西田宗千佳のRandomTracking
第409回
大画面&有機ELのiPhone XS/XS Max実機を体験。コスパのXRが魅力?
2018年9月13日 12:10
6月12日(現地時間)、アップルはiPhone XS/XS Max、iPhone XRと新しいApple Watchを発表した。発表会後開催された実機のハンズオンレポートをお送りする。新製品のスペックなどは、公開済みのニュースを併読していただけると幸いだ。
iPhone 8 Plusがさらに「大画面」になったiPhone XS Max
今回発表されたのは、「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」の3モデルと、「Apple Watch Series 4」。iPhone・Apple Watchともに、日本でも9月21日より発売になる。
まず、ハイエンドモデルである「XS」および「XS Max」からいこう。
iPhone XSは、現行モデルであるiPhone Xと同じく5.8インチOLEDを使っており、デザイン的にもほぼ変化がない。ほぼ唯一の違いは、上の面にアンテナ分割バーがあることくらいだ。アンテナ分割バーの存在は、XS Maxも同様である。
カラーバリエーションは「シルバー」「スペースグレイ」「ゴールド」の3色。中でも目立っていたのは、新色であるゴールドだ。iPhone 8のゴールドとは違い、光沢の強い金と真鍮の間のような色合いで、かなり高級感が高い。
XSとXS Maxのデザインテイストはほぼ同じで、サイズだけが5.8インチと6.5インチと変わっている。あまりに似ているので、単品で見ているとXSかXS Maxなのかわからないくらいだ。Face ID用のTrueDepthカメラなどが搭載されている、「ノッチ」の部分のサイズなどが変わらないので、正面から見たときのイメージもあまり変わっていない。
XS Maxは、ディスプレイが「6.5インチ」になるため、サイズが相当大きくなった。とはいえ、実際のサイズは、今のiPhone 8 Plus(5.5インチ)とほとんど変わらない。ボディサイズは同じで、画面全体がディスプレイになったというイメージだ。iPhone 8 Plusに比べると若干薄くなった分、持ちやすいと感じた。
なお、iPhone XやiPhone 8 Plusにもあった、「キーボードを左右に寄せる」機能は、もちろんiPhone XSやXS Maxでも利用できる。
動作速度などは一見して「速くなった」と思えた。だが、今回のパフォーマンスアップがもっとも大きく反映されているのが、写真と動画の撮影だ。ハンズオン機器内に入っていたデモ映像を見る限り、光の表現力がかなり変わっている。その辺りの話は、後日実機レビューをお届けする際に、改めて確認したい。
ディスプレイの品質は、iPhone X同様良好だ。色域などに改善が見られたように感じるが、そこは動作速度同様、改めて確認したいと思っている。
その場で確認できた点で、特に効果的と思えたのは、動画撮影用のマイクがステレオに変わったことだ。これまで、iPhoneでの動画撮影のマイクはモノラルだったため、外付けマイクを使う人もそれなりにいた。今回から、広がりのある音が撮影できるようになった点はありがたい。
実は今年の目玉?! 「iPhone XR」はカラバリとコスパが魅力
iPhoneの中でも変化が大きいのは、普及モデルにあたる「iPhone XR」だ。6色のカラーバリエーションがあることから、会場内でもかなり目立っていた。
サイズを並べてみると、XS・XR・XS Maxの順に大きくなる。XRはXSやiPhone Xよりも一回り大きく、若干「額縁」が感じられる。厚みもiPhone Xよりも厚い。
だが、そうした印象も「並べてみた時」に感じること。単体で持つとまるでiPhone Xのようである。液晶ディスプレイになり、解像度も落ちているのだが、そこまで画質が落ちたようには感じられない。ボディーカラーもどれも良い色で、好印象だ。
短時間だが、カメラを触ってみて驚いたのは、メインカメラが「単眼」にもかかわらず、けっこうしっかりと「ボケ」が出ていることだ。この辺は、やはりもう少し実際に試してみたいと思わせる。単眼のカメラでもソフト処理でこのくらいできるということは、搭載されたプロセッサーである「A12Bionic」でのマシンラーニングでの処理がかなり優れている、ということなのだろう。
Apple Watchはハード大幅進化、コンパクトだが機能満載に
今回の新製品の中でも、ハードウエア的にもっとも大きく変化したのは「Apple Watch Series 4」だろう。
従来38mmと42mmだったボディは、40mmと44mmに変わった。だが、ボディサイズは過去より大きくなったわけではなく、ディスプレイサイズが大きくなったのである。そのため、バンドなどは過去のものがそのまま使える。ディスプレイサイズ変更の影響は大きく、見た目的にもずいぶん変わった印象を受けた。従来は「大きい方がいい」と42mmをつけていた人でも、今回は「40mmでいい」と思う人もいそうだ。
Digital Crownが改良され、触感でメニュー操作がわかるようになった他、ソフトウエアとの連携により、心拍変動の記録も行えるようになっている(ただしこちらは、関係機関との調整や認証が必要なので、日本で正式に使えるようになるまでには少し時間がかかる)。そのため、Digital Crown周りのデザインも変更になっている。