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ソニー、リアスピーカーが無線で繋がるAVアンプ「STR-AN1000」
2023年2月21日 13:07
ソニーは、AVアンプの新製品として、360 Spatial Sound Mappingに対応した7.1ch「STR-AN1000」を3月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は12万円前後。
ソニーのAVアンプラインナップは、7.1chの「STR-DN1080」が昨年末で完了となり、新たに7.1ch「STR-AN1000」が登場する。下位モデルの7.1ch「STR-DH790」、5.1ch「STR-DH590」、2chの「STR-DH190」は継続販売となる。
STR-AN1000では、同社サウンドバーなどに採用する「360 Spatial Sound Mapping(360SSM)」をAVアンプで初採用。複数の実スピーカーからの音波を合成し、理想的な位置に配置されたファントムスピーカーから広大な音場空間を創り出すとしている。
自動音場補正機能は、従来の「D.C.A.C. EX」から進化して、3次元位置を測定・補正する「D.C.A.C. IX」を搭載。全てのスピーカーの位相特性を揃える「A.P.M.」や、音源位置を再配置する「スピーカーリロケーション」、5.1.2ch配置で7.1.2ch相当のサラウンド体験ができる「ファントム・サラウンドバック」、フロントハイトにスピーカーを設置している場合にセンタースピーカーの音を上に引き上げる「センタースピーカーリフトアップ」など従来の補正機能も使用できる。
付属の測定マイクはステレオマイクで、専用台座を使って20cm差の異なる高さで2度に分けて音を測定することで、各スピーカーの距離、音圧、周波数特定、角度を測り、各スピーカー配置を精密に補正。測定手順は画面上に表示されるため、案内に従って設定できる。
D.C.A.C. IXは、360SSMをオンにした際にその実力を発揮。従来はスピーカーの設置位置の関係上、どうしても画面の下から音が聴こえる状態になるところ、3次元位置の補正が働き、画面中央付近の高さ、奥行きも画面の奥から音が出ているかのようなサウンドで楽しめるようになった。
同社薄型テレビ・ブラビアとの連携機能も搭載。HDMIケーブルとステレオミニケーブルでブラビアと接続することで、ブラビア本体からも音を出すことができる「アコースティックセンターシンク」に対応するほか、ブラビアのクイック設定にアンプ設定項目が表示され、「サウンドフィールド」「360SSM」の設定がブラビアのリモコンで行なえる。
360 Reality Audioに対応するほか、最大192kHz/24bitのPCM、DSD 11.2MHzのハイレゾ音源に対応。ただし、DSD 11.2MHzは2ch対応、マルチチャンネルは5.6MHzまでで、5.1ch対応となる。
圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」も搭載する。
7chアンプ内蔵で最大出力は各165W(6Ω)。サブウーファー出力は2系統備えているが、左右の振り分けがないため、表記は「7.1ch」になっているとのこと。
ワイヤレスリアスピーカー「SA-RS5」「SA-RS3S」や、ワイヤレスサブウーファー「SA-SW5」「SA-SW3」との接続にも対応。リアスピーカーは1組、サブウーファーは同種2台まで接続可能で、接続設定時に有線かワイヤレスを選択するため、例えば有線とワイヤレスでサブウーファーを計4台接続するといったことはできない。
ネットワーク機能として、「Works with the Googleアシスタント」「Chromecast built-in」「Spotify Connect」「AirPlay 2」に加え、新たに「works with SONOS」「Roon Tested」に対応する。
スマホアプリ「Music Center」でも操作できるほか、シンプルなデザインの新GUIに刷新し、快適に操作できるとしている。
今回音質の向上を目指し、デジタル系回路基板を刷新。音声信号処理のすべてを1チップで行なうSoCを搭載。従来は32bit DSP×3で行なっていたD.C.A.C.処理、イコライザー、各種サウンドフィールドなどの機能を1チップで行なうことで、各機能全ての音質が向上したという。
放熱用のヒートシンクの形状も見直し、フィンの長さを不均等にすることで、より共振しにくい構造になった。本体の強度も増しており、外形寸法は「STR-DN1080」と変わらない430×331×156mm(幅×奥行き×高さ)だが、重量は増加し、10.3kgになった。
HDMI入力は背面に6系統装備で、うち2系統が8K、4K/120p対応。HDMI出力は2系統で、うち1系統がARC/eARC対応。HDMI 2.1対応で、ALLM、VRRもサポート。HDRはHDR 10、HLG、ドルビービジョン、IMAX Enhancedにも対応する。
映像入力はコンポジット2系統、映像出力はコンポジット1系統装備。音声入力は光デジタル、同軸デジタルを各1系統。ラインを4系統、USBをフロント側に1系統備えている。音声出力はサブウーファー×2系統、ヘッドフォン端子×1系統、S-センター×1系統。HDMI入力の映像はアップスケーリングも可能。
キャリブレーションマイクロフォン、キャリブレーションマイクスタンド、FMアンテナ線、リモートコマンダー(RMT-AA511U)などが付属する。
日本で展開するモデルについて
ソニーは先日、海外でインストーラー向けのAVアンプとしてESシリーズ「STR-AZ7000ES/AZ5000ES/AZ3000ES/AZ1000ES」4機種を発表している。
しかし、日本国内向けの新製品はSTR-AN1000のみとなる。これについてソニーは、「各地域・国の市場状況に応じてラインナップ展開をしています。特にインストーラービジネス規模が大きい地域では、販路と連携したラインアップを展開をしています」と説明。
一方で、「お客様の好みのスピーカーを組み合わせたいというニーズは根強く存在すると考えています。ソニーとしては引きつづきお客様の視聴スタイルに沿った多様な音響機器を提案していきたいと考えています」とコメントしている。