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かぐや様、わたてんなどの注目アニソンを聴く。作品の魅力を高める良曲たち
2019年4月2日 07:00
2019年1月期に放送されたアニメから、音楽的にも音質的にも注目のアニソンを紹介していこう。アニソンは5分くらいで聴ける手軽なコンテンツだ。聴けば作品を思い出し、また見返したくなって“好き”が膨らむ。せっかくならいい音で聴いてみてほしい。
CIRCLET PRINCESS ED主題歌「Circle-Lets Friends!」(96kHz/24bit)
DMM GAMESが手掛けるブラウザ&スマホ向けゲームのテレビアニメ版。MR(ミックスドリアリティ)が普及した近未来で人気スポーツとなった「サークレットバウト」に女子高生たちが励む美少女スポ根もの。友情と熱血だけに留まらないサークレットバウトをめぐる細かな伏線(謎)も魅力だ。キープレイヤーとなる相沢歩は、丈の長い白衣ひきずっている姿が実に可愛い。
黒須克彦氏が手掛けるエンディング曲を歌うのは、オープニング担当の橋本みゆきに加えて、佐咲紗花、美郷あき、CooRie、yozuca*、Minamiと目を疑うような黄金メンバーが名前を連ねる。まさに鉄壁の布陣。もっと話題になってもいい。2000年代のPC向け美少女ゲームファンにとっても感慨深い1曲ではなかろうか。
打込みトラック中心の楽曲ながら、レンジは前後左右に大きく、躍動感がある。中低域は余計な量感アップを図ることなく、他のトラックとのバランスも整っていて聴きやすい。たまにCDのPOPSでは中低域が大幅にブーストされていて、ダイナミクスもレンジの広さも台無しになっている作品に出会うが、これなら音量を上げても気持ち良くリズムに乗れる。そして、注目ポイントは何と言っても歌姫たちの声だ。特にソロパートは、空気感と情感表現の細かさにより歌姫達が間近に感じられて、20代のころの自分に教えてあげたいと思ってしまった。つくづくいい時代になったものだ。
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・V.A./ Circle-Lets Friends!
私に天使が舞い降りた! OP主題歌「気ままな天使たち/ハッピー・ハッピー・フレンズ」(48kHz/24bit)
椋木ななつによる、コミック百合姫連載の同名漫画が原作のテレビアニメ。コミュ障な大学生みやこと、天使のような小学生たちがお菓子を食べながら時々コスプレする、ほのぼのコメディ。
百合要素はライトに描かれ、キャラの魅力にハマりやすい作りが秀逸。最初、みやこの素性が分からず、数話経ってから「実は大学生」という衝撃の事実が判明し、本気で心配になったのは筆者だけではないだろう。劇伴を「月がきれい」などを手掛けたピアニスト伊賀拓郎が務め、オープニングとエンディングのアレンジも担当。多くのヒット曲を生み出すWEST GROUNDも編曲に関わっているとあって、今期最も注目されたアニソンのひとつ。歌唱は主演声優のユニット・わたてん☆5だ。
天使たちの可愛すぎる歌声が、テレビ放送より緻密で密度感のある音で聴こえてくる。ボーカル定位の変化はより明確になっていて分かり易く、その切り替わりはヘッドフォンで楽しみたい。カップリングのED主題歌は、ご機嫌なブラスと快活なドラムが演奏をリードするスゥイング風のパーティーチューン。これはスピーカーでこそライブ感を味わえる。特にブラスの音は空間に解き放った方が抜け良く気持ちいい。
ところで、CDの44.1kHz/16bitに対して、わざわざ48kHz/24bitのハイレゾで聴く必要はあるのか、と疑問を抱く方もいるかもしれない。正直に言えば、48kHz制作の音源はマスタリングの違いに期待してしまう部分を否定はしない。そもそものミックスが良いという前提なら、ハイレゾ向けのマスタリングによって質感表現やダイナミクスはCDよりクオリティ面で有利だ。マスターそのままのビット深度は生音の実在感を大きく高める。
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・ わたてん☆5/ 気ままな天使たち/ハッピー・ハッピー・フレンズ
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ OP主題歌「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」(96kHz/24bit)
週刊ヤングジャンプ連載の本作は、既にアニメ化前から多くの方の知るところだったと思う。滑稽なまでの恋愛頭脳戦は、ラブコメとしても斬新で熱量の伝わる作品だ。アニメ化は筆者の期待を遥かに超えていた。特筆したいのは、ナレーションの素晴らしさ。文字のみでも十分に面白いのだが、声優の青山穣氏の声が入ると何乗倍にも楽しさが増す。声に滲み出るドヤ感すらも面白さのスパイスになっているのがプロの技だ。
オープニングはアニメタイアップが自身初となる、ラブソングの王様・鈴木雅之。ゲストボーカルは、女優の伊原六花。作詞・作曲にはいきものがかりの水野良樹が参加している。ファンキーかつポップなアレンジ、情熱的なボーカルが心に残るナンバーだ。
ハイレゾ版は、生音の質感をできるだけ残したナチュラルな仕上がり。ダイナミクスも大きく、音量を上げても耳障りな帯域もないから、ミックスの技巧はかなりのものだ。
驚いたのは、テレビ放送では気付かなかった男女ボーカルの処理の面白さ。男性ボーカルは、色気と量感たっぷりに中央に定位。女性ボーカルは、男性と背中合わせのようなイメージでさりげなく奥に配置。96kHzのオリジナルレートは、レンジの広さを最大限活用できる。ミックスの意図を忠実に受け取れるのもハイレゾの魅力の一つだ。
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・鈴木雅之/ ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花
「ゼノブレイド2 黄金の国イーラ オリジナル・サウンドトラック」(96kHz/24bit)
アニソンではないが、Nintendo Switchのゲーム「ゼノブレイド2」の追加コンテンツとして制作された楽曲収録のサントラを紹介したい。本作は配信限定であり、ハイレゾ版はmoraが一週間早く先行発売を開始。筆者は、mora主催の購入者スペシャルイベントに参加できたので、乃木坂のソニーミュージックスタジオに足を運んだ。スタジオ設備を使った試聴&トークライブとあって普段体験できない非現実空間に参加者は圧倒されていた模様。
作曲の光田康典氏が「できれば、ハイレゾで聴いて欲しい。細かい所までこだわって作っているので、それを楽しんでいただければ」と語っていたのが心に残る。作り手の温度感が分かるような生々しいエピソードが多く披露され、満足度はとても高かった。終演後のTwitterを見ていると、制作サイドが深いこだわりを持って音楽を作っていることが分かり、ハイレゾの良さを実感した人が少なくなかったようだ。
実際にハイレゾ版のサントラは、ゲーム未体験の方でも良質な音楽集として楽しめる極上の仕上がり。ジャズのテイストを取り入れており、アコースティック楽器がこれでもかと投入されている。アドリブまで入る超絶技巧の生演奏は、伸びのいい高域と密度のある低域に支えられている。生音の純度が高く、ダイナミクスもライブさながらの迫力。ストリングスやドラムは音場の深さも相まって立体的。レコーディング現場の音響空間をリアルに感じさせてくれる。スピーカーを使って部屋に音を解き放った方が、演奏の一体感やグルーブがより分かり易かった。
ハイレゾの面白さを伝えるときに、作り手側の言葉というのは説得力があり、アーティストの一言は本当に重みを持つ。もし皆さんの応援しているアーティストがオーディオとコラボしていたら、できるなら1度体験していただきたい。作り手にとって、ベストな音源を聴いていただけることは、伝えたい想いをファンに正確に届けられる喜びでもあるからだ。
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・光田康典、ACE(工藤ともり、CHiCO)、平松建治、清田愛未/ゼノブレイド2 黄金の国イーラ オリジナル・サウンドトラック
- NAS「Soundgenic RAHF-S1」SSD 1TB (アイ・オー・データ機器)
- ユニバーサルプレーヤー(ネットワーク再生)「BDP-103DJP」(OPPO Digital Japan)
- AVアンプ「AVR-X6300H」(デノン)
- スピーカー「RUBICON2」(DALI)
【使用機材】