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CPRA、文化庁「BDレコ補償金」に賛成。「それ以外の機器も措置を講じるべき」

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日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)は26日、私的録音録画補償金制度の新たな対象機器にBDレコーダーを指定した文化庁の政令案について、「ブルーレイディスクレコーダーおよびブルーレイディスクを追加指定することについて賛成する」との意見を提出したと発表した。

意見書では、私的録音録画補償金制度(補償金制度)は、家庭内等における私的な録音・録画の増大に対し、利用者と権利者との利益の調整を図るため、1992(平成4)年の著作権法改正により導入されたもの、と説明。

しかし、制度導入以降も制度対象外のデジタル録音・録画機器が登場。

制度の見直しは、2003年7月の「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」(知的財産推進計画)で取り上げられて以降、毎年、知的財産推進計画に掲げられ、文化審議会著作権分科会で様々な議論が繰り返されてきたものの、今日まで具体的な見直しに至っておらず、“制度が形骸化したままの状況”が続いてきたという。

その後、文化審議会著作権分科会の「著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会」が、“補償金制度について、協力義務者の位置付けを維持しながら、私的録音・録画の蓋然性の高い機器(主として録音/録画の用に供される機器)等への課金を行うという現行の運用を前提とした手当てをまずは行うことが考えられる”との基本的な考えを作成(参考PDF)。

これを受け、「補償金制度の対象となる具体的な機器等について、実態調査の実施などを含め、関係省庁間で検討が重ねられてきた」という。

CPRAは「今回の改正案は、この関係省庁間での検討結果を踏まえたものであり、空洞化した補償金制度を見直す第一歩として評価し、改正著作権法施行令が速やかに施行されることを希望する」と、賛成の理由を述べている。

さらに、CPRAは「我が国は私的複製に関して広範な権利制限規定を有しているにもかかわらず、デジタル方式による私的複製に対する不利益を補償するための補償金制度は形骸化し、実質的に機能不全に陥った状態のまま、長年放置されている」とし、「デジタル方式による私的複製が広範かつ大量に行われているにもかかわらず、権利者に対する対価(補償金)の還元が果たされないという極めてアンバランスな状態がこれ以上継続することは到底認容しがたい」と主張。

「政府は、現行の補償金制度が対象として想定している私的複製の蓋然性が高い機器等について、速やかに政令指定を行うとともに、それ以外の機器等についても、新しい時代に即した具体的な制度設計について結論を得て、必要な措置を講じるべきである」とも記し、BDレコーダー以外のデジタル機器に関する措置も求めている。

文化庁の改正政令案については、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が8月23日に「政策としての合理性が無いものと考え、強く反対する」という意見書を発表。

これに対し、日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会などの権利者19団体は9月9日、「音楽や映像のクリエーターに適切な対価を還元する環境を再構築するために必要不可欠なプロセスであり、私たちはこの改正案を強く支持します」とのコメントを発表している。

JEITA「強く反対する」。BDレコーダ私的録音録画補償金制度対象化

JASRACら19団体「必ず実現させる必要ある」。BDレコーダ私的録音録画補償金制度対象化