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NetflixとJ:COM提携、4K/Atmos対応STB「J:COM LINK」。Dolby Visionも対応へ
2019年9月4日 14:15
映像配信のNetflixとケーブルテレビのジュピターテレコム(J:COM)は4日、業務提携を発表。新たなSTB「J:COM LINK」でNetflixの4K/HDR映像作品などが視聴可能になる。J:COM LINKは2019年度冬に提供開始する。
音声で放送も配信も横断検索、スマホ持ち出しも高速化した「J:COM LINK」
J:COM LINK(XA401)は、4K放送を含むJ:COMのテレビサービスを利用可能なSTB。OSはAndroid TV 9。J:COMテレビサービス加入者が対象で、レンタルで利用する。
Netflix以外にもDAZNやTVer、Abema TVなどの動画を視聴できる。独自のUIで各サービスへシームレスにアクセスできるほか、Googleアシスタントの音声検索機能を利用して、放送/配信を問わず観たいコンテンツへすぐに到達して楽しめるという。配信サービスのアプリがインストールされていればコンテンツ検索の対象となる。
音声検索時は、出演者の名前で番組を探したり、「Netflixでローマ」などと話しかけて探すことも可能。J:COM LINKが新たにカスタマイズした音声検索の例として、「ナショジオにして」や「ティーバー」、「金曜ロードSHOWを毎週予約」といった話し方でも検索できる。
4K/HDR映像に対応し、HDR10とHLGをサポート。立体音響のDolby Atmosのコンテンツにも対応し、NetflixやJ:COMオンデマンドの対応作品で利用できる。
放送は100chを超える地上波/BS/CS番組に対応。別売のUSB HDDに録画でき、その番組はスマートフォンやタブレットに持ち出して視聴可能。従来は持ち出し時に等倍で変換して転送する仕組みだったが、新STBでは録画予約時に持ち出し用ファイルをあらかじめ作成するように設定可能。1時間番組の場合、転送時間は約90秒まで短縮した。
テレビは地デジ3系統(トランスモジュレーション、パススルー)、BS/BS4K/CATVが各3系統(トランスモジュレーション)。コンテンツの著作権保護はACAS。Bluetooth 4.2対応で、プロファイルはHID/A2DP/AVRCP/SPP/GATTをサポートする。
上記以外のプリインストールアプリは、J SPORTSオンデマンド、YouTube、Google Playミュージック/ムービー&TV、J:COMオンデマンド、J:COM HOMEなど。Chromecast機能も搭載し、スマホやタブレットで視聴しているコンテンツをテレビに表示することも可能。
Netflixとの提携による一例として、付属リモコンの「スタート」ボタンを押した際のトップメニュー画面内に、番組表や、J:COMオンデマンドなどと同じ主要項目としてNetflixも配置。なお、リモコンにNetflixとのダイレクト起動ボタンは無いが、YouTubeやショップチャンネル用のダイレクトボタンを用意する。
HDMI 2.0b端子(HDCP 2.2対応)を1系統装備。外形寸法は約255×165×35mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約600g。
'20年にDolby Vision対応STBも
冬に提供開始される上記のJ:COM LINK(XA401)はDolby Atmos対応でDolby Visionには非対応だが、2020年度提供予定の新機種「XA402H」(HDD搭載)と「XA402」(HDD非搭載)の2モデルはDolby Vision/Atmos両対応となる予定。GoogleアシスタントやChromecast built-inにも対応する。
NetflixとJ:COMの提携を記念したキャンペーンも実施予定で、詳細は今後発表される。なお、J:COM経由で加入した映像配信サービスの割引などの実施については未定。決済方法を一本化するかどうかについては「パートナーの希望にもよるが、基本的に一括で決済できるようにする方針。協議次第」(井村公彦社長)とした。
J:COMの井村公彦社長は、若年層中心にテレビ離れが進んでいることについて「変化は冷静に受け止めなければならない」とする一方で、テレビとモバイル機器を合わせた接触時間は増えているとのビデオリサーチの調査を挙げて「コンテンツを楽しむ時間は増えているのではないか。ただしテレビからモバイルへのシフトが進んでいると認識している」と述べた。
J:COM LINKの注力したポイントとしては、音声検索やレコメンドにより、膨大なコンテンツの中から観たい作品を探しやすくしたり、新しいコンテンツとの出会いを容易にしたことなどをアピールした。
Netflixプロダクト最高責任者のグレッグ・ピーターズ氏は、当初DVDレンタルからスタートしたNetflixの事業を振り返り、現在は190カ国、1億5,000万人の有料会員を抱えるまで成長したことを改めてアピール。拡大を続けながらも事業のフォーカスとしては「素晴らしいストーリーを世界中に提供すること」に変わりない点を強調した。
Netflixの日本市場での展開については、当初からアニメなど日本コンテンツの世界発信を積極的に行なってきたことに触れ、現在はオリジナルドラマ「全裸監督」が世界でもヒット。「サービスローンチ以来最大の勢いを見せている。韓国、台湾、タイ、ベトナム、シンガポールでもトップ10に入っている」と好調ぶりを紹介した。
J:COMとの提携については「J:COM LINKで簡単にNetflixへアクセスしてもらい、4K/HDR/Dolby Atmosといったテクノロジーを最大限に活用してエンドユーザーに感動体験を届けたい」とした。