トピック
安い/古いTVも超強力Android TVに変身! 約14,800円の4K/HDR対応ピクセラ「Smart Box」
提供:株式会社ピクセラ
2017年10月26日 08:00
YouTubeやニコニコ動画、DAZNやAbemaTVを大画面のテレビで見たい……。ネットの動画配信サービスを一度でも利用した方なら、一度は考える事だろう。移動中にスマホで動画を見るのは確かに便利だ。ただ、お気に入りの動画、特に長尺なものについては、家でじっくり鑑賞したいのが人情。最新のテレビはそうしたサービスに対応しているモデルが多いが、低価格テレビや古いテレビ、PCディスプレイなどにそうした機能は無い。
各社がテレビと接続する機器の開発を進める中、PC向けテレビチューナーでおなじみのピクセラが10月6日、新製品を発売した。「Smart Box(KSTB5043)」である。OSにAndroid TVを採用し、各種アプリの追加に対応。そして直販14,800円(税込)とお手頃ながら、4K/HDR映像にも対応しているという注目の製品だ。今回は、メーカーからお借りしたSmart Boxを筆者宅の4Kテレビに接続し、その使用感を検証した。
4K対応、Andorid TV採用でアプリ追加もカンタン
最初に、Smart Boxの概要を簡単におさらいしておこう。なんといっても最大の特徴は4K(3,840×2,160ドット)対応であること。フルHD(1,920×1,080ドット)を超える高精細画像の方式として、ここ数年で大きく知名度を上げている。加えて最近では、例えばディスカウント店のドン・キホーテが50型の4Kテレビ「LE-5050TS4K-BK」を5万4,800円で販売するなど、4Kはかなり身近な存在になっている。こうした格安4Kテレビはますます増えていくはず。Smart Boxは、そういった4Kテレビを後付で「スマート化」するための製品なのだ。
そしてAndroid TV採用機である事も忘れてはならない。Androidと言えばスマートフォン用OSとしておなじみだが、これをテレビに転用したもの。さまざまな企業がAndroid TV用アプリを開発しており、ユーザーはそれらのアプリをインストールすることで機能を拡張できる。一番わかりやすい例はニコニコ動画だろう。人気の動画はもちろん、ニコニコ生放送も、大きな画面で楽しめるようになる。
ネット配信動画をテレビで楽しむための製品として、今のところAndroid TV以外では、アップルの「Apple TV」(tvOS)、アマゾンの「Fire TV」がメジャーだ。ただ、実際にどんなアプリ・サービスが楽しめるかは、それぞれ少しずつ異なる。以下の比較表をご覧いただきたい。
【テレビ向け動画プラットフォームの事業者別アプリ配信状況】
Android TV | Fire TV | Apple TV (第4世代以降) | (Chromecast) (※参考) | |
YouTube | ○ | △ (Google製 ではないアプリ は存在) | ○ | ○ |
ニコニコ動画 | ○ (Smart Boxは 現時点非対応) | ○ | × | × |
Amazon プライム・ビデオ | × | ○ | × (17年内に 対応予定 米国限定?) | × |
Abema TV | ○ | ○ | ○ | ○ |
Netflix | ○ (Smart Boxは 現時点非対応) | ○ | ○ | ○ |
Hulu | ○ | ○ | ○ | ○ |
dTV | ○ | ○ | ○ | ○ |
Google Play ビデオ | ○ | × | △ (YouTubeアプリ 経由で視聴可能) | ○ |
iTunes ビデオ | × | × | ○ | × |
DAZN | ○ | ○ | ○ | ○ |
J SPORTS オンデマンド | × | × | ○ | ○ |
これは、国内で著名な映像配信事業者がAndroid TV、Apple TV(tvOS)、Fire TVの3つに対して視聴用アプリを提供しているかどうか示した表だ。ただ、これらはあくまで原則論。テレビメーカー側の独自対応により、ソニー製のAndroid TV採用機でAmazon プライム・ビデオが、パナソニック製のFirefox OS搭載テレビでニコニコ動画が視聴できるといった例外がある点にはご注意いただきたい。
Android TVの優位点は、やはりGoogleの各種サービスとの親和性だ。特にYouTubeの利用頻度が高い人にとって、Android TVの利便性は図抜けている。テレビリモコンを操作する感覚でYouTubeを楽しみたい場合、それだけでもうSmart Boxが有力な選択肢となりうる。
安心の物理キー式リモコン、操作感はサクサク
前置きが少し長くなってしまった。Smart Boxが実際にどんな製品か見てみよう。まず本体は非常にコンパクト。外形寸法は125×125×28mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は150g。手のひらサイズという表現がピッタリだ。そして全高が低いので、テレビ台の隙間などにサクッと設置できる。
インターネット接続は無線に加え、有線もOK。外付け型のAndroid TV端末としては2015年2月に発売された「Nexus Player」が有名だが、有線LAN端子非搭載だった。Smart Boxはギガビット(1000Base-T)対応の有線LAN端子をきっちり備えているため、安心感は段違い。もちろん、住宅事情で有線LANが使えない人は、11ac対応の無線LANを選択すればOKだ。
電源には専用のACアダプタを用いる。いわゆるスティック型の映像視聴端末だと、MicroUSB端子で給電するケースが多いが、それとは明らかに違う部分なので、コンセントは必要だ。
端末の初期セットアップでは、画面の指示に従ってGoogleアカウントを登録する。この際、Androidスマホが別途あれば、設定値をコピーでき、登録手順がより簡略化される。
そしてある意味、Smart Boxの“肝”といえるのがリモコンだ。本体とリモコン間の接続はBluetoothによる無線。赤外線ではないため、 Smart Box本体の設置自由度はかなり高い。極論すれば、テレビから数メートル離れた場所に本体を置いても、問題なく操作を受け付けてくれる。
リモコンのボタンは電源やAndroid TVのホーム画面呼び出し用などいくつかあるが、基本的には4方向カーソルキーと決定キーでほぼ全ての操作を行なう。最近はスマホの影響か、タッチやスライド操作が随分メジャーになったが、カチカチッとしたクリック感のあるリモコンには底堅い普遍性・利便性がある。例えば高齢者の方は、スマホのタッチ操作が苦手とも言われるが、Smart Boxのリモコンなら年齢に関係なく、誰でも十分使いこなせるように思う。
操作性もなかなかだ。ハードウェア的な根幹となるチップセットとしてAmlogic製でクアッドコアの「S905D」、そして2GBのメモリを内蔵。実際、リモコン操作に対するカーソル追従性、アプリの起動速度もキビキビとしている。
ソニーが2015年に発売したAndroid TV採用テレビ「KJ-43X8500C」を持っているのだが、メニュー画面の操作性でSmart Boxが劣っているという事はない。無線か赤外線かというリモコン信号方式の違い、ストレージ空き容量、選局・裏録画処理までを行なっているかどうかなど、条件の違いは考慮すべきだが、安価なSmart Boxでも十分“サクサクとした操作感”が実現している。
スマホで表示している動画を、テレビに“キャスト”するChromecastと比べると、Smart Boxで視聴すれば、スマホを動画再生で占有することもない。リビングのテレビを家族で使う場合、Chromecastはガジェットに詳しくない人にはわかりにくい部分がある。“家族でスマートテレビ機能を使う”という観点でも、Smart Boxの方が優れている部分だ。
スマホが自由に使えると、長尺の動画をBGM代わりに再生しつつ、知りたい事をスマホで検索したり、友達にLINEしたり、テレビの反響をSNSで検索したりと、思いのほか使い道は広い。
またBGMと言えば、Smart Boxには光デジタル音声出力も1系統備えている。例えばこれを、コンポやサウンドバーなどと接続すれば、Android TVアプリの定額制音楽配信サービスで受信した音楽を、コンポなどから聴く……といった使い方もできるだろう。
絶対的イチオシ機能! マイク内蔵リモコンによる音声認識
そしてもう1つ、Smart Boxのリモコンで注目すべきは内蔵マイクによる音声認識・検索機能だ。音声認識ボタンを1回押す(長押しの必要はなし)と、入力待機状態に移行するので、先端部のマイクに向かって喋る。
音声の認識率は、かなり高い。「君の名は。」「シン・ゴジラ」といった映画のタイトルもスラスラと認識してくれる。漢字・カタカナ交じりのキーワードをカーソルキーで入力するのは大変だが、音声入力ならものの数秒で完了。Smart Boxの利用にあたっては絶対的にオススメの機能だ。
音声入力の使い方でもう少しヒントを。まず音声認識ボタンを押す場面によって、検索の挙動は異なる。Android TVのホーム画面で音声認識を行なうと、ウェブ全体検索に相当するような包括的な検索をする。映画のタイトルを音声入力すると、YouTubeやGoogle Play、ウィキペディアなどを一括検索してくれるといった具合だ(アプリのインストール状況によっても検索結果は異なる)。
同じくこの場面では、Googleの音声検索の機能限定版的な利用が可能だ。「明日の天気は?」と聞くと、画面に天気予報が表示される。また「東京駅までの行き方を教えて?」と訪ねれば、行程時間だけが画面に表示され、どんな電車に乗るかを音声で教えてくれる。
一方、個別のアプリが起動している時に音声認識ボタンを押すと、基本的にそのアプリの対象コンテンツだけを検索してくれる。YouTube限定で動画を検索できるわけだ。ただ、アプリによっては音声認識にそもそも非対応なケースがあり、例えばniconicoアプリ表示中は音声認識ボタンを押しても、何も反応しない。
音声認識機能は、PCやスマホの操作が苦手な人……例えば家族にお年寄りがいる場合、一度オススメしてみてほしい。ソフトウェアキーボードのカーソル操作が面倒でも、喋った言葉がそのまま文字になるのは感動的な体験だ。最新のニュースを見たり、思い出の観光地の動画を探すなど、ぜひ使い道を探ってみてほしい。
付属のリモコンだけでなく、Bluetooth 4.2(BLE)もサポートしているので、別途Bluetooth接続のゲームコントローラーを用意して、Android TV向けのゲームアプリを家族で楽しむといった使い方もできる。パーソナルユースなスマホやタブレットと違い、テレビらしい楽しみ方と言えるかもしれない。
一度体験すると戻りたくない?! 高精細な4K/HDR映像
Smart Boxとテレビの接続方式はHDMI 2.0(HDCP2.2)。4K映像の入出力に対応した規格として、ここ数年で大分普及してきた。2017年現在、国内で流通する4KテレビのほとんどがHDMI 2.0をサポートしている。また、HDR(ハイダイナミックレンジ)も、4Kテレビ新機能のトピックだ。
肝心の4K/HDRコンテンツについては、まだまだ数が限られるが、それでもYouTubeには相当な数がアップロードされている。検索結果の画面でも、「HD」ではなく「4K」のアイコンが表示されるので探しやすい。
YouTubeで4K映像を見てみると、その精細感には改めて驚かされる。4K映像をインターネット経由でストリーミング配信する場合、当然のことながらフルHD映像と比べて相対的にデータ量を食うため、回線品質にも留意する必要はあるが、美しい自然の風景映像などを目の当たりにすると、やはり感動してしまう。
4K映像を一度見ると、今度はフルHDの映像がどこか物足りなくなってしまう。今まで十分満足だったはずなのに、なにか足りないような……。4K映像の体験は、こういった“感覚”に訴える部分が大きいと思う。光ファイバー回線を導入しているご家庭であれば、ぜひ4Kを楽しんでほしい。
開発元のピクセラによれば、現時点で最強となる4K/HDR両対応コンテンツをSmart Boxで楽しめるのはYouTubeとdTVの一部コンテンツだけとのこと。その他のアプリへの展開は、今後に期待しよう。
もう1つ、Smart BoxではNetflixアプリが動作しない点にもご注意を。ストアからアプリはダウンロードできるものの、起動しようとするとエラーメッセージが出てしまう。今後の対応を検討中とのことだ。
iPhone派も安心のキャスト対応
コストパフォーマンス重視派の方にとっては、Chromecastの機能を内蔵している点も見逃せない。スマートフォンなどで視聴中のコンテンツを、簡単な操作で大画面テレビに転送する方法として、日本市場でも非常に有力な選択肢となっている。auのビデオパスなど、Android TV用のアプリをリリースしていなくても、キャストにだけは対応している映像配信事業者はある。
これは筆者が約1年半に渡ってAndroid TVを使ってきた上での率直な感想だが、Chromecastは家庭内の全テレビに後付けしても損はしないと思う。特にiPhoneのYouTubeアプリから、テレビにキャストできる点が大きい
Android TVでアプリ操作をして映像視聴するのと、スマホから映像をキャストするのは似ているようでまったく別の機能だ。どちらか1つに絞る必要はないし、むしろ両方とも使えた方が汎用性は高まる。
Chromecastの価格は4,980円(税込)、4K対応のChromecast Ultraは9,720円(税込)。対してSmart Boxは14,800円なので、Chromecastの購入を検討していた人も、Smart Boxに割安感を感じられるはずだ。
便利なマイク内蔵リモコン、2Kテレビの機能底上げにもピッタリ
最後に、Smart Boxをしばらく使って感じた魅力をまとめてみると、以下の4つに集約されると考えている。
- 4K/HDR対応
- コストパフォーマンス
- マイク内蔵リモコンの利便性
- Android TVの採用によるアプリ拡張性
4K/HDR対応については、今後のAV機器の進化の方向性を考えるならば、ぜひ今のうちから準備しておきたい部分。Apple TVの4Kモデルが発売され、iTunes Storeでの4Kコンテンツ配信がスタートしている現状を踏まえれば、遅かれ早かれAndroid TVでも4Kが普及するはずだ。
4点の中でも特に重要なのはコストパフォーマンスだろう。市場に広がるHDMI直付け型のスティック端末は1万円を大幅に下回る値付けのものがあるが、対応解像度がフルHD止まりだったり、有線LAN接続にオプション機器が必要なケースもある。サクサク動く操作性や、アプリのインストールで機能が拡張できて14,800円という価格は、なかなかの値ごろ感ではないだろうか。
また、ピクセラと言えばPC向けのテレビチューナーで有名な会社だが、Smart Boxにピクセラ製のAndroidもサポートしたUSB接続チューナ「PIX-DT295」、「PIX-DT295W」を接続し、テレビ機能を利用できるようにする事も検討されているそうだ。これが実現すれば、チューナを搭載していないPC用4Kディスプレイなどで、テレビが楽しめるだろう。
「マイク内蔵リモコンの利便性」については、必ずしもSmart Boxだけの専売特許ではないものの、進化著しいGoogleの音声認識・検索を身近にするという点で見逃せない。最近話題のAIスピーカー(スマートスピーカー)は音声での操作が前提。「声での検索」はますます当たり前になることだろう。
今回はSmart Boxを4Kテレビに接続してみたが、当然既存のフルHD(2K)テレビとも組み合わせられる。4Kテレビは低価格化が進展する一方で、2018年12月開始予定とされる4K/8KのBS/110度CS実用放送も控えており、あえて“買い控え”している人もいるはずだ。そんな時に、手持ちのフルHDテレビを低コストで機能強化できるSmart Boxのような機器が威力を発揮するはずだ。
(提供:株式会社ピクセラ)