プレイバック2024
やっぱりオーディオに取り憑かれた1年だった by二見直明
2024年12月28日 09:00
12月の中旬、AV Watch編集部の阿部氏から『2024年最後に爪痕を残しませんか?』というタイトルのワイルドなメールを受信した。内容はタイトルの通り、AV Watch編集部員とライター陣が一年を自由に振り返る、毎年恒例の企画に参加しないかというもの。ちょうどコミックマーケット105で頒布する新刊の入稿の終わりを迎えたところだったため、ひとつ返事で参加を決めた。
オーディオ機器をたくさん入れ替えていた2024年
2024年はどんな1年だったかと思い、日記をつけていないのでiPhoneの写真を見返してみると、日常撮った写真とともにオーディオ機器の写真が大量に出てくる。
詳しく見直すと、4月にレコードプレーヤーを入れ替え、8月にDATデッキを入れ替え、10月から12月にかけてスピーカーを入れ替えながらオーディオラックを作り直し、最後にプリアンプを入れ替えていた。
入れ替えていないのはパワーアンプ、CDプレーヤー、カセットデッキだけしかない。ということで今年のオーディオ機器の遍歴をプレイバックしていきたいと思う。
5月:ビクターのプレーヤーシステム「CL-P1D」+「TT-101」+「UA-7045」
レコードプレーヤーは、マイクロ精機の「DD-8」から、ビクターの純正キャビネット「CL-P1D」にターンテーブル「TT-101」、トーンアーム「UA-7045」を組み合わせたプレーヤーシステムに変更した。
これはレコード再生に必要な単品コンポーネントを組み合わせて作り上げたもので、今で言う自作PCを組むと同じようなことをしている。今回迎え入れた製品が現役だった1970~80年代前半は、様々なメーカーがレコード再生に必要なコンポーネントを供給していて、いろいろな組み合わせを楽しむことができた。
現在では、ほぼ全てのプレーヤーが完成された状態……つまり、それさえ買えばレコードを再生できる製品として売られている一方、ごく一部の高級ラインでは、前述した“単品スタイル”が継承されている。例えば、ターンテーブルのテクニクス「SP-10R」、トーンアームのSAEC「WE-4700」などが新品で手に入る。
8月:ソニーのDAT「PCM-7010」
“DATに録り憑かれた男”として、5月に下記記事を連載した。
その後も「PCM-7050」を使いつつ、PCM-7000シリーズの出物がないかインターネット上を徘徊していたところ、「PCM-7010」という別のモデルに辿り着いた。
これは、PCM-7000シリーズという放送業務用の機器ながら、一般家庭用のオーディオ機器にも通ずる、音質に対して凝りに凝った作りをしていて、ジャンク品であったが手を出してしまった。
修理するために分解していくと、ソニーの民生用最高級DATデッキ「DTC-1500ES」に共通する部分が見え隠れし、実装されている機能も民生用機器を意識したものが多いことが分かった。
詳細については、私が活動している同人サークル『FERRICHROME』のコミックマーケット105(冬コミ)新刊として頒布をするので、お時間がある方は当日スペース(12月30日:東2ホールZ24b)までお越しいただくか、同人誌の委託販売先であるメロンブックスでFERRICHROMEと検索してみてほしい。
10月~12月初旬:スピーカーを変え、オーディオラックを作り直す
10月から12月にかけては、いくつかのスピーカーを試した後、フォステクスの「FE88-Sol」一発のバックロードホン型に変更した。オーディオラックは、20ミリ厚のパーチクルボードを使って2列のものを2つ組み、下段は振動対策のため側板を2枚重ねて40ミリとした。
スピーカーが変わって音が変わったのはもちろんのことだが、オーディオラックを作り直したことも音質面で大きな効果をもたらした。
特にレコード再生はてきめんで、全帯域にかけてキレの良さが加わり、これまで他の音に埋もれていた細かな音が、ひとつひとつハッキリと聴こえてくる。材料むき出しのため、見栄えはご愛嬌といったところだが、ラックとしての機能は抜群でハイCPだと思う。
12月中旬:ついに手に入れたアキュフェーズ「C-280V」
オーディオ仲間のシアタールームへ行く度に恋い焦がれたアキュフェーズC-280V。優雅な外観と贅沢な音質、そして何よりプリアンプとしての高機能ぶりが素晴らしく、いつか自宅にも迎え入れたいと常々思っていた。
冬コミの新刊作業が終わった解放感から、何か買い物でもしようかとソワソワしていたところ、良縁が重なりC-280Vを手にするチャンスが回ってきた。印刷費を払ったばかりだが、資金はアレとコレとソレを手放せばなんとかなるか……? などと考え始め、一度始まったらもう止まらない。家族の了解もなんとか取り付け、憧れたそれを真新しいラックに迎え入れた。
人生の半分以上を使い、オーディオというものを追いかけている。まだまだ終わりは見えそうにないが、年を重ねるごとにオーディオの新しい楽しみを見つけられていると思っている。来年はどんな出会いがあるのか?
来年もオーディオを通じて楽しい1年でありたい。