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Parrot、1080/30p対応新ドローン「Bebop Drone」。HMD装着で“没入型飛行”
(2015/3/12 14:08)
仏Parrot(パロット)は、1080/30pの動画撮影機能を備えた新クアッドコプター「Bebop Drone」を4月上旬に発売する。3月13日に予約受付を開始。価格は70,900円。Skycontrollerをセットにした、通信距離拡張パックは130,900円。カラーはブルー、レッド、イエロー。
1,400万画素のCMOSセンサーと、魚眼レンズを搭載したカメラを採用。180度の視界をとらえ、その視界の中から、スマホの操作アプリを使って撮影する範囲を指定できる。そのため、カメラを物理的に動かす機能は無いが、カメラの向きを動かしたような感覚でアングルを変えた撮影ができる。
映像は最高で1080/30pの撮影ができ、フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264を採用。4,096×3,072ドットの静止画撮影もできる。静止画のフォーマットはJPEG/RAW/DNG。内蔵メモリは8GBで、約40分間の映像を保存できるが、クアッドコプターに同梱している1,200mAhのリチウムポリマーバッテリでの飛行可能時間は約11分となる。なお、製品にはバッテリが2本付属する。
ブレを抑えた撮影をするために、4つのショックアブソーバーを搭載。さらに、独自の3軸方向での画像安定化アルゴリズムも採用し、ドローンの傾きや乱気流に伴う揺れがあっても、視野角は歪なく水平状態を保てるとする。
デュアルコアCPUのCortex9と、クアッドコアGPU、独自の画像処理プロセッサも備えている。アプリから撮影アスペクト比の変更(16:9/4:3/魚眼)や、ホワイトバランス・彩度などの設定も可能。
3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、3軸磁力計を搭載。GPSを備え、GLONASSのデータも利用可能。最大8mまでの高度では、超音波センサーを使って制御、それ以上の高度では圧力センサーで制御する。GPSやGLONASSのデータを用いて、高高度での安定操作をサポートするGNSS(衛星測位システム)も利用できる。地面を定期的に撮影し、1つ前の画像を比較する事で速度を決定する「垂直安定化カメラ」も搭載している。
4つのプロペラは、3枚羽でポリカーボネート製。4つのブラシレス・アウトランナー・モーターで駆動する。プロペラを保護するEPP製のハル(外装)も同梱。外形寸法は、ハルを搭載した状態で33×38×3.6cm。重量はハル無しで400g、ハルを含めて420g。本体はグラスファイバーで強化したABS製。
IEEE 802.11a/b/g/n/acで、2.4GHz、5GHzの両方に対応。無線LANのアンテナは2本搭載されており、MIMO技術を使い、通信性能を高めている。これにより、スマートフォン/タブレット(MIMO対応)と組み合わせた場合、最長で250mの範囲まで安定した通信ができるとする。ただし、日本では5GHzの利用は室内飛行のみでの利用となる。切り替え設定は操作アプリ上で行なえる。
操作は無線LANを使い、スマートフォンやタブレット向けアプリ「FreeFlight 3.0」から行なう。対応OSはiOS、Android、Windows Phone。Windows Phone向けのアプリが後日公予定。
「TAKEOFF」ボタンでモーターが起動し、離陸。自動でホバリングしてパイロットの指示を待つ。端末のディスプレイにタッチ、左側のバーチャルスティックを操作すると高度や旋回、前後左右の動きはスマートフォン/タブレットを傾ける事で行なう。右手側のバーチャルスティックはフロントカメラで切り出す映像の角度を制御する。
GPSを使い、ボタン1つで離陸時の場所に自動的に戻り、自動着陸も可能。宙返り機能も用意する。緊急着陸機能、接触時のプロペラの自動停止機能なども備えている。
フライト中の時間、飛行軌跡などは「パイロットアカデミー」というSNSサービスにおいて、地図上に3D形式で表示でき、パイロットのコミュニティで共有できる。
より操作しやすく、遠くまで飛ばすためのSkycontroller
通信距離拡張パックに付属するSkycontrollerは、無線LANを使った送信機。4本のアンテナを搭載し、Bebop Droneとの通信距離を最大2kmまで拡張できる。
左右にジョイスティックを備え、操縦やカメラ角度のコントロールが可能。中央に、別途用意したスマートフォン/タブレットを装着できるようになっており、Bebop Droneから伝送されたカメラの映像を表示。それを見ながら操作する事ができる。
Skycontroller自体にもARMデュアルコアや8GBメモリを搭載し、Android 4.2を採用。スマートフォンやタブレットを使わずに、Bebop Droneを操作・制御する事もできる。外形寸法は37×23×19cmで、重量はサンシェードカバー込みで1,550g。稼働時間は約1時間40分。
なお、SkycontrollerにはHDMI出力も装備、別途ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を接続すれば、カメラがとらえている上空の映像を、自分の視界のように体感できる。これを装着したまま、操作する事で、「没入型の飛行風景が楽しめる」という。
さらに、HMDが装着者の頭の動きを検出できる場合は、そのデータを使い、カメラの角度を追従させる事も可能。視界には姿勢計、バッテリレベル、速度、高度、距離などの情報も表示できる。対応するHMDの情報は公式サイトでアナウンスされる。
「HDでの空撮を考えている人に、パーフェクトな製品」
ParrotのJPAC地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターのクリス・ロバーツ氏は、2010年からドローンを累計、150万台を販売していると説明。Bebop Droneの目標台数などは明らかにしなかったが、「4月の発売を成功させる事にターゲットを絞り、今後にも勢いをつけていく」と意気込みを語る。
Bebop Droneについては、安定した高画質撮影ができる事、自動帰還や着陸といった安全面を強化する機能を盛り込んでいる事などをメインに紹介。「ハイビジョンでの空撮をしたいと考えている人にとって、パーフェクトな製品」と自信を見せた。
なお、飛ばす場所についてParrotでは、「初心者・上級者を問わず、ドローンの操作をお楽しみいただく際は、責任ある行動をとり、お住いの地域の法規制を遵守してください」としている。ロバーツ氏は、「様々な事を検討している。飛行させる際は、その場所のルールを守ってほしいと考えており、そういった事も含めて、消費者の皆さんとコミュニケーションを積極的に行なっていきたい」とした。