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初のドルビーシネマ専用劇場、丸の内ピカデリー披露。4日オープン
2019年10月1日 19:01
松竹マルチプレックスシアターズは、東京・有楽町の映画館「丸の内ピカデリー」に10月4日より導入するドルビーシネマ採用スクリーンを、オープン前の1日に報道関係者らに向け披露。都内初となるドルビーシネマ劇場の特徴や、今後の上映ラインナップなどを紹介した。オープニング作品はホアキン・フェニックス主演の4日公開「ジョーカー」。
ドルビーシネマは、HDR映像技術Dolby Visionと立体音響技術のDolby Atmosを採用し、シネマ体験に最適化されたシアターデザイン(インテリアカラー、空間デザイン、座席アレンジメント)なども特徴としている。
都内では初の採用。また、他のシネコンとは異なり、1つの建物に1スクリーンだけの「日本初のドルビーシネマ専用劇場」なのも特徴。丸の内ピカデリーの所在地は、有楽町ルミネ2などが出店している有楽町マリオン新館5階(旧丸の内ピカデリー3)で、住所は東京都千代田区有楽町2-5-1。
ドルビーシネマは、レーザープロジェクター2台を用いて、2D上映時は108nits(従来フォーマットは48nits)、3D上映時は48nitsの明るさを実現。コントラスト比は100万:1(従来は2,000:1)。
丸の内ピカデリーのロビーには、イタリア家具の最高峰・カッシーナのソファー「ASPEN」を設置。シアター入口にも映像が流れるAVP(オーディオ・ビジュアル・パスウェイ)が設置される。
座席数は255席(うち車椅子席2席)。鑑賞料金(税込)は、ドルビーシネマ作品が鑑賞料金+600円、ドルビーシネマ3D作品が鑑賞料金+1,000円。
シアター内の最前列には、10席限定でリクライニングシートを設置。オットマン付きで足を延ばしてくつろいだ姿勢で映画を楽しめる。
「ジョーカー」や「アナ雪2」。劇場版ガンダム、初の“メイドインジャパン”作品も
10月4日のオープニング作品は、ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ出演、トッド・フィリップス監督の「ジョーカー」(R15+)。アカデミー賞も有力視されている話題作を、ドルビーシネマで4日0時より最速上映する。
続いて、11月1日からの「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり」や、11月22日公開「アナと雪の女王2」、11月29日公開「ドクター・スリープ」、そして12月20日公開の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」が続く。
2020年以降は邦画も充実。2020年春には「劇場版 機動戦士ガンダム I~III」を、3月にはドキュメンタリーの「Fukushima 50」を上映。この作品は“初のメイドインジャパンのドルビーシネマ作品”としている(邦画で最初にドルビーシネマ劇場で上映されたのは'19年5月公開の水谷豊監督「轢き逃げ -最高の最悪な日-」)。
“ネットでは代替できない価値”を映画館で
松竹の迫本淳一社長は都内で最初にドルビーシネマを導入したことについて「松竹は歌舞伎や昔からの映画などのイメージで、新しいことをやらないと思われているかもしれないが、日本初のトーキー映画や、オールカラーは松竹。令和の新しい時代に最先端としてドルビーシネマがふさわしいと思い、この劇場を開設した」と説明。
最近の動向について「映画興行は、生産者と消費者を結びつける媒介の場としてだけではなく、ライブ感のある、ネットでは代替できない価値を生み出している。今年の興行も好調なのがそれを裏付けている。松竹は、新しいことにチャレンジしていくこと、マーケットに目を向けていくことを常に考えている。正直なところお金もかかっており、これを回収しなければならないが、配給社やお客さまに喜んでいただけるなら、『あの時の投資は安かった』といえる時代がくるのでは」との思いを語った。
ドルビージャパンの大沢幸弘社長は、ドルビーシネマのグローバルでの導入数が22社となり、採用するハリウッドスタジオは7つ、公開済み/公開予定タイトルは計250以上、導入済み/導入予定スクリーン数は400以上となっていることを説明。今回の丸の内ピカデリーについては「いよいよ都内でもドルビーシネマを楽しんでいただけるようになる。日本が世界に誇れる最先端、最高級の映画館ができた。映画館で観る映画の面白さをもう一度知っていただきたい」と述べた。