マランツ、DLNA/AirPlay対応の薄型AVアンプ

-84,000円の「NR1602」。5.1chの「NR1402」も


7.1chの「NR1602」

 マランツコンシューマー マーケティングは、スリムな筺体のAVアンプ2モデルを7月下旬に発売する。価格は、ネットワークオーディオ機能を搭載し、AirPlayにも対応した7.1chの「NR1602」が84,000円。5.1chの「NR1402」が50,400円。




■NR1602

「NR1602」(下)と、BD/SACD/DVD再生に対応し、ネットワークプレーヤー機能も備えた「UD7006」(上)を組み合わせたところ

 外形寸法440×369×105mm(幅×奥行き×高さ)と、薄型の筐体ながら7.1chのパワーアンプやネットワークオーディオ機能などを搭載したモデル。

 ネットワークオーディオ機能はDLNA1.5に準拠。PCやネットワークHDDに保存したMP3、WMA、AAC、WAV、FLACの再生が可能で、FLACは24bit/96kHzまでサポート。m3u、wpl形式のプレイリストの読み込みにも対応する。WAVは16bit/48kHzまで。AACのDRMには非対応。

 選曲などの操作は、本体やリモコンだけでなく、iPod touch、iPhone、iPad用に同社が公開している専用アプリ「Wizz App」や、DLNAのDMC(デジタルメディアコントローラー)対応ソフトからも可能。「Wizz App」では選曲だけでなく、AVアンプのボリューム、入力切替、サラウンドモードの選択などの基本操作も可能。NR1602にマランツリモートバス(RC-5)で接続した、マランツ製BD/CDプレーヤーを操作する事もできる。

 「Wizz App」に新機能「iPod Player」が追加され、Wizz Appから直接iPod touch、iPhoneのミュージックライブラリをAVアンプで再生できるようになった。さらに、アプリがAirPlayにも対応。アプリで再生中の曲を、AirPlay対応機器にワイヤレスでストリーミング配信できる。Wizz AppはApp Storeで無償公開されている。

 なお、AVアンプ側もAirPlayに対応しており、Wizz Appを使わず、同一LAN内にある、iPod touch、iPhone、iPadの音楽を再生したり、iTunesをインストールしたPCやMacからのワイヤレス再生ができる。

 PCやスマートフォンのWebブラウザからAVアンプを操作する事も可能。Windows 7との互換性を示す「Compatible with Windows 7」も取得。Windows Media Player 12からのリモート再生にも対応する。音楽だけでなく、サーバー内のJPEG画像をスライドショー表示したり、Flickrにアップロードした画像も表示できる。


iPodのデジタル再生にも対応する

 フロントのUSB端子でiPod/iPhoneと接続し、デジタル伝送での再生も可能。NR1602側のDACでアナログ変換することで、高音質再生ができる。接続したiPodの直接操作と、AVアンプのリモコンを使った操作にも対応。テレビ画面にアーティスト名や曲名を表示する事もできる。iPadの充電にも対応。さらに、リモコンに1ボタンでiPodのダイレクト再生ができる「iPod PLAY」ボタンを追加。USBメモリなどに保存した音楽/静止画ファイルの再生にも対応する。

 また、背面のM-XPortに別売のBluetoothレシーバー「RX101」(オープンプライス/実売1万円前後)を接続することで、Bluetooth対応携帯電話やオーディオプレーヤーの楽曲をAVアンプで再生できる。対応プロファイルはA2DP。RX101は赤外線受光部としても利用できるため、扉付きのラック内にアンプを収納しても、RX101を経由してリモコンの操作が行なえる。

 圧縮により失われた信号を独自のアルゴリズムで補完すると共に、低音域の量感を補正する「M-DAX2(Marantz Dynamic Audio eXpander 2)」機能を装備。圧縮音楽ファイルも高音質に再生できるという。

 デコーダは32bit DSPを使用。ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオに対応。フロントハイトスピーカーを使って、高さ方向の広がりを実現する「ドルビープロロジックIIz」にも対応している。

 最大出力は80W×7ch。7ch全てに同一クオリティのディスクリート・パワーアンプを搭載。歪を低減し、SN比を向上させたという。また、7つのパワーアンプをヒートシンクに一列にマウントするインライン配置を採用。チャンネル間の温度差に起因する特性のばらつきを抑え、つながりの良いサラウンドを実現したとする。


背面。スピーカーターミナルはスクリュータイプで、バナナプラグにも対応

 サラウンドバックやフロントハイとスピーカーを使わない場合は、フロントスピーカーのバイアンプ接続が可能。スピーカーターミナルはスクリュータイプで、バナナプラグにも対応する。

 アナログ回路、デジタル回路それぞれに独立した電源回路を搭載し、相互干渉による音質、画質への影響を排除。アナログオーディオ回路も専用基板にレイアウトし、デジタル音声回路や映像回路からの高周波ノイズの影響を避けている。

 HDMIは入力4系統、出力1系統。Deep Color、x.v.Color、オートリップシンク、HDMI CECに対応し、オーディオリターンチャンネルや3D映像の伝送にも対応。HDMIのスタンバイスルーにも対応。通常スタンバイモード時の消費電力を0.2Wに抑え、CECスタンバイ時も3Wの低消費電力を実現した。

 コンポーネント入力やコンポジット入力からのアナログ映像信号をデジタル信号に変換し、HDMIから出力するビデオコンバート機能を用意。GUIは再生映像にオーバーレイ表示され、各種設定やネットワークオーディオ機能の操作が可能。メニュー言語は日本語、英語を用意する。

 ゲームプレイ時に問題となる映像の遅延を抑制するゲームモードも用意。「Video Mode」を「Game」に設定すると、映像の遅延が最小化される。

 コマーシャルや映画など、テレビ放送の急激な音量変化を緩和する「Audyssey Dynamic Volume」や、聴覚の特性や部屋の音響特性を考慮し、音量レベルを下げた際にも、低音特性、聴感特性、サラウンド感を一定に保つ「Audyssey Dynamic EQ」も利用できる。


学習リモコンが付属する

 セットアップでは、付属の専用マイクを使ったオートセットアップ機能「Audyssey MultEQ」が利用でき、テレビ画面に表示される説明や図を見ながら設定が行なえる「スマートセットアップウィザード」も用意する。

 AM/FMチューナを搭載。付属リモコンは学習タイプで、マランツ製品だけでなく、プリセットコードを設定して他社製のテレビやプレーヤーを操作できるほか、赤外線リモコンコードを約60個学習可能。蓄光ボタンを採用している。詳しい仕様は下表の通り。




■NR1402

 NR1602と同じサイズの筐体を採用した、5.1chアンプ。NR1602との違いとして、ネットワーク機能やAirPlayには非対応。USB入力も省かれている。ただし、別売のBluetoothレシーバー「RX101」を接続するためのM-XPortは装備している。圧縮音楽を補完する「M-DAX 2」機能も利用可能。

NR1602

 32bit DSPを採用し、HDオーディオのデコードに対応。Dolby Pro Logic IIzもサポート。HDMIは入力4系統、出力1系統で、Deep Color、x.v.Color、オートリップシンク、HDMI CECに対応し、オーディオリターンチャンネルや3D映像の伝送にも対応。HDMIのスタンバイスルーにも対応。通常スタンバイモード時の消費電力を0.2Wに抑え、CECスタンバイ時も3Wの低消費電力を実現した。

付属リモコン

 5chアンプは全て同一クオリティのディスクリート・パワーアンプ。最大出力は80W×5ch(6Ω)。オートセットアップ機能「Audyssey MultEQ」や、スマートセットアップウィザード、「Audyssey Dynamic Volume」、「Audyssey Dynamic EQ」なども利用可能。AM/FMチューナを搭載し、ゲームモードも備えている。

 リモコンは学習機能には対応しないが、マランツ製BD/DVD/CDプレーヤーなどが操作でき、プリセットコードの設定で他者のテレビやプレーヤーも操作可能。


モデル名NR1602NR1402
最大出力80W×7ch(6Ω)80W×5ch(6Ω)
ネットワーク
オーディオ機能
AirPlay
USB
(iPodデジタル再生/
USBメモリ再生)
HDMI4入力、1出力
Bluetoothレシーバ
(RX101)
接続用M-Xport
その他入力端子コンポーネント×2
コンポジット×3
同軸デジタル×1
光デジタル×1
アナログ音声×3
マランツリモートバス×1
コンポーネント×2
コンポジット×3
同軸デジタル×1
光デジタル×1
アナログ音声×4
マランツリモートバス×1
その他出力端子コンポーネント×1
コンポジット×1
サブウーファプリ×1
フロントLRプリ×1
マランツリモートバス×1
ヘッドフォン×1
コンポーネント×1
コンポジット×1
サブウーファプリ×1
フロントLRプリ×1
マランツリモートバス×1
ヘッドフォン×1
消費電力220W
0.2W
(スタンバイ時)
3W
(CECスタンバイ時)
180W
0.2W
(スタンバイ時)
3W
(CECスタンバイ時)
最大外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
440×369×105mm
重量8.3kg8.2kg



(2011年 6月 14日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]