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ポケットに立体画像。ポータブル“ホログラフィック”ディスプレイ「Looking Glass Go」

ポータブル・ホログラフィック・ディスプレイ「Looking Glass Go」の試作機。実際の製品とは外観が異なる可能性がある

米Looking Glassは5日、高解像度で立体的なホログラム表示ができ、生成AIも活用できるポータブル・ホログラフィック・ディスプレイ「Looking Glass Go」を発表した。KibidangoとGREEN FUNDINGで予約受付を開始しており、開始から48時間限定の特別価格で、「Looking Glass Goホワイト」1台が38,000円、本体1台にバッテリーパック、キャリーケースが付属するバンドルセットが45,500円。2024年6月に出荷開始の予定。

Looking Glass Go
Looking Glass Go (2023) JP

2021年に行なわれたKickstarterの予約キャンペーンで250万ドル以上を集めて成功したデスクトップ・ディスプレイの「Looking Glass Portrait」に続く新製品。6インチのディスプレイを備え、コンパクトに折りたたみでき、バッテリー動作で持ち運べるのが特徴。

折りたたんだ状態
横から見たところ
展開したところ

外形寸法は8×16×1.9cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は235g。視野角は58度で、視点数は40~100で可変。解像度は1,440×2,560ドットで、アスペクト比は9:16。なお、横向きの表示には対応していない。USB-C端子で給電し、パソコンとの連携にも使用する。ステレオミニの音声出力も備える。

クラウドサービス「blocks.glass」を用意し、AIも活用して、ユーザーがアップロードした2D写真から、3Dデータを作成。そこにLooking Glass Goからアクセスし、立体の写真として表示できる。映像にも対応していく予定。

さらに、ChatGPTを活用した3D裸眼立体視プラットフォーム「Liteforms」も用意。AIを搭載した3DキャラクターをLooking Glass Goに表示でき、立体的なキャラクターを見ながら、ユーザーが話しかけ、キャラクターと会話できる。

キャラクターは、ReadyPlayerMeとMake Avatarを搭載した内蔵のアバター作成ツールを使用してカスタマイズ可能。発表時には、これらのキャラクターは英語か日本語のどちらかを話すことができる。

なお、Looking GlassのLiteformsアプリケーションや、Unity、Unreal、Blender、WebXRなどのツールで、リアルタイムのインタラクティブコンテンツを開発する場合は、USB-CケーブルでLooking Glass GoとPCを接続する必要がある。

Looking Glassのショーン・フレインCEOは、「10年間、1つの目標に向かって開発してきた。それは“ホログラムをヘッドセットなしで見られるようにする”こと。ブレードランナーやスター・ウォーズなどでお馴染みだが、リアルな世界では見ることができない、CGクリエイターなどには夢のまた夢の製品だった」とLooking Glass Goを紹介。

その魅力について、「iPhone 15 Proに搭載される予定の空間写真(空間ビデオ)撮影機能、Vision Proや、3Dゲームエンジンとより強力なGPUの普及による空間プラットフォームの台頭に加えて、生成AIがコンテンツ制作に新たな生命を吹き込むといった、2つの大きなトレンドが収束しつつある。Looking Glass Goは、この2つのイノベーションを、どこでも使える非常に小さなシステムにまとめた」と説明した。

Looking Glassのショーン・フレインCEO

Looking Glass Goのプロモーションをサポートしている、エクシヴィ代表取締役社長で VRエヴァンジェリストのGOROman氏は、「デベロッパー向けに従来どおり開発キットとして使う事もできる一方で、Looking Glass Goはコンシューマー、家族で使えるデバイスになったと思う。触らせていただいたが、高いポテンシャルを秘めていると感じた。ファミリーでホログラムを楽しむ、ファミコンならぬ“ファミホロ”と呼べる製品。結婚式の引出物にも良いかもしれない。ポケットやカバンに忍ばせて、人に自慢できる。VTuberとコラボするなどの展開もいいかもしれない」と、Looking Glass Goの可能性について語った。

GOROman氏