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シャープ、AIで音も自動調整する4K液晶アクオス。42型で約12万円

75型の4K液晶アクオス「4T-C75FN1」

シャープは、テレビ番組などのコンテンツに応じて、映像と音声をAI技術で自動調整する4K液晶アクオス「FN1」「FN2」「FL1」シリーズを6月10日より順次発売する。全機種とも、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、42型「4T-C42FL1」が12.1万円前後から。

FN1シリーズ
・75型「4T-C75FN1」 38.5万円前後 6月10日発売
・65型「4T-C65FN1」 28.6万円前後 同上
・55型「4T-C55FN1」 25.3万円前後 同上

FN2シリーズ
・55型「4T-C55FN2」 20.9万円前後 6月10日発売
・50型「4T-C50FN2」 18.7万円前後 同上
・43型「4T-C43FN2」 17.6万円前後 同上

FL1シリーズ
・65型「4T-C65FL1」 19.8万円前後 6月10日発売
・50型「4T-C50FL1」 13.8万円前後 9月16日発売
・42型「4T-C42FL1」 12.1万円前後 6月10日発売

現在発売中の、4K液晶アクオス「EN1」「EN2」「EL1」シリーズの後継機種。

全機種に、AIプロセッサ採用の新エンジン「Medalist S4」を搭載。映像内のオブジェクトやジャンル情報を組み合わせて、最適な映像に調整する「AIオート」モードが進化し、新モデルではアクオスで初めて、AIによる“音声の自動調整”も可能になった。

また、独自のヘルスケア関連アプリ「AQUOSヘルスビューワー」をプリインストール。スマートウォッチや体重計などの“Google Fit”対応機器と連携させることで、それぞれの機器が測定した数値の変化をグラフ化して、アクオスで表示できるようになった。

55型の4K液晶アクオス「4T-C55FN2」
42型の4K液晶アクオス「4T-C42FL1」

FN1、FN2、FL1の主な違いは、パネルの表面処理やバックライトの駆動、サウンドシステムの総合出力、リモコンのマイク有無、スタンドのスイーベル可否など。映像エンジンやチューナー数、Google TVなどのネットワーク機能は共通となる。

AIモードが進化。映像に加えて音声も自動で最適化

FN1、FN2、FL1シリーズ共に、AIプロセッサを組み込んだ独自の処理エンジン「Medalist S4」を採用。

100万通り以上の映像を学習したAIが、映像に含まれる人物の顔や空などのオブジェクト情報を検出。さらに、映画やドラマ、スポーツなどの放送ジャンル情報を組み合わせることで、コンテンツに最適な映像に自動で調整してくれる「AIオート」モードを搭載した。

今回新しいのが、音声の「AIオート」モードの追加。ニュースやドラマであれば、セリフがより聞き取りやすくなるほか、スポーツでは臨場感を高めるサウンドへとアクオスが自動で調整してくれる。

映像をリアルタイムに解析しているため、例えば、サッカーの中継などでは、競技中は現場で観戦しているようなサラウンド感やメリハリある音声に。ハーフタイムなどでは、解説者の声が聞こえやすいようにパラメータが切り替わる、とのこと。ユーザーが音の傾向が急に変わることで違和感を感じさせないよう、30秒程度かけて、徐々にチューニングを変えていくような仕組みになっているという。

動作イメージ
音声モード内に「AIオート」が追加された

部屋の明るさと人の視覚特性を考慮して、映像を調整する「環境センシング」機能も引き続き搭載。明るい部屋では、見えにくい暗部の階調レベルを上げ、輝度のダイナミックレンジを拡大。逆に、暗い部屋では、暗部階調を滑らかに調整し、質感を重視した自然な映像へ最適化してくれる。

3シリーズ共に、4K/3,840×2,160ドットの液晶パネルを採用。FN1とFN2は倍速120Hz駆動で、下位FL1は等速60Hz駆動。

パネルの表面処理は、FN1/FN2が、照明などの映り込みを抑えながらつややかな黒を表現する独自の低反射N-Blackパネルを使用。FL1は低反射パネルとなっている。

65型の4K液晶アクオス「4T-C65FL1」

LEDバックライトは、FN2の55型と50型がエッジ型で、それ以外は全て直下型を採用。

上位FN1のみ、LEDの制御技術「アクティブLED駆動」に対応。光量をエリア毎に細かく制御することで、コントラスト性能を向上。ミニLED搭載機「XLED」の開発で培った制御技術を応用することで、“まばゆいばかりの輝きから締まった黒”まで、明暗豊かな映像を目指したという。

アクティブLED駆動のFN1シリーズ(写真は65型「4T-C65FN1」)
低反射N-Blackパネルを使用したFN2シリーズ(写真は55型「4T-C55FN2」)

ほかにも、映像信号に含まれる被写体の動きや輪郭、質感などをリアルタイムで解析し、被写体が本来持っている精細感やコントラスト、色合いの情報を復元する「オブジェクト プロファイリング」、高輝度技術の「リッチブライトネス」、広色域化技術の「リッチカラーテクノロジー」(FL1の50/42型を除く)などを採用。

HDR規格はHDR10とHLG、Dolby Visionの3方式をサポートする。

TVer/FODボタン追加。カメラはYouTube映像も同時表示に

FN1/FN2シリーズは、音抜けがよく聞き取りやすい「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用。

独自設計のスピーカーネットのないリフレクター構造により、音を効率的に画面前方へ放出。ツイーターを前向きに配置することで、高域から低域まで臨場感豊かな音質を狙っている。

構成は、FN1がツイーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーファー×1/総合出力50W。FN2がツイーター×2、ミッドレンジ×2、サブウーファー×1/総合出力35W。下位のFL1シリーズは、総合出力20Wで構成はフルレンジが2基。

全モデルで「Dolby Atmos」に対応。ネット動画やUHD BD/BD収録のAtmos音声が楽しめる。

2022年モデルから採用する「Google TV」を引き続き採用。ユーザーの視聴履歴や好みに合わせてコンテンツを整理・表示するインターフェイスになっているため、複数あるアプリやサービスの中からでも、観たいコンテンツがより簡単にアクセスできるのが特徴。

FN1シリーズのみ、リモコンレスで音声操作できるハンズフリーに対応。テレビに向かって「OK Google」と言ってから話しかけることで、映画の検索や音楽再生、テレビの基本操作が行なえる。また発話だけで電源オンも可能。なお、FN2/FL1シリーズはリモコンのGoogleアシスタントボタンから音声操作できる。

リモコンのダイレクトボタンが10個に増量。

従来は「Netflix」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」「Hulu」「ABEMA」「Paravi」「YouTube」「Disney+」の8ボタンだったが、Paraviが消え、新たに「TVer」「FOD」「Net-Vision」が追加された。

2023年の新リモコン
リモコンのダイレクトボタンが10個に増量
2022年リモコン(写真左)との比較

別売の外付けUSBカメラを用意すれば、ビデオ通話ができる「Google Meet」アプリに引き続き対応。シャープオリジナルのアプリ「リビングカメラ」では、今回新たに、カメラ映像の上にYouTube映像を同時表示できるようになった。

YouTube映像は、リモコンの「赤」ボタンで表示位置を変更可能

今回新しく加わったのが、ヘルスケア関連アプリの「AQUOSヘルスビューアー」。

スマートウォッチや体重計、血圧計などの「Google Fit」対応機器と連携可能で、各機器が測定した歩数や心拍数、体重、血圧といった日々の変化をグラフィカルにアクオスに表示してくれる。状態を分かりやすく可視化する事で、日々の健康管理をサポートするという。

血圧のグラフ

さらに、アプリ「AQUOSスクリーンタイム」を新搭載。放送や動画配信アプリなどの視聴時間をグラフで表示。グラフは単日表示と週間表示が選択可能。過去の視聴時間と比較しながら、変化を確認できるようになっている。

単日表示の例
週間表示の例

ユーザーの使い勝手を高める機能も復活。アクオスに接続したUSB HDD内の録画番組をフォルダ表示してくれる「まと丸」、誤作動による急な大音量を防ぐ「最大音量制限」、前面の電源LEDを消灯して映像視聴時の没入感を高める「電源LED消灯」を追加している。

再生プラスチック素材を利用。梱包容積と緩衝材も削減

搭載チューナーは、BS/CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×3基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K放送視聴中に別の4K放送と地上/BS/CSデジタル放送の2番組同時録画ができる。自動でチャプターを記録する「おまかせオートチャプター」にも対応。

4K番組表をサポート。文字が読みやすい高精細表示と番組や出演者の情報を画像つきで分かりやすく表示する。

HDMI入力は、全機種4系統を装備。倍速液晶のFN1/FN2シリーズは、4K120Hz入力時の4K×2Kフル解像度表示(SDRのみ)やVRR、ALLM、eARC/ARCに対応。FL1シリーズはALLMとeARC/ARCをサポートする。

HDMI以外のインターフェイスは、全モデル共通。3.5mmミニジャックのAV入力、光デジタル音声出力、ヘッドフォン/アナログ音声出力を用意。USB端子は3系統で、録画用×1とメモリー用×2。LAN端子は10BASE-T/100BASE-TX。無線LANはWi-Fi 6に対応する。

75型を除くFN1、FN2シリーズでは、左右計30度回転のスイーベルスタンドを採用。意図しない回転を抑制できる回転ロック機構も備えた。さらに全シリーズで背面部のケーブル類をまとめることができるケーブルマネジメント機構を採用。電源ケーブルやHDMIケーブルなどを正面から見えないように配線できるようにした。

今回のモデルから、スタンドベースの一部とスタンドカバーなどに再生プラスチック素材を使用。さらに梱包容積と緩衝材を削減し、輸送時のCO2排出削減と環境に一層配慮したパッケージングを行なった。

リサイクル可能な部品から再生プラスチック素材を生成。テレビの部品に再利用した
50型4K液晶テレビ「4T-C50EL1」と新しい「4T-C50FL1」を比較した場合、梱包容積を約34%削減、緩衝材は約60%削減した

消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。

消費電力と年間消費電力

FN1シリーズ
・4T-C75FN1:約400W 250kWh/年
・4T-C65FN1:約274W 192kWh/年
・4T-C55FN1:約198W 170kWh/年

FN2シリーズ
・4T-C55FN2:約180W 166kWh/年
・4T-C50FN2:約179W 162kWh/年
・4T-C43FN2:約159W 136kWh/年

FL1シリーズ
・4T-C65FL1:約259W 197kWh/年
・4T-C50FL1:約151W 138kWh/年
・4T-C42FL1:約155W 137kWh/年

スタンドを含めた外形寸法と重量

FN1シリーズ
・4T-C75FN1:167.5×33×102.4cm(幅×奥行き×高さ) 約38kg
・4T-C65FN1:144.6×28.1×89.9cm(同) 約28.5kg
・4T-C55FN1:122.8×28.1×77.5cm(同) 約23kg

FN2シリーズ
・4T-C55FN2:124×23.8×78.7cm(同) 約25.5kg
・4T-C50FN2:112.6×23.8×72.4cm(同) 約20.5kg
・4T-C43FN2:95.7×23.8×62.1cm(同) 約14.5kg

FL1シリーズ
・4T-C65FL1:146.2×28.9×92cm(同) 約22.5kg
・4T-C50FL1:111.7×27.3×71.9cm(同) 約12.5kg
・4T-C42FL1:95.6×24.6×60.7cm(同) 約10kg