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ソニー、卓球Tリーグに国内初のビデオ判定システム提供。打球の回転数分析も

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズは、卓球の国内リーグ「Tリーグ」のイメージングテクノロジーパートナーとして、8月29日から始まる2019-2020シーズンに、ビデオ判定システムなどの映像関連技術を提供する。ビデオ判定システムの卓球への導入は、日本国内で初となる。

Tリーグのビデオ判定に使われる映像のイメージ(エッジボール時)

Tリーグに導入されるビデオ判定システム「リプレイ チャレンジ」は、サービスが相手コートに入る際にネットに触れたかどうか(ネットイン)、打ったボールが台の縁と側面のどちらに当たっていたか(エッジボール)の判定用として、シーズン開幕戦と最終戦で試験運用。XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z90」1台とコンパクトデジタルスチルカメラ サイバーショット「RX0 II」4台で撮影した映像が、サッカーのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)などに採用実績のあるソニー子会社Hawk-Eye Innovations(ホークアイ)の審判判定補助システム“SMART Replay(スマートリプレイ)”で迅速に表示。試合の適正な進行を促進するという。

Tリーグ
XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z90」
判定に使われる映像のイメージ(ネットイン時)

各チームの監督がサービスのネットインやラリー中のエッジボールに対してビデオ判定を申し出て、主審が承諾した際、審判台の裏に設置されたモニターに判定に必要なシーンがSMART Replayで再生。主審や副審などが確認する。また、会場の大型ビジョンやインターネットを通じてライブ配信する映像にも、確認中のシーンが表示される。

RX0 IIの設置イメージ

また、シーズン中の一部の試合においてスーパースローモーション映像の撮影も支援。4K(3,840×2,160ドット)で最大8倍速、フルHD(1,920×1,080ドット)で最大16倍速のスローモーション映像を実現するマルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-4800」で試合を撮影。インターネットを通じてライブ配信される映像やTリーグの公式ページ上の動画に、サービス時やストローク時などの選手やラケット、球の動きを捉えた映像が組み込まれる。

マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-4800」

シーズン後半からは、選手が打った瞬間のボールの毎秒当たりの回転数を計算/分析するソフトウェアを提供し、スーパースローモーション映像内で回転数を表示する取り組みも始まる予定。「ラケットや球の動き、戦術といった、人の目では追いきれなかったり、認識ができなかったりする卓球の魅力を視聴者に伝える」としている。

回転数表示のイメージ

ソニーは、ホークアイの審判判定補助システムや球の軌跡解析技術などを通じて、世界90カ国以上、20種類以上の競技において、公平性や選手の技術向上、試合の魅力向上に貢献。昨年からTリーグのエンタテインメントパートナーとしてイベント演出や音楽、プロモーション、グッズ製作などの面でサポートしているソニー・ミュージックエンタテインメント、全86試合の中継業務を行なうソニーPCLも含め、ソニーグループは技術とエンタテインメントの両面から、卓球とTリーグを支援する。

今回のシステムは、8月29日に東京・立川市のアリーナ立川立飛で開催する男子開幕戦、翌30日に大阪市のエディオンアリーナで開催する女子開幕戦、来年3月に開催予定の男女のプレーオフ ファイナルで試験運用される予定。