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TANNOY、アルニコマグネット採用の同軸2ウェイスピーカー「Turnberry/GR LE」

 エソテリックは、英TANNOY(タンノイ)のフロア型同軸2ウェイスピーカー「Turnberry(ターンベリー)/GR」に、アルニコマグネットのドライバを採用した「Turnberry/GR LE」を、8月5日より発売する。価格は1台72万円で、全世界で150セット限定生産となる。

Turnberry/GR LE

 アルニコマグネット「ALCOMAX-III」搭載の250mm径ウーファと52mm径ツイータで構成する、伝統のデュアルコンセントリック(同軸2ウェイ)のフロア型スピーカー。通常モデルのTurnberry/GRとの違いは「ALCOMAX-III」を採用している点で、従来のアルニコの3倍の磁気エネルギーを持ち、駆動力の大幅な向上により、忠実で応答性の高い動作を実現。音の解像力が増し、ディテールまで表現可能としている。

 ウーファコーンは、最高峰モデル・Kingdom Royalの技術を投入したクルトミューラー特製のマルチファイバーペーパーコーンを使用。異種パルプ繊維を混合し、軽量化と高剛性を両立、有害な分割振動を抑えている。低域のダイナミックレンジ向上により、ナチュラルな中音域特性を獲得したという。

 コットンクロスをツインロール状に形成したハードエッジは、強度と耐久性を高めるため特殊フェノール樹脂を含浸させ、表面を特殊コーティング。トランジェント特性に優れた俊敏な低域と分割振動を抑えた濁りのない中域を再現できるという。

 ツイータは、軽量アルミ・マグネシウム合金の逆ドーム型ダイアフラムと、新設計の銅クラッドアルミボイスコイルを使用。5段階プレス法で徐々にドームが形成され、1回のプレスごとに加熱されて内部歪みを取り除く処理を行なった。ダイアフラムの反対側には空洞を設けてドライバの背圧を最適化し、歪みを軽減。ホーンのネックに空けられた19個のスロートで位相を補正する。また、Kingdom Royalで採用された透明マイラーフィルム製のエッジも使用。ダイアフラム一体のプレスエッジに比べて信号の減衰特性に優れ、コンプレッションホーン特有のメタリックな響きを抑えている。

 ツイーターホーンの内面はラッピング(磨き込み)処理による滑面化仕上げにより、ホーン表面での乱反射を低減して正しい再生位相を確保。異質の金属を組み合わせて不要な共振も排除し、繊細で伸びのある高域再生を可能にしたという。ホーン表面には酸化防止の24K金メッキを施した。

Turnberry/GR LE

 最新のクロスオーバーネットワーク回路も使用し、英ICW製のClarityCapフィルムコンデンサや、低損失ラミネート鉄芯インダクター、厚膜フィルム抵抗なども使用。全ての部品は手作業によるハードワイヤリング。 内部配線はオランダvan den Hulのシルバーコーティング銅線。金メッキの大型スピーカー端子、タンノイ独自のアース端子を採用している。

 エンクロージャには、アメリカンウォルナット突き板と無垢材を使い、手作業でオイルフィニッシュ。フロント両サイドの下部にポート開放部を設けた、独自のバスレフシステム「DPS」(ディストリビューテッド・ポートシステム)により、解像力や低域の伸びの向上を図っている。金メッキを施したネジとプレートには、確実にロックアップするレベルコントロールシステムを採用。ツイータのレベルを±3dBで5段階に増減できる。

 フロントバッフルには、機械加工でGRロゴを装飾。「ライトニングストライク」TANNOYロゴも配している。フットベースとスパイクを用意し、リスニングルームや床面などの状況に合わせて使用可能。蜜蜂の巣から抽出したワックスを主成分とするウッドワックスも付属する。

(中林暁)