レビュー

ついにスタート、ハイレゾ配信「Qobuz」使ってみた。アプリやマガジン、Roon連携も試す

Qobuz

いよいよQobuzがスタート

ついに、11月24日、ハイレゾ音楽のストリーミング&ダウンロード配信の「Qobuz」(コバズ)が国内で正式スタートした。1億曲以上の楽曲を、PCやスマホ/タブレット、ネットワークオーディオ機器、Roonなどのサードパーティ製音楽再生ソフトなどで楽しめる。

日本でのサービス開始にあたって、2005年以来、ハイレゾ配信サイト大手として多くのリスナーに愛されてきた「e-onkyo music」と統合されることになった。ダウンロード販売とストリーミング、どちらも手掛けるサービスということで、リスナーの利便性向上が期待されている。ストリーミングの利用料金は月1,480円から。1カ月間の無料トライアルも用意されている。契約できるプランは以下の通りだ。

【ストリーミング提供プラン】

  • ソロ 1アカウント 月額1,480円(年間15,360円/月額換算1,280円)
  • デュオ 2アカウント 月額1,980円(年間20,160円/月額換算1,680円)
  • ファミリー 6アカウント 月額2,480円(年間24,960円/月額換算2,080円)

もともと、Qobuzは2023年の12月にスタートする予定で、それに先駆けてe-onkyo musicでは2023年4月25日に一部音源の配信を終了。しかし、その後Qobuzのスタート延期がアナウンスされ、はたしていつ開始するのかと首を長くして待っていたファンの方も多いだろう。

筆者は、音楽ユニット「Beagle Kick」として珍しいハイレゾ音源をいくつか発表してきた。そんな中、e-onkyo musicでWAV、MQA、32bit音源の配信が終了したことは、少なからず影響を受けている。コンテンツ制作側として、提供するチャネルの一部が失われたこと、特にMQAに至っては他に国内でダウンロード販売する方法がない現実は、大きな衝撃ではあった。

そんな厳しい時期を忘れかけていた頃、ようやくQobuzが日本国内でローンチした。それも、期待していたとおりの「音がいいハイレゾストリーミング」として。

本稿では、10月24日に始まったばかりのQobuzについて、筆者が気になった機能面のふるまいを中心にまとめていきたい。

動作確認した環境は、以下の通りである。

  • Windows11のPC(Qobuz公式アプリ/roonによる連携)
  • iPad Pro M4(USB-C)
  • iPhone 12 mini(Lightning)
  • ネットワークトランスポート「DST-Lacerta」(公式アプリ「Taktina」)
  • YAMAHA AVアンプ「RX-V6A」

さっそく使ってみる

最初はWindowsのPCから。e-onkyo(Qobuz)からの「Qobuzがプレオープンいたしました」というメールを10月23日に受け取ったことで、アカウントの引き継ぎが可能になった。送られてきた当該メールからのリンクにアクセスして、アカウント引継ぎを完了。e-onkyoの購入履歴の移行もサクッと終わらせた。

Windows用アプリをインストールして、Qobuzのアカウント(e-onkyoのアカウントと同じメールアドレス/パスワード)でログインすると、e-onkyoでダウンロード購入したアルバムも閲覧できる。さっそく、気になるアーティストや、楽曲名で検索してみた。

まず、「サンプル」という表示が楽曲名に付与されているアルバムが気になった。再生しても、30秒で次の曲に移行してしまう。いろいろ調べていくと、「購入のみ」という種類に属するアルバムということが分かった。つまり、ストリーミングがまだ始まっていないが、Qobuzでダウンロード販売は実施している楽曲という意味だ。ストリーミングが始まっているタイトルは「アルバム」や「EPとシングル」に分類され、ストリーミングが行なわれていないタイトルは「購入のみ」に分類されている。例えば、同じアーティストでも、レコード会社によって「購入のみ」に分類されるアルバムもあり、サンプル試聴になってしまうケースも少なくなかった。

買ってないアルバムはサンプルになってしまう
買っているアルバムは再生できる
Beagle Kickの最新アルバムもサンプル
同じアーティストでもストリーミングの可否が異なる(レーベル違い)

Qobuzのストリーミングを契約すれば、全てのダウンロード販売タイトルがストリーミングで聞けると思っていた筆者は、まずここで驚いた。

もちろん、e-onkyoで購入済みのタイトル(購入履歴が正常に引き継げたもの)は、「購入のみ」に分類されていてもWindows用アプリでストリーミングが可能だ。iOSアプリでは、購入済みタイトルも30秒のサンプル試聴となる。いったんダウンロードすれば、フルバージョンで聴ける。ここはモバイルもPC側の仕様に統一してほしいところ。

iOSアプリでは、ダウンロードしないと購入済みでもフルで聞けない

本件は、Beagle Kickの配信業務担当としても、分かったことがある。あくまで日本の音楽コンテンツ配信者が確認出来た範囲でだが、詳細を説明しよう。

まず、「購入のみ」に属するタイトルは、e-onkyoで既に配信済みのアルバムやシングルだった。筆者は、Qobuzが日本で始まる前に、音源を預けているアグリゲーター(配信代行会社)に連絡を取り、手続きが可能かどうかの確認を行なっていた。回答は、「メタデータのアップデート」を行なえば、e-onkyoで配信していた音源がそのままQobuzのストリーミングでも開始できるというものだった。

つまり、実際にQobuz開始時点では、メタデータの更新は完了していなかったため、「購入のみ」の一覧にカテゴライズされていた訳だ。アグリゲーターへ事実確認も行なって、認識に誤りがないことをチェックしている。

筆者は、ストリーミング配信前にはそもそも検索に引っかからないと想定していたため、ここで混乱をしてしまった。なお、Beagle Kickとしては、楽曲クレジットやアーティスト情報、アーティスト画像なども含めて充実させたいと考えている。特にミュージシャンやエンジニアの一覧を配信で聴く人にも伝えたい。単にストリーミングを開始できればよいとは思っていないので、今しばらくお時間をいただく見込みだ。

まとめると、現状「購入のみ」の一覧に表示されているタイトルは、何らかの理由で権利者からストリーミング配信の許諾が下りていないか、まだ手続き中であるものと思われる。

「購入のみ」の一覧に表示されているタイトルは、何らかの理由で権利者からストリーミング配信の許諾が下りていないか、まだ手続き中なのだろう

Windows用アプリで音楽を聴いてみる

Windows用アプリの再生画面

Windows用アプリでハイレゾのタイトルを中心に、購入していないアルバムをスクランブルに再生してみる。

これはすごい。ため息が出そうなほど音がいい。比較できないのが残念で仕方ないが、mora qualitasに匹敵、もしくはそれ以上ではないかと感じる。「僕たちの聴きたかったハイレゾサブスクがここにある」 そんな一言をつぶやきたくなる。アルバムやシングルを次から次へと再生しているだけで幸せになれる。期待以上の音の良さに、長い間待ったモヤモヤも吹き飛んでいくようだった。

ただ、あくまで筆者の環境においてだが、Windows用アプリは挙動が不安定かもしれない。原因不明でアプリが落ちたり、オーディオデバイスの認識問題も頻発する。サンプリングレートが異なる楽曲を再生していると、突然落ちたり、「オーディオ出力に接続出来ません」や「他のデバイスが使用しています」といったエラーが出た。「再生可能な最高スペック」をMP3やCDに変更して、またハイレゾに戻して再生したらアプリが落ちることもあった。アプリが落ちたときは、アプリを再起動して復帰。デバイス関係のエラーは、USB-DACの電源を入れ直して復帰、あるいはアプリを再起動して復帰した。

Amazon Music UnlimitedではBulk Petを選んでいると排他モードを選択出来ない(高頻度でエラーになる)事例があったので、Bulk Petが影響しているかもしれないと考え、アイソクロナスに変更したが、多少安定したように見えたものの、前述の挙動は発生した。もしかしたら、SWD-DA15あるいはそのオーディオドライバーとの個別の相性なのか。アプリのアップデートで挙動が改善してくれたら助かるのだが。

Amazon Music UnlimitedではBulk Petと併用できない

細かいところで言うと、再生を停止したときに小さく「ブツッ」みたいなノイズっぽい音が出るのは気になった。ノイズとして聴こえるかどうかは、再生している楽曲や使っているDACにもよるだろうが、アプリ側でフェードするなどケアしてくれると理想的だ。

Qobuzアプリは、排他モードを選べるだけでなく、再生するソースに合わせて自動で出力サンプリングレートが切り替わる仕様だ。出力サンプリングレートが既定の形式(Win)やAUDIO MIDI設定(Mac)に依存する他社のサービスに比べ、この点で大きなアドバンテージがある。Windows用アプリでは、ASIOドライバーをオーディオ出力先として選び、排他モードをオンにすれば、OSのオーディオエンジンを介さずに各タイトルの本来のサンプリングレートでネイティブ出力が可能であるとみられる。専用ドライバーがなくても、「スピーカー(デバイス名)」を選べば、同様に再生が可能だ。

トップ画面からもオーディオ出力は設定できる
スペックの選択も可能
Windows用アプリで再生し、サンプリングレートが再生ソースに追従して変わるのが確認できた

他にもいくつかオーディオ周りの設定項目がある。筆者は再生前のバッファサイズは2秒間、キャッシュは10GBに設定した。特に設定起因の不具合は起こっていない。ネットワーク環境によっては、この値を大きめにすると快適に使えるようになるだろう。

キャッシュを30GBのままにするかは考え物かも……

逆にありそうでなかった設定項目は「ラウドネスノーマライズ」だ。Appleにおける「音量を自動調整」、Amazonにおける「ラウドネスノーマライゼーション」にあたる機能である。これらは、聴感上の音量を数値で表すラウドネスという指標を基に、異なるアルバム間でも聴感上の音量が大きく変わらないように自動でレベルを調整する機能だ。基準となるラウドネス値より大きな楽曲のレベルを下げるだけであり、音量の圧縮(コンプやリミッティング)を掛けている訳ではない。サービスによっては、基準ラウドネスより小さな楽曲のレベルを上げることもある。

Qobuzではオートプレイ機能が別の楽曲を自動再生してくれるのだが、ハイレゾの次に知らないCD音源が再生され、大きめの音が出て驚くことがあった。うるさい曲がうるさいままかかるというのは、ラウドネスノーマライズが働いてないことを示唆している。設定項目もないので、機能そのものがないと考えられるが、公式プレイリストが数多く公開されているのに、音量の自動調整がないのはリスナーの快適性を損なうともいえる。個人的には搭載しつつ、有効/無効を設定できるようにして欲しい。

iPhoneやiPad、サードパーティの音楽再生ソフトでも使ってみる

再生するソースに出力サンプリングレートが追従して切り替わるという仕様は、iOS端末でも確認出来た。搭載している出力ポート(Lightning/USB-C)によらず、48kHz/96kHz/192kHzと切り替わることをDAC側のインジケーターでチェックしている。サンプリングレートが48kHz(USB-C接続のiPadで、DAC接続時「ヘッドフォン」を選ぶ)や192kHz(USB-C接続で「その他のデバイス」を選ぶ/Lightningとの接続)に強制的に固定されてしまうAmazon Music Unlimitedと比べて、音質は満足のいくものとなった。

サンプリングレートが再生ソースに追従する

あまりPRされていないがQobuzはlast.fmという音楽に特化したSNSとの連携ができる。アカウントを持っていなかった筆者はlast.fmのアカウントを作り、Qobuz側からlast.fmの連携を有効にした。Qobuz側で何曲か聴いてみると、last.fmのホームページにお勧めが表示されたり、聴いた曲を元にしたサマリを閲覧することが出来た。Qobuzからもレコメンドを提案されるものの、last.fmのそれは内容が豊富で精度も高そうだった。

last.fmと連携しているところ
last.fmはQobuzで聴いた履歴がカウントされる

サードパーティ製の音楽再生ソフトとの連携もQobuzの魅力の1つだ。代表的なアプリはRoonとAudirvāna Studioだろう。

まず、Roonとの連携は、当初使用できない問題が発生していたが、10月25日時点で問題が解消された旨がQobuzよりアナウンスされた。筆者も解消後にRoonにQobuzのアカウントを連携させて、再生を試してみた。Windows用アプリと同じく、USBで繋げたDACをRoonの再生デバイスに指定して試聴してみる。

roonとの連携も成功

意外にも、Windows用アプリの方が音質は上だった。Roonはシグナルパスが無損失になっているのに、楽器音の粒立ち感がやや劣る。コーラスの緻密さ、メインボーカルの96kHzらしい立体感、空間の奥行き、分離の良さといった要素もWindows用アプリの方が良い。Roonの各種設定も見直して、余計な処理をしないように気を付けたが、同様の結果だった。

Roonについては、Roon Coreを担っているPCに直接USB-DACを繋ぐのであれば、QobuzのWindows用アプリの利用をお勧めしたい。やはり、Roon Ready対応デバイスで聴くことが順当ではないだろうか。特にQobuzに対応していないが、Roon Readyには対応している機器は、Roon経由でQobuzを楽しめるメリットが大きい。ただし、Roon Coreの端末は別途必要だ。

Qobuzは、Audirvāna Studioとの連携も可能だ。筆者は買い切り型のAudirvāna Originを所有していてサブスク型のStudioは未契約のため、試すことはできていない。Audirvāna の「カーネルストリーミング」は、WASAPIやASIOよりも音が良いので、Qobuzの音がさらに改善しそうだ。ちなみに、今Studio版を契約すると、2ヶ月間のQobuz無料延長トライアルが付与される。

YAMAHAの現行AVアンプもQobuzに対応しているので、リビングのRX-V6Aで試してみた。Amazon Music Unlimitedと同じく、MusicCastアプリからQobuzを選んでログイン、以降は特に問題なく選曲と再生が行なえた。

他の配信サービスと、音の違いは?マガジンが魅力的

Windows用アプリに戻って、今度はサービス同士の音質を比較してみる。Amazon Music Unlimitedのデスクトップ用アプリとQobuzのWindows用アプリで、それぞれ同じ音源を再生した。もちろん、両アプリとも排他モードは有効だ。

なお、以前レポートした通り、Amazon Music Unlimitedは、排他モードを使っていてもWindowsのサウンド設定の出力形式にサンプリングレートが依存するため、楽曲のサンプリングレートに合わせて逐一変更した。

USB-DACは、防音スタジオでリファレンスとして使用している「NEO iDSD」を採用。ヘッドフォンは「T3-03」を4.4mm 5極にリケーブルして、バランス接続で試聴した。

葬送のフリーレンのサウンドトラックより「A Well-Earned Celebration」。48kHz/24bitのハイレゾ版がAmazon/Qobuzの両方で配信されている。Amazonを聴いてから、Qobuzを聴くと、楽器のディテールが緻密になって、個々の分離も格段に向上。音場の空間は広く、開放感もある。音の粒が細かくシャキッと立っている点もリアリティを高めている。立ち上がりと立ち下がりがシャープで、生音らしさが存分に楽しめる。総合的にみて、同じハイレゾ音源とは思えないほどに違う。

試しにAudirvāna OriginでローカルのSSDに保存している「ダウンロード販売で購入した同じ音源」を試聴してみた。条件を近づけるため、独自のカーネルストリーミングではなくASIOにて再生を試みる。まず、楽器の実在感が増した。音に厚みが出て生命力が宿ったようだ。空気感は、最初の音の入りですぐ分かるほどの明確な差だ。アコーディオンやフィドルの音色は有機的な質感を帯びている。フォーマットは、圧縮率の違いはあるかもしれないが、同じFLACだ。聴いた感じ、大幅にQobuzの音が劣るという訳ではないので、アプリによる音質差が出ている可能性もあるだろう。

ネットワークトランスポート「DST-Lacerta」

さて、我が家では大本命ともいえる、ネットワークトランスポート「DST-Lacerta」でのチェックをやってみよう。DST-Lacertaは、ITF-NET AUDIOの技術を採用することで、Amazon Music Unlimitedの音質を飛躍的に向上させた。従来のAmazon Music対応機器の音質に物足りなさを感じていた筆者も、目が覚めるような高音質に「Amazonもいいじゃん!」と評価を改めた。

そんなストリーミング優秀マシンのDST-Lacerta。きっとQobuzも良好な結果が得られるに違いないと期待した。サービスイン前は、公式アプリのTaktinaからQobuzを選択すると、一瞬ログイン画面が表示されるものの、日本で開始されていない旨のエラーが表示されていた。今回は、ちゃんとQobuzの日本語ログインページにアクセスできる。Amazon Music UnlimitedとQobuzで同じフォーマットで配信されている楽曲を探し、再生リストに加えた。注意深く、両者を聴き比べてみる。

白状すると、きっとQobuzが上だろうという先入観を持っていた。しかし、よくよく聴いてみると、音数の多いポップスなどでは、ほとんど違いが分からない。思わず、「違うと言えば違うけど、サービスごとのわずかな個性の差かな?」というコメントが漏れそうなくらいにどっちも音がいい。

音数の少ないバラードを聴けば、若干Qobuzの方が時間軸上の解像度が改善した気はした。楽器の音像が立体的になって、奥行きが少々改善し、分離が良くなった。ただ、注意深く比較しないと分からないレベルの差でしかない。

結論としては、ITF-NET AUDIOは徹底的にビットパーフェクト=高音質再生にこだわっている――だから基本的には差が無いと言っていいレベルに整えられているのだろう。

むしろ、ダウンロード購入した同じ楽曲をNASから再生した方が音質は良くなる。AmazonかQobuzか、音質差で悩むくらいなら、ダウンロード購入した音源をオーディオグレードのNASに保存して、LANケーブルや各種ノイズ除去アクセサリーにこだわった方が幸せになれるだろう。

Amazon Music Unlimitedは膨大な楽曲ラインナップと歌詞表示、Apple Musicは歌詞に加えてMVなどの充実度、Qobuzはクレジットやマガジンなどの情報面、といったそれぞれに特徴があり、今後も発展していくだろう。PCMフォーマットによる配信は共通だが、AppleとAmazonには空間オーディオもある。今回分かったのは、環境によっては、Qobuzが音質的に有利になるケースがある、ということだ。

ザッと回遊したところ、マガジンは土方久明氏の連載をはじめ、インタビューなど骨太の記事が読めるし、各楽曲のクレジットは作詞・作曲に加えて、編曲者やミキシングエンジニアまで表示されているタイトルもあった。アルバム情報やアーティストプロフィールには、CDジャーナルが保有するデーターベースを転載しているケースが多く見られた。些細な情報のようでいて、音楽の作り手や制作の背景にまで関心が高まるQobuzの方向性は大いに歓迎したい。読んでいて、「そうだったのか!」という発見があることも。ストリーミングサービスを楽しみながら、学びや気付きももらえるなんて思ってもみなかった。

「曲の詳細を表示」でミキシングエンジニアまで!
1年以上前の音源でもCDジャーナル経由の紹介文が
1年以上前の音源でもクレジット充実している

余談になるが、再生アイコンをタップしてから、実際に音が鳴るまでにどのくらい待つ必要があるのか、Amazon Music UnlimitedとQobuzで同じ楽曲をストップウォッチで計ってみた。48kHzのハイレゾ音源は、1回目はAmazon 5.27秒、Qobuz 6.22秒だったのに対し、2回目の再生はAmazon 4.22秒、Qobuz 4.36秒と短くなった。96kHzの音源では、Amazonが6.37⇒6.49⇒6.44秒とあまり変わらなかったのに対し、Qobuzが5.91⇒4.71⇒5.70秒と変動があった。手押しのストップウォッチなだけに、筆者の反応速度のブレもあったろう。時間的な都合もあり、これ以上の厳密な測定などは省略した。ちなみにNASの音源は再生アイコンのタップと同時に音が出る。

なお、筆者の環境では、リビングの親機から無線中継機を介して、ネットワークスイッチ、DST-Lacertaと繋がっている。親機に直接接続すれば、多少早くなる可能性はありそうだ。

機能面の気になる点・面白い点は、掘っていけばまだまだありそうだが、本稿ではいったんここまでとして、筆者のサービス開始に合わせた緊急レポートとしたい。Qobuzは、アプリの安定性や楽曲ラインナップなど、まだまだ課題も見える。しかし、音質の良さというハイレゾストリーミングで特に重要な要素を期待どおりのクオリティで上げてきた点は、諸手を挙げて歓迎したい。マガジンの充実など、Qobuz独自のサービスにも引き続き注目だ。

橋爪 徹

オーディオライター。音響エンジニア。2014年頃から雑誌やWEBで執筆活動を開始。実際の使用シーンをイメージできる臨場感のある記事を得意とする。エンジニアとしては、WEBラジオやネットテレビのほか、公開録音、ボイスサンプル制作なども担当。音楽制作ユニットBeagle Kickでは、総合Pとしてユニークで珍しいハイレゾ音源を発表してきた。 自宅に6.1.2chの防音シアター兼音声録音スタジオ「Studio 0.x」を構え、聴き手と作り手、その両方の立場からオーディオを見つめ世に発信している。ホームスタジオStudio 0.x WEB Site