NECエレ、フルHD対応した「1枚超解像技術」LSIを開発
-25日よりサンプル出荷開始。画像データの処理速度向上
NECエレクトロニクス株式会社は、フルHD対応の「1枚超解像技術」を搭載したLSI「μPD9280GM」を開発し、5月25日よりサンプル出荷を開始した。サンプル価格は2,000円/個。2010年には月産100万個の量産を計画している。
低解像度(SD画質)の映像や静止画像を拡大して高解像度パネルに表示する際に生じる画像ボケを改善する「1枚超解像技術」を搭載したLSI。DVDレコーダやデジタルビデオカメラなどへの搭載を想定している。
特徴として、1,920×1,080ドットのフルHD表示に対応。2008年に開発/出荷された従来のLSIは1,366×768ドットまでしか表示できなかったが、今回1枚超解像IPコアの動作周波数を150MHzにより高速化することで、画像データの処理速度を向上。フルHD表示が可能になった。
また、10bitカラーにも対応。Deep Color適応時も滑らかなグラデーションを表示することが可能。さらに、1枚の画像データの情報を分析、処理する1枚超解像技術を搭載するため、外部メモリが不要としている。
パッケージは24mm角で176ピンLQFP。画像サイズは1,920×1,200ドットまで対応。I2Cのホストインターフェイスも備えている。
同社では同LSIを過去の映像資産を現在でも活用したいというユーザーニーズに応えるものと位置づけ、積極的に販売活動を展開していくという。また、1枚超解像技術をデジタルAV機器向けシステムLSI「EMMA(エマ)」や、携帯機器向けカメラエンジンへIPコアとして組み込むというビジネス展開も図っていき、2010年度に100億円の受注を目指していくとしている。
(2009年 5月 26日)
[AV Watch編集部 大類洋輔]