アキュフェーズ、約40万円のクリーン電源「PS-520」

-高精度基準波形と比較・補正。PCオーディオにも


クリーン電源「PS-520」

 アキュフェーズは、電源から歪みやノイズを除去し、接続するAV機器の画質・音質を高めるというクリーン電源の新モデル「PS-520」を4月中旬に発売する。価格は409,500円。

 2006年に発売した「PS-510」の全回路を見直したという後継モデル。「電源の悪い部分のみを波形成形して質を改善する」というコンセプトで作られている。定格出力容量は510VA。

 高精度な基準波形と、ノイズや歪のある電源波形を比較し、過不足分の電力だけを入力波形に補うことで、クリーンな電源波形を成形。過不足分だけを補うため、効率が良く、発熱も少なく、筐体の小型・軽量化が可能という。

 比較する基準信号発生器をより高精度化。波形補正アンプには、独自技術による、高圧・低圧2種類の電圧を使用し、性能を向上させた「MOS FETプッシュプル差動増幅回路」を採用。パワー部との連結をバランス伝送にする事で、出力波形の低歪率化を実現している。

 様々なノイズを除去するために、3段階のノイズ除去機能を用意。高周波ノイズを低減するラインフィルタ、低い周波数のノイズ低減に効果があるアイソレーショントランスも使用する。高速加減算回路で、基準波形と比較とノイズ成分の減算をリアルタイムで行ない、前述の2段階で対応できなかったノイズも除去。PCオーディオで使用するPCと接続しても、大きな効果があるとしている。

 信号系は全てアナログ回路で構成されており、発振器やスイッチング回路の干渉がないため、高周波ノイズを輻射する心配も無いという。

 出力段には最大定格10Aのトランジスタを10パラレル・コンプリメンタリー・プッシュプルで使用。定格出力電流は5.1A、瞬時電流供給能力は70Aと、高い電流供給能力を持っている。

 AC出力端子として、ホスピタル・グレードの3Pコンセントを、背面に8個装備。どの端子でも音質や性能に差が出ないように、出力配線の長さや材料、パターン形状も検証されている。

 入力用として、アース線付きの2m/2P ACコードを同梱。無負荷時の消費電力は50W。外形寸法は465×386×181mm(幅×奥行き×高さ)。重量は23.8kg。


(2012年 3月 12日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]