ニュース
BS4Kチューナ搭載の新STB「J:COM LINK」。DAZN/Netflixが最大4カ月無料
2019年11月21日 07:30
ジュピターテレコム(J:COM)は20日、'19年度下期の事業説明会を開催。4K放送の受信・録画が行なえるAndroid TV搭載STB「J:COM LINK」を、12月1日より提供開始すると発表した。同社テレビサービス加入者を対象にレンタルで提供し、月額料金は5,522円。既存ユーザーが新STBへ切り替える場合は、別置設置料金3,000円が必要となる。申込開始は11月28日。
既報の通り、J:COM LINKは、4K放送を含むJ:COMのテレビサービスが利用できるAndroid TV搭載の新型STB。9月発表当初は今冬提供予定としていたが今回、提供開始日と価格が決定した。
新STBでは、従来機(4K J:COM Box)の4K/2K放送受信・録画機能を継承しながら、NetflixやDAZNなどのネット動画視聴を新たにサポート。録画番組のモバイル端末への持ち出しや放送のリモート視聴、外出先からの録画予約といった機能強化も行なわれている。
搭載OSは、Android TV 9。Netflix、DAZN、TVer、AbemaTV、J SPORTSオンデマンド、YouTubeなどのネット動画アプリをプリインストールしており、設置直後から様々なネット動画が楽しめる。Google Play上で提供されているAndroid TV対応アプリのインストールも可能で、Amazon PrimeビデオやHuluといったネット動画ほか、ゲーム、ニュース、音楽サービスなども利用できる。
対応するHDRは、HDR10とHLG。Dolby Atmos音声もサポートし、ネット動画で提供されているHDR/Atmosコンテンツが再生可能。
放送番組とネット動画のシームレスな切り替えを目指した独自UIを導入。画面上には「放送中」「おすすめ」「番組表」「検索」「J:COMオンデマンド」「NETFLIX」「録画リスト」「アプリ」などのタブを用意し、「リモコンの左右ボタンだけで、放送・ネット動画・録画番組が簡単に切り替えできる」とする。視聴履歴を元にオススメの番組や動画をリストアップする「おすすめ番組表示」や、リモコンの内蔵マイクを使った音声操作(音声アシスタント)、Chromecastにも対応する。
搭載チューナーは、地上/BSデジタル、CATV、BS4Kチューナーを各3系統用意。いずれもトランスモジュレーション方式を採用し、地上デジタルのみパススルーに対応。
STBで受信した放送番組は、USB HDD(別売)に録画可能。最大2番組同時録画(DRのみ)に対応し「2Kや4K番組をダブル録画しながら、別の2K/4K番組が視聴できる」。また「外付け用のUSB HDDは最大6TBまで検証済み。台数制限は無く、電源供給型のUSBハブを介せばHDDの同時接続も行なえる」という。
録画番組をスマートフォンやタブレットにダビングする持ち出し機能に対応。持ち出し用のデータを予め作成しておけば、USB HDDに録画した1時間の番組を、最短90秒でモバイル端末に高速ダビングできる。放送中の番組を宅内・宅外のモバイル端末から視聴できるリモート視聴や、外出先からのリモート録画予約も行なえる。
インターフェイスは、HDMI出力×1、USB×2(USB 2.0+録画用USB 3.0)、LAN×1。ワイヤレス機能はWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth(ver4.2)。
外形寸法は約255×165×35mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約600g。
なお9月のSTB発表会でアナウンスされた「HDD内蔵STB」は、'20年提供を目指して現在開発中とのこと。また8Kチューナー搭載STBについては「8Kモデルの要望はまだ少ないと認識している。トランスモジュレーション方式で伝送された8K放送の周波数を変換する受像機開発には、まだ時間がかかる」(説明員)という。
Netflix・DAZNが最大4カ月無料になるキャンペーン
新STBの提供開始に合わせ、J:COM経由で動画配信サービス「Netflix」、または「DAZN」を契約すると、サービスの月額料金が一定期間無料になるキャンペーンを実施する。
申し込み期間は'19年12月2日~'20年2月29日までで、Netflixスタンダードプランは最大3カ月(通常1,200円/月)、DAZNは最大4カ月無料(通常1,750円/月)で視聴できる。
J:COM一括支払い、Netflix・DAZNの新規加入がキャンペーンの適用条件。詳細はキャンペーンサイトでアナウンスされる。
4Kチューナー搭載STBは順調に推移。'20年夏までに100万世帯設置を目指す
事業説明会では、同社代表取締役会長・石川雄三氏と、代表取締役社長・井村公彦氏が登壇し、同社事業の概要と'19年度の進捗状況を説明。
放送・VODサービスにおいては、'19年秋に開催された“ラグビーワールドカップ”が新規契約増に大きく寄与したと言及。'18年9月~10月比で、スカパー! 契約1.6倍、J:COM契約9.3倍、VOD(ラグビーパック)2.9倍の大幅伸張になったという。
井村氏は「J SPORTSでは、ラグビーワールドカップを全試合を4Kで生中継した。加えて、192カ所でパブリックビューイングを実施、そして16カ所のファンゾーンに映像を提供するなど、イベントの盛り上げに貢献し、多くのスポーツファンに喜んでもらえたと思う。新規契約で獲得したスポーツファンに対しては、引き続きラグビー関連番組を提供すると同時に、フィギュアスケートやスキーなどといったウィンタースポーツの魅力を訴求したい」と述べた。
また4K放送の進捗については、10月末現在で4Kチューナー搭載STBの設置数が47.7万台に上ったと発表。「数値は計画通りの実績であり、順調に推移している。12月提供の新STB“J:COM LINK”をきっかけに、設置数の更なる増加・進捗を図り、'20年までに100万世帯への設置を目指す」と抱負を話した。