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KEF、“音のブラックホール”開発。「まもなく」製品化
2020年9月1日 17:26
イギリスのスピーカーメーカー「KEF」は、革新的と謳う吸音技術「Metamaterial Absorption Technology(MAT)」をAcoustic Metamaterial Groupと共同で開発。同技術を活用して「聴き手が吸い込まれていくような、臨場感あふれる類無きピュアなサウンド」を楽しめるスピーカーをまもなく発表する。
MATは複雑な迷路のような構造を持つ物体。素材自体は既存のものを使っているというが、特別に開発された迷路のような構造ひとつひとつが特定周波数帯の音を吸収し、“音のブラックホール”のような役割を果たすことで、ノイズを吸収。よりピュアで自然なサウンドを楽しめるという。
KEFでデベロップメント・エンジニアを務めるセバスチャン・デクレイブ博士は「ドライバーユニットの背後に生じるノイズを、我々は吸収したかったのです。何故ならば、ドライバーユニットやキャビネットによって人工的につくられてしまう音ではなく、音楽そのものを聴きたいからです。我々は、最小スペースで最大限のノイズを吸収できる、最適なメタマテリアルを作り上げたのです」と、MAT開発の経緯を明かしている。
MATを使うことで、従来の手法では約60%しか吸収できなかったというラウドスピーカーのドライバーユニット背面から発生するノイズを99%吸収できるとのこと。その効果は「比較にならない程」という。
KEFは、このMATのパフォーマンスを発揮させるためには「素晴らしいプラッフォーム」が必要だとして、MATの恩恵を受けるスピーカーを「もうまもなく」発表するとのこと。