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Nakamichi、「音の背景を漆黒に落とす」平面磁界+開放型ヘッドフォン
2026年2月27日 11:00
ピクセルは、Nakamichiブランドより、80mmの平面磁界型ドライバーを採用した開放型有線ヘッドフォン「Elite Pro P800J」を、2月27日に発売した。価格はオープンで、市場想定価格は142,220円前後。ポータブル用途を排した「ホームユース特化」の設計も特長。
同社は有線のイヤフォン、ヘッドフォン市場はポータブル用途が主流で、ケーブルの軽量化や取り回しが優先される傾向にあるとし、その結果としてバランス接続でもシールド(GND)を省略した「2コア構造」が一般的になり、外来ノイズに対する脆弱性、ドライバーの挙動制御に課題が残されていると指摘。
一方でGNDを加えた3コア構造では、信号線とGNDの間にコンデンサー(キャパシタンス)が形成され、これがローパスフィルターとして機能して「高域の抜けが悪くなり、音が鈍るという現象が起きる。ユーザーはノイズよりも、この高域劣化を嫌う傾向がある」と分析する。
また、GNDを加えることでケーブルが硬く、重くなるため、服と擦れた場合のタッチノイズが増加するほか、ポータブルオーディオではライブ現場のように長いケーブルを引き回す必要がないことから、「3コアはあまり意味がない仕様とされてきた」とする。
しかし、「プロ用スタジオモニターヘッドフォンや、一部のハイエンドIEM(インイヤーモニター)用ケーブルでは、4芯(または2芯)+シールド(GND)の構造を採用し、3コアケーブルを4.4mmプラグの5極目(GND)にしっかり落としている製品も存在する。ライブの現場に2コアという概念はない」と指摘する。
今回のElite Pro P800Jでは、高域に大きく伸びる80mmサイズの平面磁界型ドライバーを使うこと、開放型ヘッドフォンで「室内での静止状態でのリスニング用途」に限定することにより、プロのPA現場やスタジオ機器で使われる3コアケーブルを使ったノイズ対策を実現。「テレビが黒をしっかりと再現できれば色彩が際立つように、音の背景を漆黒に落とせば音色もまた際立つと考えた」としている。
ケーブル設計では「ノイズの消し込み」に注力。4.4mm 5極プラグの第5極(GND)を積極的に活用し、信号線(Hot/Cold)を強固なシールドで覆う3コア・シールド構造を採用した。
これにより、Wi-Fiや高周波ノイズ(RFI/EMI)の混入を物理的に遮断。回路上の不要な電位差を排除することで、無音時の「音の背景の黒さ(静寂性)」を飛躍的に高めたという。
導体は4N OFC(無酸素銅)で、ヘッドフォン側コネクタはmini XLR。長さは約1.3m。
採用した80mm平面磁界型ドライバーは、極めて軽量な振動板で、立ち上がり(トランジェント)の速さと高解像度が特長。
一方で、高域が鋭利になりすぎる(刺さる)傾向もあるため、Elite Pro P800では、シールドケーブルが持つ電気的特性(微小な静電容量)をあえて音響フィルターとして計算に入れることで、高域のピークを物理的にスムース化。解像度を損なうことなく、聴き疲れしないフラットで滑らかな周波数特性を実現した。
ドライバー背面の気流を阻害しない開放型デザインを採用。平面磁界型特有の背圧の影響を最小限に抑え、リニアな振幅を確保した。シールドによって確保された高いS/N比と相まって、「音が空間にスッと消えていく『余韻(Decay)』の美しさを体験いただける」とのこと。
再生周波数は10Hz~60kHz、インピーダンスは32Ω±15%、感度は100±3dB@1kHz/1mW。筐体材質はアルミニウムで重さは710g。


