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東芝、実売25万円からの全面直下LED 4K TV「REGZA J10X」
43型~55型の3モデル展開。レグザサーバー連携も
(2014/10/1 14:00)
東芝ライフスタイルは、4K液晶テレビ「REGZA J10Xシリーズ」を11月中旬より発売する。43型「43J10X」、49型「49J10X」、55型「55J10X」の3モデル展開で、55/49型が11月中旬、43型が11月下旬発売。価格はオープンプライス。店頭予想価格は43型が25万円前後、49型が28万円前後、55型が33万円前後。
全面直下LEDや広色域パネルの採用など画質面の主な特徴は最上位Z10Xシリーズを踏襲しており、4Kチューナや全録のタイムシフト機能、3D機能などを省き低価格化した。HEVCデコーダを搭載しており、ひかりTV 4Kなどの4K VODサービスに対応可能な「4K配信プレミアム4K REGZA」と位置づける。
上位機のZ10Xシリーズについては別記事で紹介している。
スタンダード機でも上位機Z10X同等の高画質を
液晶パネルは、55/49/43型のいずれも3,840×2,160ドットの4K解像度で、IPS方式。Z10Xシリーズと同様に、広色域パネルと直下型LEDバックライト(全面直下LED)を採用し、映像エンジンは「レグザエンジンCEVO 4K」。
直下型LEDに加え、LEDエリア制御技術(ローカルディミング)も搭載。エリア制御は、映像の部分にあわせて最適なLED制御をし、メリハリある映像を実現可能とするものだが、輝度検出/エリア制御のアルゴリズムをZ9X世代のものから一新し、コントラスト感や暗部の階調表現などを改善している。
色については、DCI(デジタルシネマ)-P3規格に迫る広色域化を実現。放送の色域(BT.709)に圧縮された色を、パネルの最大色域まで拡大する「4K広色域復元」に対応する。6,144項目のデータベース参照と、64の色軸による分析/制御により自然で鮮やかな色を再現。4K放送などで導入が見込まれる広色域規格のBT.2020の映像表示にも対応する。
撮影するカメラによって丸め込まれてしまう高輝度領域を高精度に復元し、白く輝く部分を立体感をもって再現する「インテリジェント・ハイダイナミックレンジ復元」も新搭載し、色やコントラスト表現を向上。「インテリジェント質感リアライザー」では、3,388個の輝度入出力変換テーブルを用意し、高精度に映像ヒストグラムを分析することで、直下型LEDのダイナミックレンジを最大限に引き出し、暗部階調性や明るいシーンの立体感やコントラストを高めている。
レグザエンジンCEVOの処理能力を活かし、放送やBDなど映像ソースを問わずに高画質化する「4Kマスターリファイン」を搭載する。J10Xでは、新たに「2K/4K放送ノイズエリア解析超解像」により、2Kだけでなく、4K放送に対しても、エッジ部や平坦部の特徴を検出し、隣接する平坦部のノイズを低減。また、デジタル放送のノイズパターンに適した処理を実施して、効果的にノイズを除去する。加えてエリアごとの超解像処理を行ない、映像全体の鮮明さと文字の見やすさ向上を図る。
「4K放送映像周波数解析オートピクチャー」も新搭載。4K放送や4K配信、PCからの4K出力、BDプレーヤーからの4Kアップコンバート出力など、解像感の異なる4K映像の映像特性を正確に解析し、最適な超解像処理を加える事で、精細感や立体感、奥行き感ある4K映像を再現するという。4K入力時と、CEVO 4K直結の1080p入力時(ピュアダイレクト時を除く、ハイビットBDモード時)に動作する。
HDMI入力は4系統で、そのうち1系統(HDMI 3)は4K/60pに対応、4K放送チューナの信号にも対応する。HDMI 2.0の3,840×2,160ドット/60fpsや、著作権保護技術のHDCP 2.2もサポート。HDMI 1/2はHDCP 1.4対応。HDMI 4は4K映像には対応しない。
4:4:4信号の1080p映像を、レグザエンジンCEVO 4Kにダイレクトに入力して、ALL 12bit 4:4:4で映像処理することで、素材の美しさを最大限に引き出す「ピュアダイレクトモード」を搭載。パナソニックのBDレコーダ「DIGA」やジブリのBDディスクなどで採用している「MGVC」のような、各色最大12bitで収録したBDディスクの映像を高品位に再現できる。「ハイビットBD」は、従来のコンテンツモード「アニメ」だけでなく、「ビデオ」、「シネマ」でも選択可能になった。
ゲーム対応やマスターモニターモードなども搭載。マスターモニター関連では、色温度6,500Kの「モニターD65」、9,300Kの「モニターD93」モードを備え、これを基準に細かな設定が行なえる。
4K/2Kゲームで、遅延0.6フレーム(約10ms)の低遅延化を実現する「新4Kゲーム・ターボ」も装備。HDMI入力では、PCゲームで採用例が多い2,560×1,440ドット/60pの入力にも対応するほか、ALL 4:4:4の映像信号処理により高画質なゲーム映像再現が可能となる。従来のゲームモードの処理は10bitとなっていたが、12bit対応によりさらに高画質に再現できるとする。
また、REGZAとして初めて「インパルス駆動モード」を搭載。60p時にあえて全消灯(全黒)のフレームを入れることで、動きの早い映像のボケ感を抑え、くっきりとした映像を再現できる。
画質面でのZ10XとJ10Xの大きな違いは、パネルの輝度性能やJ10XではパネルがIPS(Z10XはVA)となるほか、J10Xが3D立体視に非対応という点。
レグザサーバーと連携し「タイムシフトリンク」
チューナは、地上デジタルが3系統、BS/110度CSデジタルが2系統で、別売USB HDDへの録画に対応する。番組表やメニューなどは4K対応としたことで、番組表の見やすさや操作性を向上している。
デジタル放送全録機能「タイムシフトマシン」は搭載しないが、全録レグザサーバー「D-M430」などや、他のタイムシフト対応REGZAなどと連携する「タイムシフトリンク」を新搭載。HDMIとネットワークで連携したレグザサーバーをJ10Xのリモコンで操作可能になるもので、J10Xのタイムシフトリンクボタンを押すことで、レグザサーバー内の過去番組やZ10Xシリーズで新対応したざんまいスマートアクセスを呼び出して、見たい番組を素早く検索/再生できる。
対応のレグザサーバーは、D-M430/M470と、DMR-M490/T460/T450/M180/M190。D-M430/M470では、現在放送中の番組の冒頭から再生できる「始めにジャンプ」に、バージョンアップにより対応する。
なお、操作の連携はHDMI経由で行なうが、関連データのやり取りはEthernet経由で再生するため、J10XとレグザサーバーはHDMIだけでなくLANでの接続も必要になる。
レグザサーバーだけでなく、同一ネットワーク内にあるタイムシフトマシン対応のテレビ(REGZA Z7/Z8/Z9X/Z10Xシリーズ)の録画番組の再生も可能。
また、新アプリ「TimeOn番組シーン検索」による番組検索も可能。iOS/Androidデバイスからの操作に対応し、ニュースや音楽、バラエティ、スポーツなどの番組ジャンルでの検索やキーワード検索、登録キーワードなどで録画番組(タイムシフト/通常録画)から検索可能。さらに、エム・データのメタデータを使って、おすすめとして表示されるシーンごとの再生も可能となっている。
TimeOn番組シーン検索の対応OSはiOS 7.1以降と、Android 4.1以降。ただし、Android版は2015年春のリリース予定としている。Z10X/J10Xのほか、Z9X/Z8X/Z8/Z7、J9X/J8/J7、G9でも利用できる。
DLNAサーバー機能や、レグザクラウドサービス「TimeOn」にも対応。リモコンの[シーン検索]ボタンから、番組内の任意のシーンの検索/頭出しができる「気になるシーンリスト」などに対応。放送/通信連携サービス「ハイブリッドキャスト(HybridCast)」に対応する他、4K対応のHEVCデコーダを搭載。ひかりTVが開始予定の4K VOD「ひかりTV 4K」にもアップデートで対応する(2015年春に4K VOD対応アップデート予定)。
スピーカーは3×9.6cmのフルレンジユニット2基で、出力は15W×2ch。レグザサウンドイコライザープロなどの高音質化技術も導入している。また、壁掛け設置時でも自然な音再現が可能な「壁掛けモード」も搭載している。
入力はHDMI×4のほか、コンポジット映像とアナログ音声を各1系統装備。光デジタル音声出力とヘッドフォン出力も備える。USBは、録画専用×1、汎用×1。
消費電力は、55型が230W(リモコン待機時0.2W)、49型が210W(同)、43型が194W(同)。年間消費電力量は、55型から順に160kWh/年、158kWh/年、154kWh/年。外形寸法と重量は、55型が124.1×24.7×77.2cm(幅×奥行き×高さ)、19kg。49型が110.5×24.7×69.5cm(同)、16.5㎏。43型が97.2×23.2×62.1cm(同)、14kg。