「エコプロダクツ 2009」で各社省エネAV機器を訴求

-「BRAVIA」人感センサーや「ビエラリンク」など


期間:12月10日~12日

会場:東京ビッグサイト

入場料:無料(登録制)


 国内最大級の総合環境展示会「エコプロダクツ2009」が12月10日に開幕。12日まで開催している。会場は東京ビッグサイトで、入場は無料(登録制)。主催は社団法人産業環境管理協会と日本経済新聞社。

 開催11回目を迎える今年のテーマは「問い直せ! 日本の力~ソーシャルパワー元年~」。出展者数は約721社・団体、出展数1,735小間で、入場者数は18万人を見込む。家電メーカー各社はテレビやデジタルAV機器などにおける省電力化や、リサイクル材の採用、新エネルギーを活用した試作機などを各ブースで展示している。


■ ソニー

 ソニーでは、「環境負荷ゼロを目指して~ソニーといっしょにつくる未来~」をキーワードに、エコ商品の展示や廃材を利用したリサイクルの紹介、バイオ電池のワークショップなどを行なっている。

 2月に発売された、液晶テレビ「BRAVIA」の省エネモデル「V5シリーズ」の人感センサーを使った体験デモを実施。人感センサーとは、人がいないと認識した際に自動的に消画状態に入り消費電力を抑える機能で、消画モード時は通常視聴時に比べ、消費電力を約50%抑制することができるという。メニューにより、消画移行時間を5/30/60分と7秒(お試し)から選択できる。

人感センサーで省エネをアピール「V5シリーズ」に搭載する人感センサー消費電力が約50%ダウン
センサーにより消画状態に移行テレビをつけたまま寝てしまっても、電源がOFFに。今回試したデモモード(7秒)では、少し寝返りを打つだけでテレビが反応した消画移行時間は4モードから選択可能

 また、正面のエリアではぶどう糖を使ったバイオ電池のワークショップを開催。このバイオ電池は、植物が光合成つくるぶどう糖をエネルギーに変えて発電する仕組みのもので、「身近なものを使って自らの手で発電することで、感動の瞬間を提供する」としている。

バイオ電池のワークショップを開催抽出した成分でプロペラを回す実験無事成功

試作したバイオ電池も展示

 試作したバイオ電池も展示。試作品自体は、2007年に発表している。各辺39mmの「セル」と呼ばれるキューブ型の筐体を3個繋げたもので、このセルの中に1個あたり7ccのブドウ糖溶液を入れて使用する。セル3個の1ユニット(21cc)で、ウォークマンEシリーズとステレオスピーカーのシステムを約2時間駆動できるという。なお、現在のところ製品化の予定はないとしている。


 そのほか、軽量薄型化を図った新型PlayStation3の展示や、色素増感太陽電池の試作機のデモなどを行なっている。

新型PS3を展示。従来モデルとのサイズの比較を本体・パッケージともに行なっている
昨年に引き続き、色素増感太陽電池の試作機をデモ。小型化した充電器も参考出展された水銀を使わないアルカリボタン電池の展示も

■ パナソニック

 パナソニックでは既報の通り、「家まるごとCO2±0(ゼロ)」を出展テーマに、省エネ製品の訴求を行なっている。中央には、家全体からのCO2排出量を0にする取り組みを説明するメインブースを設けている。

パナソニックブース「家まるごとCO2±0(ゼロ)」の考え方

 「商品のエコアイディアゾーン」では、プラズマテレビ「VIERA」とBDレコーダ「DIGA」を繋いだHDMIのリンク機能「ビエラリンク」を活用した省エネ機能「こまめにオフ」、「ECOスタンバイ」を実演。

 「こまめにオフ」はVIERAの視聴状態に応じて使用していない接続機器(レコーダやAVアンプ)の電源を自動オフする機能で、「ECOスタンバイ」はVIERAを視聴していない時に、使用していない接続DIGAの待機電力モードを自動で最小に切り換え節電する機能。この2つの機能を合わせて、最大12%の消費電力抑制が可能という。

 また、ECO NAVI家電などのエコ商品を展示している。同社では省エネ機能をアピールすることで、エコ商品を訴求していくとする。

「ビエラリンク」を活用した省エネ機能をアピールECO NAVI家電の展示も

 そのほか、資源リサイクルの取り組みとして、ブラウン管のリサイクル技術を紹介。ブラウン管のレーザー分割システムや、使用済みブラウン管ガラスを再利用した「インターロッキングブロック」の展示なども行なっている。

ブラウン管のリサイクル技術を紹介使用済みブラウン管ガラスを再利用した「インターロッキングブロック」(太平洋プレコン工業と共同開発)を展示
HD伝送システム「KX-VC500」も紹介。MPEG-4 AVC/H.264でのフルHD映像をほとんど遅延無く伝送可能という。ビットレートは約3Mbps(最高8Mbps)。ユニットには、VIERAなどに搭載されているデジタル機器用LSI「UniPhier」(ユニフィエ)を搭載する。価格はオープンプライス(店頭予想価格は100万円前後だという)

■ シャープ・三菱・東芝・日立

 シャープでは、「LED AQUOS」(AQUOSLX1シリーズ)を出展している。搭載されているLEDバックライトの技術サンプルも展示し、新液晶パネル「UV2A」との組み合わせによる省エネ性能をアピールしている。

LEDバックライト採用の「LED AQUOS」を展示LEDバックライトの技術サンプルBlu-ray Discレコーダ「AQUOSブルーレイ」

 また、既報の液晶パネルの生産工程で排出される廃棄ガラスを利用した高機能性塗料を紹介。この塗料を使用したLED防犯灯の参考展示を行なった。高機能性塗料は液晶ガラスの特性である高強度、耐摩耗性、耐熱性などが活かされているため、街路灯など、日光や雨風にさらされる部品の耐久性を高めることができるという。

液晶パネルの廃棄ガラスを利用した高機能性塗料塗料を使用したLED防犯灯

 三菱のブースでは、CEATEC 2009に参考出展されていた65型の「レーザーテレビ」が出展されている。レーザーテレビは1080p対応のDMDチップを使ったDLP方式のリアプロで、光源にランプではなく、光の3原色を構成する3つの半導体レーザーを採用しているのが特徴。今回の展示では、3D映像が視聴できる。最大消費電力を135Wに抑えたことも特長で、低消費電力をアピールしている。BDレコーダ搭載の液晶テレビ「REAL BHRシリーズ」なども展示している。

65型の「レーザーテレビ」を参考出展。3D映像が視聴できる最大消費電力を135Wに抑えた「REAL BHRシリーズ」などを展示している

 東芝ブースでは、LEDバックライト採用の「REGZA ZXシリーズ」を展示。省エネ性能のアピールをしている。また日立のブースでも液晶テレビ「Wooo UTシリーズ」を紹介している。

東芝ではLEDバックライト採用の「REGZA ZXシリーズ」を展示日立は「Wooo UTシリーズ」を紹介

■ その他

 パナソニックやシャープ、三洋などの家電メーカー7社が協力して出展する「エコラボレーションプラザ」では、今年もエコ性能比較サイト「しんきゅうさん」を紹介。新たにエコポイントが比較できるようになった。

「しんきゅうさん」ではエコポイント比較が可能に画面サイズを選択するとポイント数が表示される「エコった!!」
三洋では「エネループ」をアピール。iPhoneなどの携帯機器で使用可能なモデルなども展示されているカラフルな乾電池型エネループも
エプソンでは、HDMI搭載の液晶プロジェクタ「EB-X8」を出展。隣には内部構造がわかるような展示もキヤノンブースではデジタル一眼「EOS Kiss X3」の環境配慮設計を紹介カシオではハイスピード撮影可能なデジタルカメラ「EXILIM」を展示
パイオニアではウイスキーを作り終えた樽を使用する「ピュアモルトスピーカー」を紹介。トールボーイ型「S-PM300」(標準価格70,000円/1台)ブックシェルフ型「S-A4SPT-VP」(標準価格48,000円/1台)オンキヨーブースでは、400台限定生産モデルのオーディオシステム「PH-01」を12台に限り、エコプロダクツで販売している。価格は258,300円だという
ケイウェザージャパン株式会社では、米Rewareのソーナーパネル搭載バッグを紹介。付属のコネクタを使って携帯電話やiPodなどに充電できる。コネクタにはUSB端子も備えている。トートバッグやリュック型など、8種類のバッグを用意。価格はトートバッグのもので18,000円。

(2009年 12月 10日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]