プレイバック2023

またミラーレスで金欠。動画撮影三昧で超アクティブな1年 by 編集部 野澤

α7C II+FE 20-70mm F4 G+ECM-M1にSmallRigのケージ&ハンドルを取り付けて手持ち撮影がメイン

今年も気づいたら終わりが近づいていて絶望しました。昨年のプレイバックで「EOS R6」を購入してしばらくは安泰とか言っていたのに、動画撮影が主軸になって「α7C II」に買い換え、カメラ周りだけで50万円以上使っている現状にも絶望しています。メインPCもそろそろ買い換えを検討しなければいけないのでお金をください。というわけで、今年の散財記録です。

動画、本格始動? 結局αに乗り換えた

今年の初めにAV WatchのYouTubeチャンネルが始動し、本格的に動画も採り入れていくぞ!! という感じだったのですが、蓋を開けてみると、取材時に写真と動画を撮影し、記事を書きながら動画を編集。これがなかなか難しいです。

というか、映像系を生業としている友人に「なんか良いテクニック教えてくれ〜」と泣きついたところ、「そもそも無茶なことをしている」と怒られました。ごもっともです。

その日の取材先の記事と動画、といった同じ内容の組み合わせであれば問題ないのですが、完全に内容が異なる番組形式の動画の編集をしながらニュース記事も書いていたところ、脳細胞が徐々に減っていくような感覚を味わいました。“画面構成の思考”と“資料を見ながらの文章構成の思考”の切替がスムーズにいかない感じ。毎回脳内回路で火花が散って、ときには無量空処を喰らった人みたいに思考が停止していました。

カメラの方へ話を戻しましょう。静止画と動画を両方撮るということで、これまでカメラは「EOS R6」と「ZV-E10」を併用する形で動いていました。が、両方持っていると首は凝るわ、リュックは重いわでだんだんと億劫に。そして今年はソニーで動画撮影のレクチャー受けたり、ソニーのイベントに参加したりで「α7 IV」を借りて使う機会が多く、すっかりαシリーズが手に馴染んでしまい、メインカメラの乗り換えを決断。ちょうど良いタイミングで出現した「α7C II」を購入したという流れです。

小型で取り回しが良くて、ファインダーが付いていて静止画もイケる。しかもAIプロセッシングユニットを積んで、スペック面のベースモデルであるα7 IVに下剋上している。「うーん、今後のこと考えたら買うしかないかぁ」と手を出しました。業務的には本当にやりやすくなりました。強いて言えば背面のマルチセレクター(アナログスティックみたいなやつ)は欲しかったというのはありますが、他は満足です。

そしてR6は昨年買ったばかり……その前に使っていたEOS RPとの別れが故障だったので、趣味の物撮りを優先して高感度機を選んだという感じだったのですが、その後に「EOS R6 Mark II」が価格10万円アップで出てきたので、うまく滑り込めたかな、これで5年くらいは安泰だぜ、とか思っていたんですけどね。おかしいなぁ。

これまでずっとキヤノン機を使ってきていたので、レンズももちろん買い換え。α7 IVと一緒に借りて、動画撮影での使い勝手の良さに衝撃を受けた「FE 20-70mm F4 G」を購入しました。そしてついでに指向性が8種類も選べるマイク「ECM-M1」も、と気づけばなかなかな合計金額に。

お気に入りのシグマ「70mm F2.8 DG MACRO」はマウントコンバーター「MC-11」を挟んで使えるのですが、さすがに70mm単焦点レンズを仕事で使うのはちょっと厳しい。そもそも動画向けではないですしね、このレンズ。ただ趣味の静止画撮影ではがっつりメインレンズなので、いっそEマウントに交換してしまおうかなとも思っています。

意外だったのは、以前「EOS 70D」で使っていた「18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」が静止画であれば普通に使えること。R6で試したときは、さすがにちょっとキツいなという写りだったのですが、α7C IIのAPS-Cモードだと問題なく記事に使える画が撮れます。オートフォーカスでレンズがカチャカチャ鳴ってしまうので、こちらも動画撮影には使えないのですが、軽いことも相まって、今後も出番がありそうです。

動画的には「14-24mm F2.8 DG DN」も欲しいし、「70-200mm F2.8 DG DN OS」も気になっているんですよね。ガッツリ望遠はまだあまり使ったことがないので、「100-400mm F5-6.3 DG DN OS」もあると色々と幅が広がりそう。キヤノン機を使っている間はシグマのRFマウント対応をずっと待っていましたが、Eマウントに鞍替えしたので、使えるレンズの幅が広がり、レンズ沼にも落ちそうです。この仕事、本当にお金が飛んで行く……。

やっぱり買って正解だったFIIO「Q7」

持ち運ぶにはややデカいけど、機能は最強な「Q7」

今年前半の大きな買い物はFIIOのヘッドフォンアンプ「Q7」(実売139,950円)。前述のミラーレスや編集部のせいで感覚が麻痺してきますが、約14万円は普通に大きい買い物です。

イベント取材で「あれ、バランス出力できる自分の試聴機なくね?」と思ったのがきっかけだったのですが、ちょうど普段使いするヘッドフォンアンプもほしかったので、据え置きとして使えて、いざとなったら持ち出せるQ7がちょうどいいとこ取りだったわけです。

実際に聴いてみたら、イヤフォンやヘッドフォンの特徴がわかりやすい素直な音で出してくれるという、「まさに求めていたのコレじゃん!!」と即決。6.3mm、4.4mm、2.5mm、3.5mmで出力できて、同軸、光デジタル、USBで入力もできる。大抵のイヤフォン/ヘッドフォンはこれで鳴らせるので助かります。

据え置きで使うときはバッテリーを無効化してDC給電できるので、バッテリーが劣化しにくい。このDC給電は本当に求めていたところでした。編集部で借りていたDAC機能付きのDAPはバッテリーが膨らんだりしたので……。

半年ほど使っていますが、実は音楽鑑賞よりも、人の声がハッキリと聴きとりやすくなって、配信やボイスチャットで活躍しています。動画編集なども音まわりのチェックがかなり楽になりました。もちろん、ときどきヘッドフォンで音楽も聴いているので、持ち出せば同じアンプで有線の試聴ができて、イヤフォン/ヘッドフォン欲もさらに増していくばかり。低能率なヘッドフォンも1台欲しいですね。

今欲しいヘッドフォンは「MDR-MV1」なのですが、バランスケーブル込みで約7万円。Q7とα7C II一式、後述する旅行の影響で全然手が出せません。

業務だけで使うのであれば、必要なものを経費で購入すれば良いのですが、結局趣味に繋がる影響で、独占して使いたいからと自腹購入ばかり。私物を業務で使うという状況になるわけですね。いくらあってもお金が貯まらねぇ。

わりとアクティブに過ごした2023年

初海外でイタリアに行ってきました。多分ヴェネツィアはまた行きます

スポーツをガッツリやるわけではないですが、どちらかというと引きこもっていられない質なので、体調と相談しつつ山を登ってみたり、ひたすら散歩してみたりといったことをちょいちょいやっているのですが、今年は動画撮影の練習もかねてか、かなりアクティブな1年でした。

日本橋から横浜駅まで旧東海道を歩いてみたり、銚子で友人達が遊んでいる様子をずっと撮影してバテたり、ついこの前は初の海外旅行でイタリアへ行ったのですが、ここでもやっていたことはほぼ動画撮影。毎回なかなか過酷でした。

カメラを回しながら歩く場合、極力ブレを抑えながら移動するので、それでものすごく体力を持っていかる上、腕もほぼ固定しっぱなし。元々腕と脚はそこそこ筋力があったので、筋肉痛になることはあまりないのものの、これを続けていると体質もあって血行が悪くなり、貧血と偏頭痛が頻繁に起こるのが悩みどころです。

とくにイタリア旅行は総勢8人でミラーレス6機、GoPro4機体制というなかなかガチな感じで撮影してきました。とはいえ、監督役以外は自分も含めて皆素人に毛が生えたようなメンバーなので、すごい映像ができあがるかと言われると多分そんなことはないです。まずLog撮影ですらありませんし、NDフィルターも使っていないです。

サンタンジェロ城(ローマ)からバチカンのサンピエトロ大聖堂の写真を撮る友人たち
こちらもローマ市内

実は初めての出張だった北海道や、そのまますぐに2度目が来た福島でもカメラをずっと回してました。もう完全に業務なんだか趣味なんだかよくわからない状況のまま撮影し続けて、身体が全然休まってない感じの1年という感じですね。そら体調崩すわ。

来年はペース配分を考えつつ、AV Watchチャンネルにも出せる動画を撮影&編集していくことを目標にしていきます。

野澤佳悟