ニュース

ヤマハ、RCA接続専用設計で価格を抑えた高級プリメイン第3弾「A-S1100」

 ヤマハは、高級プリメインアンプの第3弾として、MOS-FETフローティング、バランス・パワーアンプなどを採用した「A-S1100」を7月下旬に発売する。価格は20万円。

「A-S1100」シルバー/ピアノブラック

 仕上げは、サイドウッドを A-S2100と共通のピアノフィニッシュとしたシルバー/ピアノブラックと、CDプレーヤー「CD-S1000」との組み合わせにマッチするナチュラルバーチ天然木突板張りとしたシルバーを用意。フロントパネル色はどちらもシルバーとなる。

「A-S1100」シルバー

 既発売の「A-S3000」(493,500円)、「A-S2100」(250,000円)に続く高級プリメインアンプの第3弾。MOS-FETフローティング&バランス・パワーアンプや、ピーク/VU切り替え式レベルメーターを備えた外観デザインなどの基本設計を上位モデル「A-S2100」から受け継ぎつつ、シングルエンド構成のコントロールアンプセクションを組み合わせたRCAアンバランス接続専用設計とすることで、低価格化したモデル。

 定格出力はA-S2100と同等の90W×2ch(8Ω)、最大出力は120W×2ch(8Ω)、190W×2ch(4Ω)。パワーアンプ部を筐体の左右に振り分け、チャンネル間のクロストークを防ぐとともに、端子至近のリアパネル側にプリアンプ回路を配置することで信号経路の最短化する左右対称コンストラクションを採用。

 MOS-FETフローティング&バランス・パワーアンプとなっており、出力段の左右チャンネルそれぞれの+側と-側、計4組の電力増幅回路をフローティングして出力段におけるプッシュプル動作を完全対称化。電源供給を含む全回路をグラウンドから完全に独立させ、微細な電圧変動やグラウンドを巡る外来ノイズの影響を排除。出力ステージには、ヒヤリングで厳選したという同一極性のMOS-FET素子を使っている。

 音の傾向についてヤマハでは、「中音域の密度や情感を大切にした音質チューニングによってアンバランス接続の特色を活かした」としている。

 電源部には、音のスピード感と立ち上がりの良さにこだわって開発したというカスタムメイドの大容量EIコア電源トランスを採用。主要グラウンドポイントのネジ止め結線や大電流経路の容量強化(ケーブル芯線断面積60%向上)などのローインピーダンス設計を採用する事で、スピーカー制動力を高めている。

 片チャンネルあたり3組のボリューム素子を、トーン使用時には音量/バス/トレブル調整用として1組ずつ、トーンディフィート時には音量調整用として3組並列で使用。デバイスにはA-S3000で実績を積んだ新日本無線のカスタムメイド高精度ラダー抵抗型電子ボリューム素子を使っている。

 MCヘッドアンプ付きのフルディスクリート構成フォノイコライザーも搭載。スーパーローノイズ・トランジスタを使っているほか、MCヘッドアンプ部は、出力の低いMCカートリッジ使用時にも高いSN比と低歪を確保できるとする。

背面

 入力端子はアナログアンバランスRCA×4、メイン×1、Phono(MM/MC)×1の6系統。出力はプリアウトとレックアウトを各1系統装備。ヘッドフォン出力も備えている。リモート入力やトリガー端子も搭載する。

 消費電力は350W、待機時は0.3W。外形寸法は435×463×157mm(幅×奥行き×高さ)。重量は23.3kg。

(山崎健太郎)