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水月雨、“静電型に匹敵する低い分割振動”約5.5万円の平面駆動型ヘッドフォン「楽園」

平面駆動型ヘッドフォン「楽園 - PARA」

地球世界は水月雨(MOONDROP)ブランドの平面駆動型ヘッドフォン「楽園 - PARA」を11月30日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は55,000円前後。

100mm径の大型振動板

従来の平面磁界型ヘッドフォンとは異なり、100mm径の大型振動板部品を採用するだけでなく、シリーズ独自のFDTフルドライブ技術を搭載。振動板全体の振動面が磁界中に置かれ、有効駆動回路に均一に分布することで、「従来の平面磁界型ヘッドフォンよりもはるかに優秀で、静電型ヘッドフォンに匹敵する低い分割振動をもたらす」という。

従来の平面磁界型ヘッドフォン回路では、振動領域に有効な駆動回路(振動板に配置された回路のうち、マグネットグリッドアレイに平行した部分)と無効な駆動回路が共存し、振動板の中心部だけを駆動するため、分割振動が大きくなっていた。FDTフルドライブ技術では、振動板全体の振動部を均一な平面磁界の中に置き、振動面に有効駆動回路を均一に分布させることで、振動板に静電型ヘッドホンに匹敵する均一な力をもたらして分割振動を排除している。

従来の平面磁界型ヘッドフォン回路
独自のFDTフルドライブ技術

特別なサイズのN52ネオジムマグネットを36個使い、振動板の振動面全体を覆う平面磁界を形成。FEA有限要素シミュレーションによって最適化する事で、振動板の振動面における磁界の均一かつ効率的な分布を確保したという。

駆動のしやすさも追求。一般的なアンプの駆動の下でも自然なサウンドと十分な性能を発揮するように、様々な素材を選定。何度も実験を重ねた結果、振動板のベース素材に新型の高減衰フレキシブル複合素材を採用したという。

二次元トポロジーに基づき、高弾力性の銀エッチング回路を再設計。純銀駆動回路が振動板の表面張力に与える影響を大幅に排除し、分割振動を減らし、振動板の平滑性を向上させた。

さらに「振動板応力二次バランス技術(Tension Balancing Tech)」で表面張力を二次バランスさせることで、駆動のしやすさと高い潜在力を両立したという。感度は101dB/Vrms(@1kHz)、インピーダンスは8Ω±15%(@1KHz)。再生周波数帯域は15Hz~53kHz。

ドライバー・ハウジングを一体型構造にする事で、均一な磁界を持ち、振動エリア全体をカバーする超大型磁気回路、超大型FDT振動板による空間的な積層条件を実現した。

ドライバー・ハウジングは一体型構造

大幅な軽量化を図りつつ、磁気回路システムからの莫大な反発力に耐えられるよう、従来のアルミ合金製フレームを軽量で高強度のエンジニアリング・プラスチック構造に置き換え、力学シミュレーションによって新しく設計している。

サウンド面では、水月雨音響R&Dチームによる入念なチューニングを行なったとのこと。傾斜角のあるユニバーサル・デュアル3.5mmリケーブル設計を採用する。