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コルグ、DSD対応新USB DAC「DS-DAC-100」。AudioGate 3も
WAV/FLACもDSD変換。ポータブル「100m」は約3万円
(2013/10/26 11:00)
コルグは、DSD対応USB DACの新モデル「DS-DAC-100」と「DS-DAC-100m」を11月下旬より順次発売する。価格はオープンプライス。金属スパイクを備えた特徴的なデザインの据置型「DS-DAC-100」は11月下旬に発売し、店頭予想価格は55,000円前後。ポータブルタイプの「DS-DAC-100m」は12月上旬に発売し、価格は3万円前後。
またコルグ開発のWindows/Mac対応のDSDプレーヤーソフト「AudioGate」もAudioGate 3にバージョンアップ。ユーザーインターフェイスの一新や機能追加を図り、DS-DAC-100/DAC-100mに添付する。無料の「AudioGate 3ライト版」も公開するが、DSD再生時の出力が44.1kHz/48kHzのPCM変換のみに制限される。
据置型の「DS-DAC-100」
曲線を主体としたボディが特徴的なDSD対応USB DACで、デスクトップなどの据置型として提案。パソコンとUSB接続し、付属アプリケーション「AudioGate 3」を組み合わせて利用する。
入力はUSB 2.0のみ。出力はXLRバランスのアナログ音声と、アンバランスのアナログ音声(RCA)、ヘッドフォン出力(標準ジャック)を各1系統搭載する。
専用ソフトウェア「AudioGate 3」を利用することで、DSDのネイティブ再生にも対応。2.8224MHz/5.6448MHzのDSDファイルを再生できる。また、DSD以外にもMP3やAAC、WAV、FLACなどに対応し、24bit/192kHzのFLACやWAVなどの再生も可能。これらも「DSD変換」することが、DSD-DAC-100/AudioGate 3の特徴で、パソコン内のMP3/WAVなどのオーディオファイルだけでなく、CD音源などもリアルタイムに5.6448MHzのDSDに変換して再生する。
対応OSは、Windows XP/Vista/7/8.1とMac OS X 10.6以降。ドライバはWDM、CoreAudio、ASIOに対応するが、DSDのネイティブ再生はWindows(ASIO)とMacのどちらも、KORG USB Audio Device Driver利用時のみ対応となる。
USBからの伝送はアシンクロナス方式で、ジッタの発生を抑制。電源はUSBバスパワーから、電源を再生成することでPCからのノイズ混入を抑えている。DACチップはCirrus Logic「CS4398」でプロスタジオ向けの「MR-1000」と同等の性能を謳う。
DSDのネイティブ再生のために、Windows/Mac用のドライバを開発。専用ドライバにより、DSDフォーマットのままUSBケーブル内から伝送されたデータをDS-DAC-100のDACで変換。「真のネイティブなDSD再生を実現する」としている。
ヘッドフォン出力時の出力は85mW×2ch(32Ω)。周波数特性は10Hz~20kHz ±1dB(fs=44.1kHz/48kHz)/10Hz~40kHz ±1dB。SN比は105dB。前面にサンプリング周波数などを表示するLEDを装備する。外形寸法は206.5×159.5×60mm(幅×奥行×高さ)、重量は862g。
ポータブルモデル「DS-DAC-100m」
DACチップやAudioGate 3を使ったDSDネイティブ再生、DSD変換再生などの特徴はDS-DAC-100と共通だが、携帯利用が可能な小型筐体を採用しているポータブルモデル。パソコンのAudioGate 3と組み合わせて利用し、外形寸法は92×129×19.5mm(幅×奥行×高さ)、重量は175g。
入力はUSB 2.0のみで、出力端子はステレオミニのライン出力とヘッドフォン出力を各1系統装備する。「AudioGate 3」を利用して、DSD(2.8MHz/5.6MHz)のネイティブ再生や、24bit/192kHzまでのWAV/FLAC、MP3、AACなどのDSD変換再生が行なえるのは、DS-DAC-100と共通。対応OSは、Windows XP/Vista/7/8.1とMac OS X 10.6以降。DSDのネイティブ再生はWindows(ASIO)とMacのどちらも、KORG USB Audio Device Driver利用時のみ対応となる。
回路はDS-DAC-100と同等で、DACチップは「CS4398」。ヘッドフォン出力時の出力は85mW×2ch(32Ω)。周波数特性は10Hz~20kHz ±1dB(fs=44.1kHz/48kHz)/10Hz~40kHz ±1dB。SN比は105dB。
AudioGate 3
DSDプレーヤーソフト「AudioGate 3」はDS-DACシリーズに最適化して大幅に機能強化。コルグのオーディオソリューション「AudioGate - The Complete Path to Audio Purity-」の核となるソフトウェアとして開発した。
ユーザーインターフェイスを一新し、カバーアートや波形表示などのビジュアル効果を向上。Mac OS X 10.7以降ではフルスクリーン表示に対応した。プレイリストには、Album/Artist/Genreを追加し、ソート可能になった。また、iTunesのソングインポートにも対応した。
さらに、アルバムアーティストやトラック番号、ディスク番号の編集にも対応。マスターボリュームや再生音量調整機能、ファイル変換処理の高品位/低負荷選択などが可能となった。
DS-DACシリーズとの組み合わせでは、AudioGate側で全ての音源をDSD化する「DSD変換」に対応しているが、FLACやWAV、MP3などをDSD変換せずに出力することも可能という。
なお、これまでの「AudioGate 2」はDSD変換対応のプレーヤーソフトとしてTwitter認証を行なうことで、DS-DACシリーズの所有者以外でも利用可能としていたが、AudioGate 3ではこれを廃止。代わりにDSDを始める人向けの体験版として「AudioGate 3ライト版」を公開する。
DS-DACシリーズユーザー向けのフル版とライト版の違いは、ライト版ではDSD再生が44.1kHzまたは48kHzでのPCM出力に制限されること。
「そのままの音」にこだわり。AudioGateはプレーヤーに
商品企画を担当する坂巻匡彦氏は、新DS-DACシリーズとAudioGateについて説明した。「楽器を手がけるメーカーとして、正しい音を届けるのがコルグのポリシー。DSDを手がけているのもその為で、“その場で鳴った音”を捉えられる技術として、レコーダに取り組んできた。それがオーディオ系の方々に評価されたことから、(2012年発売のDSD対応USB DAC)DS-DAC-10を発売した」と昨年までのコルグの取り組みを説明した。
そして、'12年発売のDS-DAC-10については、「オーディオ機器として、レコーダと何が同じで何が違うのかわからなかった。だから、レコーダのMR-2000などと同じ回路で、そのまま作った。単純にそのまま鳴らすことを考えていたが、その音の正しさがオーディオファンに届いた」とし、当初限定生産だったDS-DAC-10を増産することになった顛末を紹介した。
新DS-DAC-100/100m、AudioGate 3については、「音の正しさを極限まで突き詰める」ことを目指し、ネイティブDSD出力やDSD変換のこだわりを説明。DSD変換のアルゴリズムも改善が加えられているという。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで、PCオーディオの高音質を追求したのものが新シリーズと語った。
AudioGateの開発を担当する開発1部 AR開発グループの石井紀義氏は、AudioGateのDSD変換の仕組みや、プレーヤーとして機能強化を図った新バージョンの特徴を紹介。従来はDSD変換ソフトウェア的な位置づけであったAudioGateを、プレーヤーソフトとして位置づけ、マスターボリュームやiTunesライブラリの読み込み機能などを搭載したという。