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エプソン、とにかく明るい6000ルーメンプロジェクター。ボディのみ220万円

EH-QL3000

エプソンは、4K対応プロジェクターの新商品として、民生プロジェクター初の高輝度6,000ルーメンを実現した「EH-QL3000」と、価格を抑えたミドルレンジ「EH-LS11000」を発売する。QL3000は、受注生産で価格は220万円前後(ボディのみ、レンズ別売)。LS11000は、11月中旬発売で直販価格は539,800円。

QL3000は、ホワイトとブラックの2色、LS11000はホワイトを用意する。

EH-LS11000

EH-QL3000

QL3000は、同社民生向けプロジェクターのトップエンドに位置する製品。最大の特徴は、業務用プロジェクターで培った技術を転用し、家庭用としては初となる6,000ルーメンもの高輝度映像投写を実現していること。リビングなど広い空間で、照明を落とさずに大人数で映画やスポーツ映像などを楽しむような場合でも、ストレスなく高画質な映像を楽しむことができるという。

高輝度の実現には、業務用モデルに使っていたレーザー光源モジュールを進化させた、ハイパワーレーザー光源を採用。さらにハイグレードモデルである「EH-LS12000」(約62万円)に搭載する0.74型よりも、1.4倍サイズが大きい1.04型HTPS液晶パネルを使用。パネル画素数(1,920×1,080)はそのままにサイズが巨大化したことで開口率が増え、“圧倒的な明るさ”と謳う6,000ルーメンもの明るさを実現させた。

EH-QL3000

独自の画素ずらし技術である2軸シフトテクノロジーを搭載。これによりパネルを通る光の量を減らさずに、明るい4K映像を作り出すという。技術スタッフによれば、2軸シフトテクノロジーの基本的な仕組みはLS12000などと変わらないが、回路やシフトのスピードが高速化しており「従来よりも一段とシャープな映像に仕上がっている」という。

HDR10/HLGのHDR信号もサポート。シーンごとにHDRを自動で最適化し、シーンの明るさに応じてHDRトーンカーブを変更することで映像の視認性を向上させるダイナミックトーンマッピングも搭載する。

この他にも、中間フレームを生成して滑らかな映像を作る「フレーム補間」や解像感を向上させる「超解像技術」、光源を制御してコントラストを高める「ダイナミックコントラスト」、映像のコントラストを強調する「自動コントラスト強調」、シーンに応じてガンマを最適化する「シーン適応ガンマ補正」といった各種信号処理も備えた。

EH-QL3000。天板パネルはオプションカラー

“スーパーハイエンドモデル”として、光に反応して豊かな表情を見せる、高級感のある外観も特徴。今までにないユニークな八角形の形状となっており、さまざまな部屋になじむスタイリッシュなデザインを目指したという。

レンズは交換式となっており、設置場所に応じた最適なレンズ選択が可能。壁から短い距離で投写できる超短焦点から長焦点まで、12種類のレンズを組み合わせることができる。レンズの価格は、25万円~150万円前後とのこと。

EH-QL3000。天板パネルはオプションカラー

IP制御機能を実装しており、家庭用のオートメーションに対応。「Crestron Connected」「Control4」をサポートしており、端末一つでプロジェクターを操作することができるようになっている。

ゲーム映像の投写に必要な、低遅延性能も追及。映像メニューから「映像処理:速い」を選択することで20ms以下の高速応答が可能。4K120fps入力、およびALLM機能も備えた。

6000ルーメンもの高輝度モデルながら、独自の冷却機能を組み合わせることで高い静音性を実現しているのもポイント。

効率的な熱拡散と熱低減を行なうベイパーチャンバーを採用。ファンの速度を上げず、空気の流れで冷却の効率化を図ることで動作音を抑制。ヒートシンクのプロペラファンで、吸気口から直接空気を取り込み、効率的に冷却。また蛍光ホイールはFIN一体型とすることで、ファンの要素を果たし、静音化・コンパクト化を実現した。結果、動作音は通常28dB、最小26dBに抑えることができている。

背面

インターフェースは、HDMI入力×2、USB-A×2(5V2A,5V900mA)、LAN、RS-232C、オーディオアウト。外形寸法は568×181×568mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約21.1㎏。

EH-LS11000

4K対応プロジェクターの「EH-LS11000」は、2022年2月に発売した「EH-LS12000」の派生機種。明るさ性能を2,500ルーメンとし、台形補正のQuick Corner機能を取り外すことでコストダウンを図っている。なおLS11000発売後も、LS12000は併売となる。

EH-LS11000

1,920×1,080解像度の3LCDパネルを使用。2軸シフトテクノロジーにより4K投写を実現している。レーザー光源で、輝度は最大2,500ルーメン、ダイナミックコントラスト比は250万対1。3LCD方式による、高精度な色再現も特徴。HDRは、HDR10、HDR10+、HLGをサポートする。

高性能な画像処理チップを搭載。映像のコントラストを強調する「自動コントラスト強調」、シーンに応じてガンマを最適化する「シーン適応ガンマ補正」などの機能で、より細かな映像表現が可能になったという。

7群16枚構成の高性能レンズを搭載。2.1倍の電動ズーム、また上下96%・左右47%の電動シフトも行なえる。前面排気システムの採用で、プロジェクター後方にスペースを確保する必要はなく、壁に寄せて設置できる。

背面

インターフェースは、HDMI入力×2、USB-A(5V2A)、光ファイバーHDMIケーブル用の給電専用端子、LAN、RS-232C、トリガーアウト。HDMIポート2は、eARC/ARCをサポートする。

動作音は通常30dB・最小22dB。外形寸法は520×192.7×447mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12.7kg。