トピック

最新テレビリモコンはコレだ!! Netflix、アマプラ、ABEMAボタンが席巻

夏商戦を前に、テレビメーカー各社の最新モデルが発売され始めた。

2021年モデルは、人工知能を活用して画質性能を高めた最新映像技術、PlayStation 5・Xbox Series Xの人気ゲーム機をフルサポートするHDMI2.1対応などが目玉機能となっている。数年前に比べ、4Kチューナーを搭載した有機EL・液晶テレビの価格もだいぶこなれてきているし、外出しにくい状況で「やっぱり大きくキレイな画面でドラマや音楽、スポーツ、映画を楽しみたい」と考えている方は、旧型を買換えるいいタイミングと思う。

そんな“最新テレビ”というと、映像や音が前のモデルからどう進化したとか、どのような新しい機能が増えたか、またはデザインがどう変化したか、などに目が向きがちなのだが、地味に進化しているのが「リモコン」だ。

リモコンをテレビの受光部に向けて操作しなければならなかった赤外線通信から、向けずに操作できるBluetoothにも対応したり、以前は存在しなかった「マイク」や「ネット動画」といった新しいボタンが目立つ場所に配置されたりと、エコポイントや地デジ特需でテレビが売れた10年前のリモコンとはだいぶ様変わりしている。

2010年発売のソニー・ブラビア「HX900」シリーズなどに採用されていたおき楽リモコン

というわけで今回は、ネット動画ボタンの解説を中心に、各社最新テレビの付属リモコンをまとめてみた。ネット動画ボタンは、サービス会社が一定の代金をメーカーに支払うことでリモコンに専用ボタンを設置しているため、比較的短いサイクルで入れ替えも起きやすい。いまどの動画配信サービスが勢いがあるのか? という定点観測としても使えるだろう。

後半は番外編として、Amazon Fire TVやChromecast with Google TV、J:COMのセットトップボックスリモコン、Play Station 5専用リモコンも取り上げた。なおLGや三菱、FUNAIのテレビに関しては、'21年モデルが未発表のため、今回は割愛した。

ソニー・ブラビアのテレビリモコン

写真左が'20年モデル(A8H/A9S/X9500Hなど)のリモコン。右が'21年モデル(A90J/A80J/X95Jなど)のリモコン

ソニー・ブラビアのリモコンは、Bluetooth接続でテレビに向けず操作できるのが特徴。電源ON/OFFと、電源OFF状態からチャンネルボタンで電源ON+選局できる「チャンネルポン」だけは赤外線を利用している。

リモコン上段には、白ボタンで「Hulu」「Netflix」「U-NEXT」「Amazon Prime Video」「ABEMA」「TSUTAYA」「YouTube」のネット動画ボタンを配置。'20年リモコン(写真左)からは、「Prime Video」ボタンが追加されている。IMAX Enhancedコンテンツを配信するTSUTAYAのボタンがあるのは、ブラビアだけ。

リモコン中央には、声で番組検索や機器の操作が行なえる「Googleアシスタント」ボタンを用意している。

パナソニック・ビエラのテレビリモコン

写真左が'20年モデル(HZ2000/HX950など)のリモコン。右が'21年モデル(JZ2000/JX950など)のリモコン

パナソニック・ビエラのリモコンは、2021年モデルで大幅変更が行なわれた。

リモコンの左側から“タブ”が飛び出したような独自デザインから、一般的なストレート型デザインになった。タブ型デザインは2003年8月にT(タウ)からVIERA(ビエラ)へとサブブランド名を変更した時から長年継承されてきたもので、実に18年振りの大幅改定。

伝送方式もBluetoothに対応。ペアリングされていない場合は通常の赤外線通信となる。ただしその場合は、音声操作はできない。

従来設置していた「ABEMA」「Netflix」のネット動画ボタンは、デザインを統一してリモコン下部に配置。新たに「Amazon Prime Video」「Hulu」「U-NEXT」「Rakuten TV」を追加した。YouTubeボタンはない。また、主要テレビメーカでRakuten TVボタンを用意するのはビエラだけだ。

シャープ・アクオスのテレビリモコン

写真左が'20年モデル(CQ1/CN1など)のリモコン。右が'21年モデル(DS1/DN1など)のリモコン

シャープ・アクオスのテレビリモコンも、約4年振り(UH5)にデザインを変更。従来のツートーン(写真左)からブラック一色になり、ネット動画ボタンも上段に集約された。方式は赤外線通信とBluetooth。音声操作時はテレビとのペアリングが必要になる。

デザイン変更に合わせ、ネット動画ボタンも増設。従来の「YouTube」「Netflix」「Amazon Prime Video」に加えて、新たに「U-NEXT」「Hulu」「ABEMA」「Paravi」ボタンを追加した。注目はTBS、テレビ東京、WOWOW系列の番組を中心に扱うParaviの導入で、主要テレビメーカでParaviボタンを搭載するのは初めて。

なお、電源ボタン横の「ココロビジョン」からは、おすすめのネット動画やテレビ番組に加えて、COCORO HOMEに登録したAIoT家電からのお知らせなどを通知してくれる独自の無料サービスが楽しめるようになっている。

TVS REGZA・レグザのテレビリモコン

写真左が'20年モデル(X9400/Z740Xなど)のリモコン。右が'21年モデル(X9400S/Z740XSなど)のリモコン

レグザのテレビリモコンは、2021年モデルからデザインが変更された。

ボディには、黒を基調としたメタリック材質を採用。ボタン文字を白に変更することでコントラストの付いた見やすいデザインにしている。また背面にはくぼみを設け、手が小さいユーザでも握りやすいグリップ形状と表面素材とした。

おすすめ番組などに新設による、ボタン配置の入れ替えや字幕ボタンの削除など、細かい変更が行なわれているが基本的なボタン配置は20年モデルを継承。ネット動画ボタンも「ABEMA」「Netflix」「Hulu」「U-NEXT」「YouTube」「Amazon Prime Video」で変わらない。

ハイセンスのテレビリモコン

'21年モデル「A6G」シリーズのリモコン

ハイセンスが今年2月より発売している、4K液晶テレビ「A6G」シリーズに付属するリモコン。

ネット動画ボタンは、「Netflix」「YouTube」「Amazon Prime Video」「Hulu」「ABEMA」「U-NEXT」。

TCLのテレビリモコン

'21年モデル「32S5200A」のリモコン

TCLジャパンエレクトロニクスが今年4月より発売している、HDR対応2K液晶テレビ「32S5200A」に付属するリモコン。

ネット動画ボタンは、「Netflix」「Hulu」「U-NEXT」「ABEMA」「YouTube」。リモコン中央には、「Googleアシスタント」ボタンを備える。

番外編~セットトップボックスやPS5専用リモコンなど

Amazon・Fire TV Stickのリモコン

Alexa対応音声認識リモコン(写真左)と、第3世代のAlexa対応音声認識リモコン(右)

Amazonが発売するスティック型端末「Fire TV Stick」向けのリモコンも、'21年に第3世代へと進化した。

コンパクトなサイズはそのままに、リモコン下部に「Amazon Prime Video」「Netflix」「DAZN」、そして「Amazon music」という、ネット動画・音楽サービスのダイレクトボタンを新設した。

新型リモコンは、Fire TV Stick(第3世代)、Fire TV Stick 4K、Fire TV Cube(第2世代)、Fire TV Stick(第2世代)、Amazon Fire TV(第3世代)に使用可能。2015年発売のFire TV Stick(第1世代)、Amazon Fire TV(第2世代、第1世代)には対応しない。

Google・Chromecast with Google TVのリモコン

Chromecast with Google TVのリモコン

Googleが発売する、ストリーミングデバイス「Chromecast with Google TV」の小型リモコン。「YouTube」「Netflix」のネット動画ボタンを備える。

SIE・PlayStation 5向けのメディアリモコン

PlayStation 5向けのメディアリモコン

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが発売する、PlayStation 5向けのメディアリモコン。アプリやコンテンツ、テレビなどを直感的・スムーズに操作できるのが特徴。

「Disney+」「Netflix」「YouTube」、そして「Spotify」という、ネット動画・音楽サービスのダイレクトボタンを備える。Disney+ボタンを備えるリモコンは、このメディアリモコンだけ。

阿部邦弘