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キヤノン、4K対応の「CINEMA EOS」35mm EFレンズを開発
'13年末発売。カメラ「EOS C300」など5機種の機能強化も
(2013/4/4 14:33)
キヤノンは、映像制作用レンズ・カメラの「CINEMA EOS SYSTEM」において、新たに35mm単焦点 EFシネマレンズの開発を進めていると発表した。米国ラスベガスで4月8日~11日に開催される放送機器などの展示会「NAB Show 2013」にて参考出展される予定。
開発中の35mm単焦点EFシネマレンズは、フルHDの4倍を超える画素数を持つ4K(4,096×2,160ドット)のカメラに対応。映画業界の標準であるスーパー35mm相当のほか、35mmフルサイズ、APS-H、APS-Cのセンサーサイズに対応。詳細な仕様や価格は未定だが、2013年年末の商品化を目指している。レンズの選択肢が増えることで、撮影できる映像の幅が広がり、さらに多彩な画づくりが可能になるとしている。
「CINEMA EOS SYSTEM」は、2011年に発表され、これまでEFシネマレンズは11機種を発売。優れた光学性能や操作性の高さなどで、映画/CM/テレビ番組などの映像制作現場から高い評価を得ているという。
同日付で、「CINEMA EOS SYSTEM」のカメラ5機種のファームウエアとアプリケーションの無償アップデートサービスを6月より開始することも発表。同社サイト内で順次公開される。
対象機種は、「EOS C500」、「EOS C500 PL」、「EOS C300」、「EOS C300 PL」、「EOS C100」の5モデル。映像制作現場からの強い要望に応え、アプリケーションのカラーマネジメント効率化や、カメラの機能性の向上を図ったという。
EOS C500/EOS C500 PLを対象とし、4K映像のRAWデータを現像するアプリケーション「Cinema RAW Development」をバージョンアップ。AMPAS(Academy of Motion Picture Arts and Sciences/映画科学技術アカデミー)が提唱するカラーマネジメントの規格「ACES(Academy Color Encoding System/アカデミー色符号仕様)」に対応する。これにより、色特性の異なる複数のカメラで撮影した映像でも、統一された色空間でのカラーマネジメントが行なえ、ワークフローを効率化できるという。
また、EOS C300本体のアップデートにより、C100にも搭載されているオート機能を追加。「PUSH AUTO IRIS」と「ONE-SHOT AF」により、ワンタッチで自動的にアイリスとピント合わせの調整が行なえ、特にシネマトグラファーやビデオグラファーがアシスタントなどをつけずに単独で撮影する際に有効としている。また、EOS C300/C300 PLには、新たな録画モードとして、地デジの放送向けに1,440×1,080ドットの録画モードを追加する。
そのほか、5モデル共通の機能強化点として、ファインダーや液晶モニタ上で拡大表示する位置を画面中央以外に移動できるように変更。これにより、画面の隅までピント合わせの確認ができるようになる。