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ヤマハ最上位ヘッドフォン公開。机に置ける真空管+D級アンプも
2022年9月18日 17:19
フジヤエービック主催「秋のヘッドフォン祭 2022」が9月18日に中野サンプラザで開催された。1日のみの開催で、入場は事前予約制。ここでは、ヤマハミュージックジャパンやアユートなどの新製品をレポートする。
ヤマハミュージックジャパン
大きな注目を集めていたのが、ヤマハのハイエンドヘッドフォンの参考展示。多くの人が試聴に集まっていた。発売日や価格は未定。
ヤマハは1976年に、平面磁界型ドライバーを採用したヘッドフォン「HP-1」を開発しており、その技術や思想を受け継ぎ、新たな製品として開発しているのがこのヘッドフォン。
ユニットは進化を遂げた「オルソダイナミックドライバー」で、ブースではその構造も見ることができる。ハウジングは開放型で、マグネシウムパーツが使われている。ケーブルも、ハイクオリティなものが用意されるようだ。
サウンドの方向性は「トーナルバランス(音色の正確な再現)」、「ダイナミクス(静と動の表現による躍動感)」、「サウンドイメージ(空間描写)」を追求。ヤマハは従来から「アーティストの意図したとおりに音を表現し、圧倒的な没入感を生み出す『TRUE SOUND』」を掲げているが、それが体感できるヘッドフォンとして開発中だ。
アユート
多くの来場者が試聴に集まっていたアユートブース。目玉は、発表されたばかりのAstell&Kern新ハイエンドDAP「A&ultima SP3000」と、AK×Empire Ears初コラボイヤフォン「Odyssey」だ。
それ以外にも参考展示の新製品があった。
qdcの有線イヤフォン「Dmagic Solo」は、ダイナミック型ユニット×1基のシンプルな仕様で、価格は3万円程度になる見込み。入力端子を交換できるのも特徴。
さらに有線イヤフォンでは、「ポタ研 2022夏」でも展示されたユニバーサルタイプのフラッグシップ級IEM「Tiger」も用意。ドライバー(BA×6 + EST×2)の構成で、シェルの素材はチタンとなっている。
また、qdcの有線イヤフォンをワイヤレス化するアダプタとして「TWX」という製品も、近々に発売予定。価格は2万円程度のイメージだという。2ピンで取り付け可能で、イヤフォンを接続したまま充電ケースに収納できる。
さらに、東京ゲームショウにも出展されているAZLAブランドの新製品、「AZLA史上最高の寝ホン」をスローガンに掲げたフル・シリコン構成の「ASE-500」も登場。
シリコンで作られたイヤフォンで「もちっとした装着感と幅広い互換性」が特徴。長時間使っても疲れづらく、横になって使用する場合にも快適という。イヤーピースは医療シリコンを使った「SednaEarfit MAX」が付属する。
5.7mm径のダイナミック型ドライバーを搭載し、再生周波数帯域は10Hz~20kHz、感度は96dB SPL/mW。プラグ形状は3.5mmステレオミニだがUSB Type-C DACケーブル、Lightning DACケーブル、USB-A変換アダプタなどが付属する。付属ポーチもシリコン製。
Acoustune
Acoustuneのブースでは、「HS2000MX SHO-笙-」向けの交換式音響チャンバーである、第一弾「ACT02」、近日発売の第二弾「ACT03」の量産版の3種類が比較試聴できる。
「ACT03」最大の特徴は、チャンバーハウジングにはACT02と同じ真鍮を採用しているが、一部にウッドパーツを採用している事。木の響きも楽しめるのが特徴。また、ドライバーには「ミリンクスWS」という新しい振動板を採用。ドームとエッジの比率を変更し、エッジ部分の面積を広くする事で、より俊敏な大振幅が可能になり、微細な音も描写できるトランジェントに優れたユニットだという。
さらに、MONITOR RSシリーズの新製品「RS THREE」も披露。クリア筐体で、価格は未定だが、18,800円~19,800円程度の見込み。こちらもユニットがミリンクスELから「ミリンクスELS」に進化。スペシャルコーティングを施し、高域を丸めずに、シャープに描写。高域の“刺さり具合”もチェックできるほか、ケーブル長が1.8mになり、3.5mmから6.3mmへの変換コネクタも同梱するなど、よりモニターイヤフォンとしての使い勝手を追求したモデルになる。
その他
飯田ピアノのブースでは、届いたばかりというHiByの新DAP「RS8」が披露されている。RSシリーズは、ダーウィン・アーキテクチャと呼ばれるR2R D/A変換技術を採用しているのが特徴だが、このRS8は、R2R DACを2基搭載していると思われる。詳細な情報は、今後順次公開される予定だ。
Heart Field Acousticsの新イヤフォンも参考展示。宝石のような美しさが特徴の同ブランドだが、この新イヤフォンはブラックトルマリンをイメージしているという。初の樹脂製筐体を採用したモデルで、既存モデルと比較すると、リーズナブルなモデルになる予定だ。
iBasso Audioで注目を集めていたのが、フラッグシップDAP「DX320」の筐体をリキッドメタルにした「DX320 Edition X」。価格や発売日は未定で、限定モデルになるという。
城下工業(SOUND WARRIOR)のブースでは、来年初頭の発売を予定している真空管+D級ハイブリッドアンプの「SWL-T01(仮)」を参考展示。プリ段に真空管の12AU7、パワー段にD級アンプを使ったハイブリッドアンプで、ヘッドフォン出力とスピーカーターミナルも搭載。デスクトップなどに設置できるコンパクトサイズで、ヘッドフォンやスピーカーをドライブできるという。
入力としてUSBや光、アナログラインを想定。スピーカー用アンプの出力は15W×2。入力端子の種類など、細かな仕様をブラッシュアップさせ、製品化を目指している。価格は未定だが、4~4.5万円のイメージ。
「SWD-UA1(仮)」は、USB DAC内蔵のプリメインアンプで、小型だがスピーカーの駆動も可能。11月発売予定で、価格は5万円台後半をイメージ。PCやスマホ、CDプレーヤーとの接続に加え、テレビと接続し、テレビのサウンドを小型スピーカーなどで再生する使い方も提案している。