春のヘッドフォン祭2009【KOSS/Beyerdynamic編】

-KOSSは新開発の耳掛け型。Klipschの新カナル型も


会期:5月9日

入場料:無料

会場:中野サンプラザ


 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが主催する「春のヘッドホン祭」が5月9日の土曜日、中野サンプラザにて開催された。入場料は無料。

KOSSの新製品

 同イベントではゼンハイザーのフラッグシップヘッドフォン「HD800」が発表されたほか、各社が未発表の製品を参考展示。また、発売済みの多くの製品を体験できることもあり、多くのヘッドフォンファンが来場していた。

 ティアックは、KOSSやbeyerdynamicの新製品を多数出展。いずれも近日正式発表を予定しているもので、両ブランドあわせて10以上の製品を発表している。


 


■ KOSS

KDE250。交換用のイヤーハンガーも同梱

 KOSSの耳かけ型イヤフォン「KDE250」を発表。6~7月中旬の発売を予定しており、価格は25,000円前後となる見込み。

 金属製のイヤーハンガーを備えた耳掛け型イヤフォン。20mm径のウーファと13mm径のミットレンジ/ツィータの2ウェイ型で、装着時にはユニットが耳穴に垂直に挿入されるような特徴的な構成になっている。独自の構造により、広い音場再生が可能という。

 周波数帯域は40Hz~20kHz、音圧感度は95dB SPL、インピーダンスは16Ω。イヤーハンガー部はダイヤルで位置の調整が可能となっているほか、3種類の長さのハンガーが用意される。


KDE2502ウェイユニットを装備ダイヤルで耳へのフィット感を調整
CC_01

 カナル型(耳栓型)のイヤフォンも4種類用意している。「CC_01」は、同社のThe PLUGのような低反発型イヤピースを採用したカナル型イヤフォンで、ハウジング後方のダイヤルで耳へのフィット感を調節できるのが特徴。価格は15,000~16,000円前後の見込み。

 背面のダイヤルを回して、内部のバーの拡張/縮小が可能で、これにより耳穴へのフィット感や低域再現性の向上が可能という。周波数帯域は10Hz~20kHz、音圧感度は108dB SPL、インピーダンスは16Ω。ケーブルは布でコーティングされており、タッチノイズを抑制した。革製のトラベルケースも付属する。


背面のダイヤルを回して、イヤーパッドのふくらみを調整ダイヤルで中のバーを拡張する
KDXシリーズ

 カナル型イヤフォンの新シリーズ「KDX」もKDX300(GOLD)、KDX200(Silver)、KDX100(CHROME)の3製品を近日発売。KDX300は1万円前後、KDX200は8,000~9,000円、KDX100は6,000~7,000円程度を想定している。KDXシリーズは全モデルでタッチノイズを防ぐため、布コーティングを施したケーブルを採用している。

 KDX300は、周波数帯域15Hz~20kHz、音圧感度は102dB SPL、インピーダンスは16Ω。KDX200は周波数帯域15Hz~20kHz、音圧感度は100dB SPL、インピーダンス16Ω。KDX100は、周波数帯域10Hz~20kHz、音圧感度は112dB SPL、インピーダンスは16Ω。KDX100のみ、3段フランジ型のイヤーピースが付属する。


KDX300KDX200KDX100

 


■ Beyerdynamic

Beyerdynamicのヘッドフォン新製品

 Beyerdynamicブランド製品は、ヘッドフォンの「DT990」、「DT880」、「DT770」をインピーダンス32Ωとした新モデルを参考出展している。

 オープン型のDT990(44,100円)、セミオープン型のDT880(39,900円)、密閉型のDT770(32,550円)はすでに発売済みの製品だが、各モデルともインピーダンスが250Ωと高く、「iPodなどのポータブルプレーヤーで鳴らしにくい」という指摘がされていたという。そのために各モデルのユニットなどの基本構造をそのままに、インピーダンスを32Ωに抑えた新機種を展開する。

 DT990/DT880/DT770という型番は共通だが、末尾に「32Ω」と付記。また従来モデルと判別しやすいようにハウジングにブルーのアクセントをデザインし、ポータブルオーディオ対応をアピールする。いずれも近日正式発表/発売予定だが、価格は現行モデルとほぼ同等となる見込み。


DT990 32ΩDT880 32ΩDT770 32Ω
DT880の600Ωモデル

 一方、DT880を250Ωから600Ωにした新モデルも発売予定。こちらはヘッドフォンアンプなど、駆動力の高いシステムと組み合わせて利用することでユニットの性能を最大限に引き出せるとしており、こうしたシステムを構築する際に推奨していくという。


MMX100

 また、カナル型イヤフォンも4種類も近日発売予定。DTX100は、ダイナミック型のカナル型イヤフォン上位モデルで、メタルハウジングを採用。シルバーとホワイトの2色を用意する。価格は未定だが、1万円強となる見込み。

 再生周波数帯域は10Hz~23kHz、音圧感度は102dB SPL、インピーダンスは12Ω、ケーブル長は1.2m。なお、iPhone用のリモコン/マイクを備えたMMX100も発売予定という。

 DTX80は、シリーズ中位モデルで価格は8,000円程度の見込み。再生周波数帯域は10Hz~22kHz、音圧感度は104dB SPL、インピーダンスは12Ω、ケーブル長は1.2m。DTX60は、エントリーモデルで価格は6,000円前後の見込み。ブラックとホワイトの2色を用意し、再生周波数帯域は15Hz~20kHz、音圧感度は104dB SPL、インピーダンスは16Ω、ケーブル長は1.2m。

DTX100DTX80
DTX60

 


■ Kleer技術を使ったiPod用ヘッドフォンも

OPERA S2(左)とOPERA S5

 デジファイジャパンは、非圧縮音声伝送技術「Kleer」を利用したイヤフォンを2種類参考出展している。iPod Dock接続の「OPERA S5」とステレオミニ接続の「OPERA S2」を近日発売予定で、価格は未定だが同じKleer技術を使ったSennheiserの「MX W1(実売6万円前後)」と比べると、かなり安価での発売が見込まれる。

 2.4GHz帯を用いて16bit/44kHzの音声を非圧縮で伝送するKleer技術を採用したワイヤレスイヤフォン。ステレオミニプラグを直付けした送信機と、受信ユニットをケーブル中央に備えたカナル型(耳栓型)イヤフォンで構成。送信機をポータブルプレーヤーなどに接続し、再生音を16bit/44kHzで送信。受信ユニットで受信し、イヤフォンで聞くことができる。

 また、Kleer技術を使った製品の認証方法は共通のため、OPERA S2/S5のイヤフォンと他社の送信機を使った組み合わせでも利用できるという。

OPERA S5の送信機。Dock接続に対応するOPERA S2/S5ともにイヤフォン部は左右が一体化したものになっている。また、任意のヘッドフォンを利用できるタイプも計画中という

 


■ Klipsch

 イーフロンティアはKlipschの新カナル型イヤフォン「Image S4」を出展。6月頃に発売予定で、価格は約1万円前後の見込み。

 従来のKlipschのカナル型イヤフォンは、バランスド・アーマチュアタイプだったが、Image S4は初のダイナミック型で、独自のデュアル・マグネット・マイクロスピーカーにより、2個のマグネットを使うことで大型振動板を駆動できるのが特徴。価格を抑えながら迫力ある中低域再生を重視したという。

 周波数帯域は10Hz~19kHz、入力感度は110dB/SPL、インピーダンスは18Ω。3種類のイヤーパッドやキャリングケースが付属する。

IMAGE S4ダイナミック型のユニットを採用

(2009年 5月 11日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]