ミニレビュー
初音ミクとVRデートも!? 一緒に360度写真が撮れる「ミクシータ」で遊ぶ
2017年11月7日 08:00
360度全天球撮影できるリコーのカメラ「THETA」の限定モデルとして、初音ミク仕様の「RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU」、通称“ミクシータ”が発売された。
初音ミクのイメージカラー・ブルーグリーンに塗装された本体とイラストから、デザインだけコラボレーションしたコレクターズアイテムのように見えるかもしれないが、実は中のオリジナルコンテンツを含めて、新しい楽しみ方ができるのが特徴。THETAの360度写真をアプリに取り込むと、初音ミクの3Dモデルと一緒に撮ったような360度写真が作れるのがポイントだ。
当初は受注期間を10月31日正午までとしていたが、販売期間が延長。2018年1月31日正午12時まで延長することが決まった。価格は、“ミク”にちなんで33,939円。オリジナルのグッズも同梱される。
初音ミク限定THETAは、通常のモデルとどう違う?
360度カメラのTHETAについて改めて簡単に説明しよう。前後合わせて2つのレンズとセンサーを備えたカメラで、自分の周り360度すべての景色を撮影可能。撮った後で、アプリを使って自由に閲覧/編集してSNSで共有できる。
本体のシャッターボタンだけでも簡単に撮影できるが、スマートフォンとWi-Fi(無線LAN)で接続して連携すれば、THETAでとらえている映像をモニタリングしながら撮れるので、思い通りのカットを撮影しやすい。また、アプリのクロップ編集を使って小さな惑星の様な「リトルプラネット」画像を作れたり、市販のVRゴーグルなどを使ってVRコンテンツとしても楽しめる。
今回紹介する「RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU」は、“電子の歌姫”初音ミクの10周年を記念して登場。「THETA SC」をベースにした特別仕様の本体と、スペシャルグッズを封入した限定モデルとなっている。
スペシャルグッズは「ドッグタグ型キーホルダー」、限定モデル専用カラーの「ABITAX製専用ケース」を専用化粧箱で同梱。キーホルダーと専用化粧箱には、イラストレーター・藤ちょこによる、オリジナル書き下ろしイラスト入り。
本体側面にもロゴが入り、電源LEDも専用のミクカラーを採用している。THETAと言えば“ちゅいん♪”と言う独特なシャッター音が印象的だが、ミクシータでは特別仕様のオリジナルシャッター音を採用している。
また、先着3,939台まではキーホルダーに本体と同じシリアルナンバーが刻印される。
なお、THETA SC自体は、360度の動画(1,920×1,080ドット/30fps)も撮影できるが、今回の“ミクシータ”で楽しめる初音ミクのコンテンツは静止画のみ。それでも後述する通り様々なポーズをとったりできるので、いろいろなシチュエーションが作れそうだ。
特にTHETAの基本アプリとは別に新しく用意された「RICOH THETA SC Type HATSUNE MIKU」(以下THETA MIKU)というアプリでの編集加工が非常に面白いので、今回はミクシータと、THETA MIKUアプリの使い方について、作例を交えながら紹介していこう。
ちょっとした工夫次第で、実在感のあるミク360度写真。カフェデートも
作成の手順としては、THETA本体で撮影した360度写真を元に、THETA MIKUアプリで編集するという流れだ。撮りたいシーンに合わせた撮影のコツなどは後ほど説明するので、まずはTHETA MIKUアプリでできることを紹介する。
THETA MIKUアプリを立ち上げると、編集したい360度画像を選択して読み込む。ここでミクシータ以外のカメラで撮影した画像を選択するとアラートが表示される。本アプリはミクシータ専用でありTHETA S/SC/Vなどのモデルでは使用できないので注意したい。
ただ、ミクシータ本体を持っていなくてもアプリのダウンロードは可能なので、サンプル画像を使って編集を試せる。
画像選択からサンプル画像を開き、初音ミクを配置したい大まかな場所を表示したら次へをタップ。これでミクが表示されるので、左側のメニューから各種設定をしていく。
最初はキャラクター選択。「ままま式 初音ミク」と「ままま式 雪ミク」から選択できる。
キャラクターが決まったらポーズの選択。キャラクターごとにそれぞれ55ポーズが収録されている。
あとは位置や大きさ、角度などを微調整していけば何となくそこに居る感は出てくるだろう。表情や目線の向きを変えられるのでバリエーションも豊富だ。
しかしベース画像によっては不自然な合成してる感が出てしまうかもしれない。ここで調整したいのがエフェクトの中にある「ライト」。ポイントとなるのが、ざっくりと明度を調整したあとに少しだけ彩度を上げ、色相でホワイトバランスを調整することだ。
影の位置や濃さは配置する場所の周囲に合わせてみよう。ベース画像の光源の位置や環境光に合わせるように設定すると、自然な感じで合成することができるだろう。
まずは、購入前に試せるサンプル画像と、ミクを合成したパノラマを作ってみた。
ミクシータの編集楽しい♪ #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
上記パノラマを見るとミクが2人合成されているのが分かるだろう。これは1人目を合成して一度保存し、その保存された画像を新規で開いて編集することで2人目を合成している。
この保存と読み込みを繰り返せば、ミクを何人でも増やすことが可能だ。一体一体合成することでそれぞれ個別にライトの設定ができるので、反射光なども考慮して調整すれば不自然さは軽減されるだろう。
ミクさんは何人? #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
ミクシータのベースはTHETA SCなので、マニュアルモードを使えば星空だって撮影可能だ。もちろんブレないように三脚は必須。下の作例ではISO 200、シャッタースピード15秒、ホワイトバランスを電球光2で撮影している。シチュエーションに合わせて表情を変えれば作品にメッセージ性を持たすこともできるだろう。
冬の空だね〜♪ #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
さらにtheta360.com投稿時に特別なハッシュタグを入力することで、桜やUFO、雪といったアニメーションを追加することも可能なので、試してみると面白いだろう。
使用できるハッシュタグ一覧は、THETAのサイトで案内されている。
あっ!UFOだ! #UFO3d #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
ここまでの作例はパノラマの世界にミクに登場してもらっただけだが、本気を出せばミクとのデートも実現できる。ということで、本気でカフェデートをしてみた。
実際の撮影風景は下のような感じ。さり気なくミクシータを固定して自然な感じを出そう。
テーブルに隠れる部分はマスク処理を施すのだが、この様な形状であればブラシよりも3Dマスクを使った方が簡単綺麗に処理できる。
ミクさんとカフェデート♪ #theta360 -Spherical Image - RICOH THETA
デートなのだから当然ドリンクは2人分を注文、パンケーキはひとつをミクとシェアしよう。
店や周りの客から見れば単に“おひとり様”かもしれないが、画面上ではちゃんとデートできているので何も問題はない。
今回の作例では全て自撮り棒を使用しているが、雲台部分が小さいものを選ぶと写り込みが少なくなる。またTHETAを構える高さは、首から胸くらいが自然で良いだろう。
なお、360度全て写ってしまうと顔出しNGの方は困るだろうが、アプリにはぼかし機能やミクスタンプも搭載されているので安心だ。
今回試した作例以外でも、デートを楽しんでみたり、自分の好きな風景にミクを重ねてみればきっと楽しいだろう。