで活動するGEMS COMPANYメンバーと話せる「ジェムカントーク」など幅広い。
また、開発者にとっても、5月にスキル内課金を提供開始したことで、スキルのバリエーション拡大に寄与。また、コーディング不要で独自機能を追加できる「ブループリント」の提供などで、開発のすそ野を広げたという。
音声操作(Alexa Voice Service/AVS)対応デバイスも、スピーカーやサウンドバー、ヘッドフォン/イヤフォンなどに加え、NECのパソコンやLenovoのタブレットも対応しているほか、新カテゴリーとして、家のミラーなども対応。スマートホームのカテゴリーでは、ソニーが提供する「MANOMA」のサポートなど、ボイスサービスのビジネス自体が広がりを見せているという。
ユーザーの利用実態としては、音楽再生などの利用のほか、「スクリーンデバイスならではの、離れた家族同士がつながるというシーンも増えている」という。さらに、「Alexa自身に親近感を持っていただき、歌を歌わせるなど色々なお願いをするという利用形態も増えている」とのこと。
複数あるディスプレイ搭載モデルの中で、Echo Show 5が「どこに置かれるか」については明確に規定せず、「リビングでも、ベッド脇でも、利用したい時に使えて、適用の幅は広がった」との見方を示し、ラインナップの中でも同モデルが低価格/小型でもあるこから「このサイズが比較的増えていくのでは」としている。