ニュース

エプソン、壁2.5cmで80型の超短焦点プロジェクタ。Android内蔵

EH-LS800

エプソンは、液晶プロジェクター“dreamio”の新モデルとして、Android TV内蔵の超短焦点「EH-LS800」と、Android TV端末を同梱した「EH-TW6250」の2機種を、10月6日より発売する。どちらも価格はオープンプライス。店頭予想価格はLS800が451,000円前後、TW6250が159,500円前後。カラーはホワイトで、LS800のみブラックも用意する。

EH-TW6250

壁から2.5cmで80型投影。レーザー光源&Android TV内蔵「LS800」

壁際の棚やテレビ台に設置し、壁やスクリーンに映像を投写できる超短焦点型プロジェクター。'20年9月に発売した前モデル「EH-LS500」から、光学部を大幅に改良。80型の大画面を実現するのに、従来は壁から約50cm離す必要があったが、新モデルではわずか2.5cmへと大幅に短縮。さらにAndroid TVの内蔵や、スマホを使った自動歪み補正を搭載するなど、使いやすさも向上した。

ターゲットは、家族でテレビのように大画面を楽しみたいと考えるリビングシアター希望者や、簡単に本格的なホームシアターを楽しみたいミドルユーザーを想定しているという。

EH-LS800(ホワイト)
EH-LS800(ブラック)

幅69.5cmの横長ボディ中央に、超短焦点レンズを搭載。壁距離わずか2.5cmで80型のほか、最大150型までの大画面が楽しめる。シフト機構は搭載しない。

ボディ中央の超短焦点レンズ
前モデル「EH-LS500」から、光学部を一新
発表会場に展示されていた前モデル。80型を表示するには、壁から約50cm離す必要があった

比較的短い距離から角度を付けて投写することになる超短焦点モデルでは、映像歪みが起きやすいが、LS800では「Epson Setting Assistant」を新たに採用することで、難しい調整なしに、手軽に補正できる仕組みを実現している。

具体的には、LS800が投写した補正用パターンをスマホアプリで撮影すると、その歪み具合を基に、LS800が自動で投写映像を補正してくれるというもの。プロジェクターとスマホでデータ通信を行なうため、途中でBluetooth接続が必要だが、手順に従って設定すれば、1分足らずで補正が完了することができた。

Epson Setting Assistantの設定画面
最後、補正用パターンをスマホで撮影。歪み具合からLS800が自動で補正をかけてくれる

使用パネルは、0.62型/1,920×1,080ドットのワイドポリシリコンTFT液晶3枚構成。専用デバイスを高速振動(0.5画素分斜めにシフト)させる事で画素ずらしを行なう「4Kエンハンスメントテクノロジー」を搭載し、4K相当の表示を実現。入力信号も最大4Kまでをサポートした。さらに、dreamioのフラッグシップ「EH-LS12000」と同じ画像処理チップを採用。高性能なチップを使用することで、高画質な映像描写に寄与しているという。

長寿命・高輝度のレーザー光源を採用し、明るく、高コントラストな映像投写を実現。全白・カラー共に明るさは最大4,000lmで、コントラスト比は250万:1。適応レーザーライト出力をオンにすれば、光量を自動調整。使用環境の明るさに応じた最適な映像を実現するという。なお、LS800では3D信号は非対応となった。

Android OSを内蔵。ネットワーク環境を用意すれば、購入直後からYouTubeなどのネット動画が大画面で楽しめる。Google Playから動画配信サービスアプリをインストールすれば、ABEMAやDisney+、Prime Videoなども視聴できる(Netflixを除く)。

Android TVを内蔵
端子部
リモコン

HDMI入力は3系統で、入力2はARC、入力3はゲーム機との接続を考慮した低遅延仕様(入力遅延は20ms以下)とした。HDMIのほか、USB、3.5mmステレオ出力、光デジタル出力を装備。ヤマハ製の2.1chスピーカーを内蔵し、出力は5W×2、10Wウーファー×1。動作音は、前モデルの23dBから19dBへと静音化させている。

消費電力は350W。突起部を含まない外形寸法は695×341×145mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約12.3kg。

前面のグリルを外した状態
ヤマハ製の2.1chスピーカーを搭載した

エンハンスメント技術で4K対応した「TW6250」。Android端末同梱

エプソン製メディアストリーミング端末を同梱したプロジェクター。前モデル(EH-TW5825)からは表示解像度(2K→4K)、レンズシフト(上15%→上下60%)、スピーカー位置(背面→前面)が変更されている。

ターゲットは、画質・価格・使いやすさのバランスを重視するホームシアター入門者(リピーター)や、スマホで見ていた映像を高画質・大画面で見たい方を想定している。

EH-TW6250

上位機と同じ画素ずらし技術「4Kエンハンスメントテクノロジー」を採用し、4K表示・4K入力をサポートした。使用パネルは、0.61型/1,920×1,080ドットのワイドポリシリコンTFT液晶3枚。輝度は最大2,800lmで、コントラスト比は35,000:1。光源は200W UHEランプ。

Android TVを採用した専用端末を同梱。Wi-Fiに接続するだけで、NetflixやYouTubeなどの動画配信サービスをすぐに利用できる。

設置時の動きを感知し、投写映像のタテ方向の歪みを自動的に補正するタテ自動台形補正と、ヨコ方向のゆがみを簡単に補正できるヨコ補正スライド式レバーによる「ピタっと補正」を装備。斜め横からの投写でも、簡単に使えるという。

Android TVを採用した専用端末を同梱。予めプロジェクターにセットされた状態で梱包されているという
天面に用意されている、手動型のレバー。一番上は、歪み補正用の「ピタっと補正」レバー。下に見えるのは、ダイヤル型の上下レンズシフトと、ズーム・フォーカスレバー

1.6倍の手動ズームレンズを採用。さらに従来は上15%しかシフトできなかった光学部を改良し、上下60%のシフトを実現。広範囲なレンズシフト機能により、設置性能がさらに向上した。投写画面サイズは40~500型。

端子部

インターフェイスは、HDMI入力が2系統(1系統はAndroid端末で使用)で、ステレオミニの音声出力端子も装備。スピーカーは前面に配置し、出力は10W。BluetoothやWi-Fi、3Dは非対応。

動作音は最小28dB。消費電力は316W。突起部を含まない外形寸法は、333×275×123mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.1kg。

リモコン

コロナ禍でホームPJ市場が伸長。10万円以上のモデルも盛り上がりを期待

発表会では、エプソン販売の小宮正志氏が登壇し、市場概況を説明。それによれば、コロナ禍による巣ごもり需要でホームプロジェクター市場は拡大。コロナ前と比較して、2022年は約170%の伸長を予測するという。

また巣ごもり需要が顕著だったコロナ初期と、withコロナ以降とでは、ユーザーが購入するプロジェクタの価格帯にも変化が見られると分析。

小宮氏は「コロナ初期は先行き不透明感もあって、5万円未満の安価なプロジェクターが人気を集めたが、ホーム・小型プロジェクターの人気向上も手伝い、withコロナに入ってからは“機能性”や“使い易さ”を求め、ユーザーの購入価格帯が5万~10万円ゾーンにシフトした」と話す。

そして「現在は10万円未満のモデルが売れ行きの中心ではあるが、各社とも4Kモデルの投入が活発化しており、10万円以上の価格帯も盛り上がると推測している。今回我々は、超短焦点で場所を気にせず簡単に本格的なホームシアターが実現できる『EH-LS800』と、Android TV端末を同梱し4K画質で動画配信が楽しめる『EH-TW6250』の2モデルを用意した。どちらの新製品も、dreamioが提供価値と掲げる“3LCDの色再現性豊かな映像”と“あこがれの本格的なホームシアター”が楽しめるモデルに仕上がっている。新機種投入で引き続き、ホームプロジェクター市場を盛り上げていきたい」と抱負を語った。

エプソン販売株式会社 販売推進本部 VPMD部長 小宮正志氏