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ソニー、4K/HDR対応業務用モニター「PVM-X3200」。209万円

PVM-X3200

ソニーは、プロフェッショナル向け4K液晶モニターの新製品「PVM-X3200」を2021年10月に発売する。同社ピクチャーモニターシリーズとしては、最大サイズの32型。価格は209万円。

32型のa-Si TFT アクティブマトリクスLCDパネルを採用。パネルのアスペクト比は16:9で、解像度は4K/3,840×2,160ドット。パネル表示フレームレートは48/50/60Hz。

全白時1,000cd/m2の高輝度性能を実現。マスターモニター「BVM-HX310」と同一色域を持つ広色域パネルを用いることで、映像制作ワークフローにおける一貫した色再現を可能とした。

シーンに応じて動的にコントラストを変動させる、新開発のバックライト駆動システム「ダイナミックコントラストドライブ」を搭載。明るいシーンと暗いシーンが混在するコンテンツで、各シーンの明部から暗部の全体のコントラストのバランスを確認する用途に使用可能。例えば、白く輝度が高い映像では最大輝度を生かした表示ができる一方、暗く影の多い映像では輝度を抑えて暗部の再現性を優先するなど、動的にコントラストを広げて表示するという。

低輝度領域の再現を重視したブラックディテール表示機能により、バックライトの輝度を三段階で下げることで低輝度領域の正しい色と階調を再現。月明かりや暗闇など、全体の輝度が低い映像において、画面全体を一定の輝度に抑えながら、信号レベルを調整し、低輝度領域の色と階調を忠実に再現する。モニターのダイナミックレンジを上回る高輝度領域は、クリップもしくはゼブラパターンで表示できる。

波形モニター(WFM)は、HDR/SDRの各種EOTFに対応した輝度レベルに加え、RGB/YCbCrパレード表示にも対応。さらに入力信号レベルに加え、表示輝度のスケールにも対応し、EOTF設定に合わせ自動選択。ベクトルスコープやオーディオレベルメーターとの同時表示も行なえる。

モニターを4分割して表示できるQuad Viewモードに対応。HD×4の非同期信号入力に対応し、4画面に異なるEOTF、色域、伝送マトリクス、ユーザー3D LUT、色温度などを個別に設定できるため、4台のHDモニターとしても使用できる。ユーザー3D LUTは、33格子点と17格子点の.cube形式に対応し、USBメモリから本体に直接読み込める。SDIだけでなく、HDMI接続時にも適用可能。

また、既発のピクチャーモニター「PVM-X2400」「PVM-X1800」に対応した有償ライセンス「PVML-HSX1」(6月発売予定)を使用すると、本体上でHDR(HLG/S-Log3/PQ)からSDRへの変換、4KからHDへの解像度変換、プログレッシブからインターレースへの信号の変換にも対応する。

「新4Kカメラシステム」開発発表。FX6は4K120p RAW出力対応

HDCシリーズ 新4Kカメラシステム ※開発中(2021年内発売予定)
HDCシリーズ 新4Kカメラシステム搭載スーパー35mm単板CMOSイメージセンサー ※開発中(2021年内発売予定)

2021年内の発売に向け、グローバルシャッター機能搭載のスーパー35mm単板CMOSイメージセンサーを使用したHDCシリーズの新4Kカメラシステムの開発も発表。

システムカメラの使い勝手を継承しながら、音楽ライブやドラマ制作に対応する23.98P/29.97P撮影に加え、被写界深度の浅いシネマライクな表現ができるカメラになるという。またHDR(HLG・S-Log3)とSDRの同時出力が可能で、ソニーのSR Live for HDRワークフローに対応する。

Cinema Lineカメラ「FX6」

また映像制作用カムコーダーのファームウェアアップデートも実施する。

XDCAMメモリーカムコーダー「FX9」、Cinema Lineカメラ「FX6」に関しては、5月提供予定のファームウェアアップデートで、4K120p RAW出力をサポートし、対応レコーダーで記録できるようになる。さらに「FX9」は2021年内提供予定のVer3.0で、アナモフィックレンズとの組み合わせが可能となるアナモフィックモードなどの新機能を追加する予定。

こうした新カメラや既存製品のアップデートにより、HDR需要に応える機能拡張とワークフローの拡充を行なっていくという。