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XAVC S対応/ポップアップEVFのサイバーショット「HX90V」

RX100風の外観に。5軸手ブレ補正の「WX500」も

 ソニーはコンパクトデジタルカメラのサイバーショット新モデルとして、光学30倍ズームを備え、1080/60pのXAVC S動画が撮れる2機種を6月5日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、有機EL採用のポップアップ式EVFを内蔵する「DSC-HX90V」が55,000円前後、動画撮影時の5軸手ブレ補正機構をWXシリーズとして初めて搭載する「DSC-WX500」が43,000円前後。カラーはHX90Vがブラックのみで、WX500はブラック、ホワイト、レッドの3色を用意する。

DSC-HX90V

 HX90Vは、光学30倍ズームを備えるEVF内蔵コンパクト機として世界最小サイズを謳う。また、WX500も光学30倍ズーム搭載で世界最小のコンパクト機としている。さらに、HXシリーズとWXシリーズにおいて初となる、最高50Mbpsの1080/60p XAVC S動画が撮影可能。

 どちらも有効1,820万画素の1/2.3型 裏面照射型CMOSセンサーと画像処理エンジン「BIONZ X」を搭載。レンズは新開発のカールツァイス バリオ・ゾナーT*を採用し、焦点距離は35mm判換算で24~720mm(静止画4:3時)をカバーする。レンズの明るさは開放F3.5~6.4。いずれもHDMIを使った4K解像度の静止画出力に対応している。

DSC-WX500(ブラック)
DSC-WX500(ホワイト)
DSC-WX500(レッド)

EVF使用で望遠撮影時のブレを抑えられる本格派「HX90V」

HX90Vはポップアップ式EVFを内蔵

 '14年発売の「DSC-HX60V」の上位モデルにあたり、新たに0.2型の約63.8万ドット有機ELを採用したポップアップ式EVFを内蔵。同社の高級コンパクト「RX100M3」と同じ構造で、外観デザインもHX60Vのグリップ部を引き継ぎつつ、RX100シリーズに近いシンプルなものになっている。EVFは屋外での撮影で背面の液晶モニターが見えづらいときや、構図作りに集中したいときなどに便利で、望遠撮影時の手ブレ防止にも効果的とする。

 なお、HX60Vの上面中央に搭載されていたマルチインターフェース(MI)シューはHX90Vでは搭載せず、ポップアップ式の内蔵フラッシュを搭載。「MIシューが必要なユーザーはHX60V、不要なユーザーはHX90Vと、撮影用途に合わせて選べるラインナップにした」という。

RX100M3と同じくEVFの展開/収納だけで電源ボタンを使わずに撮影を開始/終了できる
HX90Vの正面(EVFをポップアップした状態)
HX60VのMIシューがあった場所にフラッシュを内蔵

 操作面ではこのほか、前面にコントロールリングを新搭載。MF撮影時のピント合わせや、任意の焦点距離にズームできるステップズームといった機能を割り当て可能。デジタル一眼ユーザーのサブ機として、携帯性を高めつつこだわりの機能を備えた本格機と位置づけられている。

 α7シリーズのファストインテリジェントAFを新たに採用。撮像センサーの有効画素数はHX60Vより220万画素少ない約1,820万画素だが、レンズはソニーGレンズからカールツァイス バリオ・ゾナーT*レンズに変更されている。動画撮影中の光学ズームにも対応する。また全画素超解像ズーム機能を備え、超解像技術を用いて画質劣化を抑えた最大60倍のズームも可能。

 動画撮影機能では、AVCHD、MP4に加えて、XAVC Sでの記録にも新対応。ビットレートは最高50Mbpsで1080/60/30/24pでの撮影が行なえる。高ビットレート化したことで動きが多いシーンでも圧縮ノイズを抑え、解像感の高い動画の撮影が可能となる。AVCHDはビットレートが最高28Mbpsで、1080/60/24pでの撮影に対応する。MP4は、28M(1,080/60p)、16M(1,080/30p)、6M(1,280×720/30p)の撮影が可能。なお、動画撮影時には5軸のアクティブ手ぶれ補正機能が利用できる。

 Wi-Fi/NFC機能やGPS機能は、HX60Vから引き続き搭載。PlayMemories Camera appsにも対応し、後からアプリ形式で撮影機能を追加できる。

 記録メディアはメモリースティック PRO/PRO-HG デュオ、SDメモリーカード(SDXC UHS-I対応)。外形寸法は102×35.5×58.1mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は218gで、HX60V(108.1×38.3×63.6mm、246g)よりも小型・軽量化。3型/約92.1万ドットの背面液晶モニターは180度チルトが可能。

レンズ周囲のローレット刻みが施されているのがコントロールリング
背面液晶モニターは180度チルトで自分撮りが可能

手ブレ補正機構/AF強化、XAVC S対応で動画撮影に強くなった「WX500」

 「DSC-WX500」の後継モデルで、こちらも「RX100」シリーズ風の外観デザインを採用。レンズはソニーGレンズからカールツァイス バリオ・ゾナーT*レンズに変更され、ズーム倍率は光学20倍から30倍に伸びた。動画撮影時の5軸手ブレ補正「インテリジェントアクティブモード」や、ファストインテリジェントAFも新たに採用。「子どもの運動会で高倍率ズームを使って静止画/動画どちらも撮影したい」というユーザーのニーズに応えるという。

RX100シリーズデザインを採用したWX500
HX90V(左)とWX500(右)。どちらもRX100風のデザインになった

 光学30倍ズームを備えるコンパクト機として、暗所撮影の強さを訴求。全画素超解像技術と重ね合わせ連写を使い、ISO感度は最高ISO 12800まで対応する。これにより暗いシーンでも、カメラが自動で撮影シーンに合わせた最適な設定を行なう「プレミアムおまかせオート」を使うと鮮やかに撮れるという。

PlayMemories CameraAppsに新対応

 静止画撮影機能ではこのほか、P/A/S/Mモード(プログラム/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアル)を新たに搭載。ユーザーの撮影意図に合わせたモード設定が可能になった。さらに、PlayMemories CameraAppsにも新対応。後からアプリ形式で撮影機能を追加できる。

 動画撮影は、AVCHD、MP4に加えて、新たにXAVC Sでの記録にも対応。最高50Mbpsで1080/60/30/24pでの撮影が行なえる。AVCHDは最高28Mbpsで1080/60/24pでの撮影に対応。MP4は、28M(1,080/60p)、16M(1,080/30p)、6M(1,280×720/30p)で撮影できる。

 記録メディアはメモリースティック PRO/PRO-HG デュオ、SDメモリーカード(SDXC UHS-I対応)。外形寸法は101.6×35.5×58.1mm(幅×奥行き×高さ)、本体のみの重量は209g。内蔵フラッシュのほか、Wi-Fi/NFC機能も搭載する。背面液晶モニターはWX350と同じく3型だが、約92.1万ドットと高精細になり、180度チルト機構も装備。自分撮りやローポジション撮影も可能となっている。

 なお、HX90V/WX500の発売に合わせて、専用ジャケットケース(LCJ-HWA)も同日に発売。右側にグリップを備えることで撮影時に安定したホールディングを実現するという。価格は4,500円で、カラーはブラック、ライトブラウン、ブラウンの3色を用意する。

フラッシュを上げたところ
自分撮りやローポジション撮影が行なえる180度チルト液晶
HX90V/WX500専用ジャケットケースも同日発売

(庄司亮一)