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「OVO」のDNAを継ぐ“地球最後のフルデジタルUSBスピーカー”

“地球最後のフルデジタルUSBスピーカー”を謳う「LOG」

フルデジタルスピーカー「OVO」の開発を主導した宮崎晃一郎氏が立ち上げたミューシグナルは、“地球最後のフルデジタルUSBスピーカー”と謳う天然木削り出しフルデジタルスピーカー「LOG」のクラウンドファンディングを、GREEN FUNDINGで開始した。価格は1台プランで78,000円から。OVO所有者向けには10,000円引きで乗り換えられる下取りプランも用意する。製品は2023年2月から順次発送。

2台セットプランも156,000円で用意。このセットプランのみ先着100名にJDSound製の「OVO光コンバータ」が1個プレゼントされる。OVO光コンバータは、光デジタル信号をOVO/LOG用に変換することができるほか、2台のスピーカーを接続してステレオ分離再生することもできる。

なお、部品数に限りがあるため、完売した場合は増産・一般販売は行なわない。余剰在庫が発生した場合は別の機会に販売する可能性もあるというが、その場合価格は上昇するとのこと。

ミューシグナルは、宮城県に本社を置く国内出資100%の開発会社。半導体設計とデジタルオーディオ機器開発の分野で20年以上の経験を持つベテランエンジニア達が集まって発足したという。「OVOをこのまま終わらせたくはない」という思いを抱えていた宮崎氏が、その特徴を受け継ぎながら開発したのが、今回のLOGとなる。

LOGは、デジタル駆動ならではの特性はそのままに、新規回路による追加機能を搭載したスピーカーで、「職人技術の粋を凝らした天然木筐体でパッケージングした、これまでの開発資産の集大成」と位置づける。

円柱型の木製筐体を採用

ロッジに積まれた丸太をイメージしてネーミングされており、円柱型の木製筐体を採用している。5軸NCルーターを用いて整形されたなめらかな曲面ボディは、特注の刃をいくつも使い分けながら1台1時間以上かけて削り出されている。

加工は山形の杉山木工が担当

加工は、楽器からスピーカーボックスまで、さまざまな音楽製品を手掛けた実績を持つ山形の老舗企業、杉山木工が担当。計算された木の重みと共鳴路が、デジタル駆動のクリアな音質をやわらかに増幅するという。

とことん木にこだわった製品のため、使用する木材はブナ(ヨーロピアンビーチ)とヤマザクラ(追加費用4,000円)から選択可能。ブナは「ミッドを中心としつつも広い音域をカバーでき、どんな音楽にも合う」といい、ヤマザクラは「適度な硬さを持ち、抜けの良い高音を作り出せることで定評がある」とのこと。

フルデジタルクロックを採用

OVOが採用していたフルデジタルクロックを、このLOGでも引き続き採用。DAコンバーターを搭載せず、国産チップ「Dnote」と特注のマルチコイルスピーカーを組み合わせ、デジタル信号で直接コイルを駆動させる。これにより、デジタル本来の音質を発声直前ぎりぎりまでキープできるうえ、電力あたりの効率も大幅に向上するため、USBバスパワー駆動とは思えない大音量も楽しめる。

ただし、この方式には特殊な設計が必要で、また必要不可欠な「Dnote」の生産が終了しているため、「これ以上は作れない。他社を含めても、もうフルデジタルスピーカーという商品の後継機は望めない状態」という。

そんなOVOの個性を受け継ぎつつ、LOGでは独自基板も搭載して機能を追加。特に「そのままテーブルに置いてもなじむ家電」をコンセプトとして、単独で活用できる機能が充実した。

本体背面にモード切替スイッチなどを備える

本体には16GBの内蔵ストレージがあり、本体をPlayerモードにすることで保存した音楽ファイルを単体で再生可能。対応ファイルは非圧縮音源(wav、aiff)のみで、ファイル転送には別途PCやスマートフォンなどが必要。モードの切替は背面のスイッチで行なう。

リモコンも不ぞkする

8ボタンのリモコンも付属。Playerモード時に本体を操作できるほか、LOGをUSBスピーカーとして使うPCモードでも使用できる。

機器側の接続端子はUSB Type-C。さらに3.5mmステレオミニ端子も備え、USBオーディオ非対応のスマ―トフォン、音楽プレーヤーの音源も再生できる。アナログ入力とUSB入力の音源を同時に再生することもできる。OVOで好評だったというWebダッシュボードも利用可能で、ブラウザでイコライザなど詳細設定を操作できる。

外形寸法は294×80×76mm(幅×奥行き×高さ)、重さは800g。製品出荷に先駆けて、10月22日にはeイヤホン秋葉原店で試聴会も行なわれる。時間は16時45分~17時30分の予定。