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Shure、空間オーディオモード搭載ヘッドフォン「AONIC 50(第2世代)」

AONIC 50(第2世代)

シュア・ジャパンは、ワイヤレスヘッドフォン「AONIC 50」の第2世代モデルを9月29日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は55,000円前後。

第1世代からノイズキャンセリング(NC)が進化。イヤーカップ内外に配置されたマイクがアップデートされ、ハイブリッド・アクティブ・ノイズキャンセリング技術で周囲の音を効果的に除去。自然な没入型リスニング体験を提供するとしている。

また、NCの項目に「MaxAware」を新たに追加。周囲のノイズを除去しながら、人の声だけを外音取り込みの聴き取れるモードとなっている。この機能のほか、通常の外音取り込みモードも備えている。

第2世代の新機能として、空間オーディオモードも搭載。独自開発のアルゴリズムを採用することで、自然で広がり感のあるサウンドステージを再現する。3モードを用意しており、スマホアプリからON/OFFとモードの選択が可能。室内のオーディオシステムで聴くような音の広がりを再現する「音楽モード」、低域が強化され、映画館にいるような臨場感が味わえるとする「シアターモード」、ラジオや動画配信などで人の声が聞き取りやすくなる「ポッドキャストモード」が選択できる。

BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDAC、aptX、aptX HD、aptX Adaptiveに加え、通話向けのaptX Voiceにも新たに対応。Snapdragon Soundにも対応しており、対応デバイスと接続することで高音質再生が可能となっている。そのほか、Bluetooth通信距離が従来の最大10mから最大100mに強化されている。

ドライバーは第1世代と同じく50mm径ダイナミック型だが、空間オーディオモードに加え、ハードウェアEQがフルサポートされ、従来のLDAC使用時やNC最大時にはEQが使用できないといった制限がなくなって、よりパーソナライズしやすくなった。

Bluetooth接続のほかに、USB接続、3.5mmオーディオケーブル接続による再生に対応。USB接続では、最大384kHz/32bitで再生できる。また、オーディオケーブルによる再生では、本体電源をオンにすると内蔵アンプを使用するほか、NC、空間オーディオモードやEQなども使用可能。電源オフで使用すること再生機側のアンプを使用できる。なお、バランス接続には対応してしない。

端子部。USB接続、オーディオケーブル接続でも再生できる

デザイン面は全体が黒一色に変更され、第1世代ではシルバーが採用されていた箇所も黒で統一。カラーについても第1世代は3色展開だったが、第2世代はブラックのみとなっている。

左側が第2世代

スマホアプリと連携することで、空間オーディオモード、EQのカスタマイズのほか、10段階の外音取り込み、3段階のNC設定、MaxAwareの切替が行なえるほか、本体に備えたスライダースイッチのカスタマイズが行えるようになっている。

左端がスライダースイッチ

連続再生時間は第1世代の倍以上の最大45時間。急速充電に対応し、15分の充電で約5時間再生できる。そのほか、付属のキャリーケースが大幅に小型化しているのが特徴となっている。

左が第2世代のキャリーケース

音を聴いてみた

AONIC 50を聴いてみて特徴的に感じたのは、EQを調整しなくても、普通に接続したときの音、空間オーディオモードを使ったときの音、電源をオフにしてオーディオケーブルで接続したときの音で結構異なること。

まず通常通りBluetooth接続でそのまま聴いてみると、一部の音域に偏りのないバランスの取れた音で、解像感も高くて細部まで見通しの良く感じられる。低域の量感は控えめだが、エッジの効いた音でベースの弦の揺れる様子やドラムの叩いた瞬間の音がしっかりと表現されていて、物足りなさはあまり感じられない。

これが、空間オーディオモードをオンにすると雰囲気が一変する。「空間オーディオ」と聞くと、音場が広がって聞こえて、それが違和感に感じてしまうこともあるが、AONIC 50の空間オーディオモードはそういった違和感がほとんどない。

音楽モードではニアフィールドでスピーカー再生しているような聴こえ方になり、オフのときでは控えめだった低域の量感が増し、EDM調の楽曲などはこちらの方がしっかり楽しめる。オフのときと比べて低域の解像感はやや落ちてしまうが、楽曲を楽しめるモードになっていると感じた。

シアターモードでは、音楽モードからさらに低域の力強さが増し、量感も別のヘッドフォンに付け替えたかのようにマシマシになる。それでいて全体のバランス感は保たれているので、映画向けのモードであるのは確かだが、これでライブ映像を観ると臨場感抜群で楽しめる。

そして、人の声がぐっと近づいて強調されるポッドキャストモード。ラジオなどをこのモードで聴くとBGMと人の声の分離感が増して聴き取りやすくなるのだが、このモードでオススメなのがゲーム配信の視聴だ。ゲームの音声と配信者の声がともに聞き取りやすくなるので、かなり楽に視聴できるようになる。

NCに加わったMaxAwareも体験してみたが、PCやエアコンなどのファンノイズは完全に聞こえなくなるのだが、話しかけられるとその声だけしっかりと聞こえる。声の聞こえ方は外音取り込み機能を使って会話している感覚と同じなのだが、人の声だけピックアップされて聞こえるので、かなり不思議な感覚になる。

試しに、通常のNCとMaxAwareを切替ながら話しかけてもらってみると、NCでは周囲の音と一緒に声も除去されてしまうので、話しかけられた内容までしっかりと把握できないのだが、MaxAwareはNCと同じ感覚なのに、声だけはっきりと聞こえて、会話も違和感なく行なえる。

全ての音を取り込んでしまう外音取り込みモードと異なり、余分なノイズはほとんど感じられないので、オフィスやテレワークなど、声をかけられたときには反応したい場面でも使いやすそうだ。