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JVC、YouTube配信4Kカメラやスーパー35mmの4Kなど。D-ILA搭載HDRリアプロ参考展示
(2015/4/16 09:45)
放送/映像関連の国際展示会「2015 NAB Show」が、米国ラスベガスにおいて13日(現地時間)に開幕した。JVCケンウッドは、高画質以外の様々な特徴も持つ4K対応カメラや、HDR対応プロジェクションモニタなどを展示している。
スーパー35mmなど、4Kカメラのラインナップ拡大。ライブ配信向け機能の強化も
'15年の新モデルとして、1月のInternational CESなどでも展示した、4K対応のスーパー35mmセンサー搭載ビデオカメラ「GY-LS300」を展示。同社が子会社化したAltaSensのイメージセンサーを備え、マイクロフォーサーズマウントを採用しているのが特徴。動画記録は4K(3,840×2,160ドット)のQuickTime(MOV)で、ビットレートは150Mbps。SDHC/SDXCカードに対応し、本体にデュアルスロットを装備。フルHD 4:2:2の50Mbps記録も可能。
「GY-HM200」は、F1.2の光学12倍ズームレンズと1/2.3型の1,240万画素CMOSセンサーを搭載した小型の4K対応ハンドヘルドカメラ。MPEG-4 AVC/H.264での4K撮影は150Mbps、HD撮影は50Mbps 4:2:2の高ビットレート記録が可能。ライブストリーミング向け機能を強化したのが特徴で、本体から直接UstreamやYouTubeへの配信が行なえる。
海外専用モデルのコンパクトな4Kメモリーカードカメラレコーダ「GY-HM170」も展示。「GY-HM200」をベースに、小型化/低価格化した海外専用モデルで、内蔵マイクと外部オーディオ入力に加え、HDMI端子から4K記録中もライブの4K映像出力が行なえる。
既存モデルのファームウェアアップデートも実施。HDビデオカメラ「GY-HM600U/650U/850U/890U」は、ライブストリーミングに対応機能利用時の通信エラー補正機能を強化。通信状況に応じてビットレートを可変させるアダプティブビットレートモードを搭載した。さらに、「GY-HM200」や「GY-LS300」に搭載されたRTMPプロトコルに対応したほか、FTPサーバーへのファイル転送のレジューム機能も追加なども追加。ライブストリーミング時の使い勝手を向上させた。
D-ILA採用の4K/HDRプロジェクションや4Kリモートカメラなども参考展示
次世代の映像制作を想定した新たなカメラシステムなども参考展示された。HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応したモデルとして、同社プロジェクタなどで使われているD-ILAデバイスを使った「HDRリアプロジェクションシステム」と「HDR対応カメラ」を展示している。
D-ILAデバイスによる高コントラスト技術に高輝度技術を組み合わせることでダイナミックレンジの豊かな表現が行なえるというもの。HDRリアプロジェクションシステムは、4K対応70型と、2K対応の36型を用意。HDR対応カメラのダイナミックレンジは14ストップ(16,384:1)で、撮影した映像をこのリアプロシステムで観られる。
また、英Bradleyとの協業により、4K対応リモートカメラシステムを共同開発。4K/Super35mmイメージセンサーを搭載したカメラヘッドのパン/チルト/ズーム動作を遠隔から制御でき、リモートカメラからは4K映像信号をファイバーケーブル一本で出力可能。スタジオ収録やスポーツイベント撮影などを含む幅広い映像制作に使えるリモートカメラシステムとして提案する。NABブースの撮影コーナーにも同カメラが設置され、離れたコントローラで映像を確認しながら操作可能となっていた。
そのほか、カメラ/ビデオユニットの分離型4Kカメラシステムも展示。4K対応Super35mmイメージセンサーと、マイクロフォーサーズマウントを採用した小型軽量の4Kカメラユニットと、脱着/折り畳み可能な7型フルHD液晶モニターを搭載したビデオ/コントロールユニットで構成するカメラシステム。カメラユニットを分離させることで設置性を向上し、遠隔操作も実現。業務用映像制作などで、4Kの新しい撮影スタイルを可能にするという。