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ヘッドセット不要で3DCGを立体表示するホログラムディスプレイ

VRやARヘッドセットを装着しなくても、3DCGを立体的に表示できるホログラムディスプレイ「Looking Glass」(ルッキンググラス)が、クラウドファンディングのMakuakeで支援受付をスタートした。目標金額は500万円だが、27日時点で1,600万円を超えている。プロジェクト終了日は4月26日23時59分まで(60日間)。15.6型のラージモデルと、8.9型のスタンダードモデルを用意。通常価格はラージモデルが374,000円(税込)、スタンダードが81,000円(税込)。どちらも発送は6月下旬を予定する。

ホログラムディスプレイ「Looking Glass」。写真左がラージモデルで、右がスタンダードモデル

ホログラム専門家、光学技術者、機械工学者、電気技師、Unity開発者、3Dグラフィックアーティストから成るチームが、4年をかけて完成させたという、3Dクリエイター向けのホログラムディスプレイ。'18年夏に実施したクラウドファンディングのKickstarterでは、総計9,300万円を売り上げ話題を集めた製品。「Kickstarterにおける支援者の3割が日本人だった」ことから、Makuakeでも展開することになったという。

Looking Glassは、レンズアレイを使って複数の光線を作るライトフィールド(Lightfield)とボルメトリック(volumetric:体積性)を組み合わせた独自技術を搭載。液晶ディスプレイ上に長方形のレンズアレイ、光学フィルム、高屈折率素材、トレースなどを積層することで、画面内に60フレームで3D映像を表示する。

液晶ディスプレイ上に、レンズアレイや光学フィルム、ガラス素材を積層する
3DCGを立体表示できるホログラムディスプレイ「Looking Glass」(1)

3D映像を45の異なる角度で映し出すことで、ヘッドセットなどを使わずに、複数の人が裸眼のまま「バーチャル3Dコンテンツをフルカラーかつ滑らかに、まるでそこにあるかのように映し出す」としている。45方向の中であれば、視聴距離に関係なく立体視が可能。

Looking Glassのディスプレイ部構造

タッチパネルには非対応。別売センサー「Leap Motion Controller」を組み合わせることで、手の動きと連動したエフェクトや3Dオブジェクトのコントロールもできる。同センサーを同梱したインタラクション・アクセサリーセットも1万円で用意される。

なお、Leap Motion Controller以外にも、Nintendo SwitchのJoy-Conコントローラー、インテルRealSense、マイクロソフトKinect、Xboxゲームコントローラー、Arduinoなどのアドオンを使用し、オブジェクトを動かす事もできる。

3DCGを立体表示できるホログラムディスプレイ「Looking Glass」(2)

Looking Glassで立体表示を行なうには、PCと専用のツールやアプリなどが必要。通常の映像を入力しても立体映像視はできない。

Unity開発者や、CGアーティスト、工業製品のデザイナー、建築家などの3Dクリエイター向けとしており、3Dキャラクターやアセットの動きをリアルタイムでテストする事や3D映像の多人数で多方向から視聴・チェックするなどの用途を想定する。

製品には、3Dモデル制作用ツール「HoloPlay Unity SDK」に加え、OBJ/FBX/STL/gLTFフォーマットのデータをインポートできる「3Dモデル&アニメーションインポータ」を同梱。対応のファイル形式は順次拡大予定。

他にも、Looking Glassのメンバーが開発した数十種類のアプリとクリエイターのコミュニティから生まれたライセンス取得済みアプリにアクセスできる「App Library」や、アドオン機能「Blenderアドオン」、three.jsライブラリ、Voxatronの無料ライセンス、Lightfield Photo Viewer、Vimeo Holographic Channel App、ステレオ→Lokking Glassコンバージョンなどが用意される。

App Library

PCとディスプレイの接続は、HDMIとUSB-Cを使用。推奨するPCは、Windows 10 64bitのインテルCore i5以上で、メモリは4GB RAM以上、ストレージは128GB以上が必要。グラフィックカードはNvidia GTX 1060同等以上としており、出力解像度は2,560×1,600以上で動作する。

外形寸法/重量は、ラージモデルが36.8×17.5×24.4cm(幅×奥行き×高さ)/8.4kg、スタンダードモデルが20.9×9.3×15.4cm/2.2kg。

Looking Glass FactoryでCEOを務めるShawn Frayne氏(写真左)と、ビジネス開発部のNitin Bhargava氏