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レグザ、“自然で美しい人肌”のフラッグシップ4K有機EL「X9400S」

4K有機ELレグザ「X9400Sシリーズ」

TVS REGZA(旧東芝映像ソリューション)は、自然で美しい人肌を再現するナチュラル美肌トーンを搭載した、タイムシフトマシン4K有機ELレグザ「X9400Sシリーズ」を4月30日より発売する。65、55、48型の3サイズを用意。価格は全てオープンプライスで、店頭予想価格は26.5万円前後(48型)から。

4K有機ELレグザ「X9400Sシリーズ」
65型「65X9400S」 52万円前後 4月30日発売
55型「55X9400S」 36.5万円前後 同上
48型「48X9400S」 26.5万円前後 同上

2020年発売の最上位「X9400」をベースに、画質や音質、使い勝手を強化・改善したレグザ15周年モデルの第2弾。型名末尾のSは、Special editionを意味する。

今年春に発表・発売した4K液晶「Z740XSシリーズ」で採用した“ナチュラル美肌トーン”が本シリーズにも搭載されており、4K放送から地デジ、ネット動画まで、従来以上に人肌を自然で美しく描写できるようになった。音質面では、新特性のクロスオーバーフィルターにより、音域の繋がりが向上。業界トップクラスの大出力サウンドも強化した。

なお、今春発売と案内していた48型「48X9400」は、X9400Sシリーズに切替えて発売。また旧シリーズの77型「77X9400」は今期も販売を継続するが、「後日ソフトウェアダウンロードによるナチュラル美肌トーンの追加を、前向きに検討している」とのこと。

4K有機ELレグザ「65X9400S」

放送からネット動画まで、自然で美しい“美肌”を描写

全サイズで、4K/3,840×2,160ドットの有機ELパネル(倍速タイプ)を搭載。独自のガンマ特性、輝度特性のレグザ専用チューニングを行なうことで高いコントラストと高い階調性を獲得。また65・55型パネルには、自社開発専用設計の高放熱インナープレートを有機ELセルとメタルバックカバーの間に挿入することで、より高いコントラストと高い階調性を実現した。

なお、48型にはパネルメーカー標準の放熱インナープレートを搭載しているという。

65型と55型に、高放熱インナープレートを搭載

映像エンジンは、最上位4K有機ELレグザ用に開発した「ダブルレグザエンジン Cloud PRO」を引き続き採用。自社開発のエンジンを2基用いることで、緻密な高精細処理と低ノイズ処理によって、高画質な描写を可能にした。

対応するHDR規格は、HDR10、HLG、Dolby Vision、HDR10+に加え、HDR10+ ADAPTIVEもサポートする。

ダブルレグザエンジン Cloud PRO

X9400Sシリーズで新たに追加されたのが、ナチュラル美肌トーン機能。

レグザがリアルタイムに映像内の人肌を分析し、撮影環境の違いや視聴環境の影響による人肌部分の不自然さを自動で補正。具体的には、“赤かぶれ”や“緑かぶれ”といったカラーシフトや、明部の失われた階調や色、シャドー部分の黒ずみ、ディテールの喪失などを検出・改善することで、人肌の立体感や質感が向上し、自然で美しい表情を再現する。

ナチュラル美肌トーン

ナチュラル美肌トーンは、放送向けの高画質化機能「地デジAIビューティPRO II」、およびネット動画向け「ネット動画ビューティPRO II」にも採用されており、人気のドラマや話題のネット動画を再生する場合にも、よりキレイな人肌で視聴できるようになっているという。

美肌トーンの機能化に関しては、レグザの映像ノウハウに加え、長年人肌の調査・研究を行なってきた埼玉女子短期大学・山田雅子教授の論文や知見が活かされている。

埼玉女子短期大学・山田雅子教授(写真左)と、高画質エンジン開発責任者の山内日美生氏

山田教授は「“美しさ”で重視するポイントは? という問いに対し、1位に内面、そして2位は肌という結果が得られたことが私の研究のファーストステップでした。そして肌に関して調査・研究を進めていく間に、人が心の中に抱く肌のイメージと、実際のそれとはズレがあること。またそのズレは経験値で個人差があるというのが分かってきました。また人が肌の美しさを感じる要素として、明るさや色味以外に、キメといったテクスチャが重要」と研究の内容を説明。

実際に仕上がったナチュラル美肌トーンに関しては「テクスチャをきちんと再現するのは高い技術が必要と思いますが、実際に映像を見て感動した。まさに自然な肌色になっていますし、質感がよく非常にリアル。画一的な理想ではなく、個人個人の肌が持つ美しさや魅力を引き出しながらも、違和感を感じさせない巧みな映像になっていると感じた」という。

従来品の55X9400(写真左)と、新製品55X9400Sの比較

視聴環境に合わせて画質を自動調整する「おまかせAIピクチャー II」には、ブルーライトカット機能を新搭載。電球色照明での視聴時は、コンテンツに応じた色温度調整を最適化する(色温度をより下げる)ことで、夜間に浴びると睡眠の導入を妨げるとされるブルーライトを約20%削減した(X9400比の場合)。

クラウドを活用した、レグザ独自の画質向上技術「クラウドAI高画質テクノロジー」も引き続き搭載している。

ナチュラル美肌トーンを、放送向けの高画質化機能「地デジAIビューティPRO II」にも採用
X9400と比べ、ブルーライトを約20%削減。

同社映像マイスタの住吉肇氏は、ブルーライトカットについて「部屋を200ルクス・電球色にして、24p系のコンテンツを再生したときに最適になるような色温度や輝度にパラメータを最適化した。その結果として、ブルーライトが低減されたものであり、ブルーライトをカットするために行なったわけではない」と説明。

またX9400Sシリーズの画質改善箇所については、「前機種X9400は、昨年末にソフトウェアダウンロードで画質アップデートを行なっている。具体的には映画プロモードのホワイトバランスや色補正などの見直し、暗部階調性の改善を実施した。標準・おまかせAIモードは赤の濃い部分の再現性を向上させている。X9400Sはこうした改善がベースにあるが、新モデルでは人肌のカラーシフトや最暗部の階調性をさらに追求し、最適化させている」という。

新リモコンに「おすすめ番組」のダイレクトボタン。HDMI入力は18Gbpsまで

業界トップクラスの大出力を備えたサウンドシステム「レグザパワーオーディオPRO」は、新しいクロスオーバーフィルターを使った第2世代へと進化。

65、55型ではフルレンジ×4、ツイータ×2、トップツイータ×2、ウーファー×2の10スピーカーと142Wものマルチアンプを引き続き搭載しながら、新特性フィルターが各スピーカーの音域のつながりを改善。「画面から出ているようなサウンドと重低音で、さらにナチュラルでリアルな高音質を実現」しているという。

音声マイスタの桑原光孝氏は「従来も急峻なフィルターを搭載していたが、新モデルではさらに急峻なフィルターを使っている。これに合わせ、クロスオーバー周波数の見直しや各ユニットのレベルの最適化も実施した。素の特性を向上したことで、イコライザーとの合わせ技により、従来よりも解像感・透明感の高い音が実現できた」としている。

なお48型においては、合計出力72W・6スピーカーシステムの「レグザパワーオーディオXD」となる。

高遮断クロスオーバーフィルターで音域のつながりを改善

市販スピーカーをテレビに接続することで、内蔵スピーカー的な使い方ができる「外部スピーカー出力端子」を引き続き搭載。20W×2(6Ω)の外部スピーカー専用高効率デジタルアンプに加え、大・中・小と接続するスピーカーのサイズに合わせたプリセットイコライジング機能も備える。

外部スピーカー出力端子

搭載チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。USB HDD(別売)を用意すれば、全録、通常録画が可能になる。地デジ/BS/CSは2番組の同時録画に対応、4K放送は1番組のみ録画できる。

放送済みの番組をさかのぼって見られるレグザ独自のまる録り機能「タイムシフトマシン」を搭載。「過去番組表」のほか、テレビ起動時やチャンネル選局時に気になる番組を見つけてもボタン1つでオープニングから視聴できる「はじめにジャンプ」、ジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」、4K放送番組も自動録画してくれる「おまかせ録画」にも対応する。

レグザのネットサービス「みるコレ」で好評だった“おすすめ番組”(旧おすすめ録画リスト)には、リモコンの専用ボタンからダイレクトにアクセスが可能。タイムシフトマシンや通常・自動録画された番組を対象に、好みのジャンル毎にサムネイルで一覧表示。またシーンリストから見たいシーンにすぐにアクセスすることができるようになった。

おすすめ番組
シーンリスト

視聴可能な映像配信サービスは、Netflix、Amazon Prime Video、YouTube、dTV、ABEMA、Hulu、TSUTAYA TV、DMM.com、U-NEXT、DAZN、Paravi、スカパー! オンデマンド、ひかりTV 4K、アクトビラ 4K、Rakuten TV。

リモコンのダイレクトボタンには、ABEMA、Netflix、Hulu、U-NEXT、YouTube、Amazon Prime Videoを用意する。

X9400Sシリーズでは、視認性を向上させた新レグザリモコンを同梱。本体のデザインカラーに合わせ、さまざまなリビングにマッチするように配慮したダークシルバーカラーとし、ボタン形状やカーソル、文字コントラストなどを最適化した。

新レグザリモコン

テレビとリモコンの両方にマイクを内蔵。テレビに向かって「オッケーレグザ、“○○を再生”」や「“○○”を観たい」などと話しかけるだけで、録画済み番組を再生したり、オンエア中の番組検索、選曲や電源オンオフといった操作も行なえる。またリモコンのボイスボタンを押してリモコンに話すことでも、番組の録画予約や文字入力ができる。なお、スマートスピーカー機能は引き続き搭載するが、天気の確認や音楽再生ができるAlexa機能はX9400Sシリーズではカットされた。

HDMI入力は7系統で、いずれも最大18Gbpsまでの映像信号に対応。HDMI2.1規格のサポートはALLMのみ。4K120pやeARC、VRRなどは対応しない。

HDMI以外のインターフェイスは、コンポジット映像・LRアナログ音声入力が各1系統。光デジタル音声出力、同軸デジタル音声出力、外部スピーカー出力ほか、ヘッドフォン出力を各1系統用意。USB端子は4系統。電源ケーブルは着脱式。

消費電力・年間消費電力は、65型が517W・240kWh/年、55型が413W・230kWh/年、48型が313W・223kWh/年。

スタンド含む外形寸法は、65型が145.7×29.6×86.2cm(幅×奥行き×高さ)、55型が123.4×27.9×73.6cm(同)、48型が107.6×27.9×64.8cm(同)。

4K有機ELレグザ「55X9400S」
4K有機ELレグザ「48X9400S」