ニュース

レコーダが“おうちクラウド”に進化。UHD BD対応などパナソニック「DIGA」一新

 パナソニックは、Blu-ray Discレコーダ「DIGA(ディーガ)」を一新し、音楽や写真のサーバー機能を強化したトリプルチューナの「おうちクラウドDIGA」4モデルを10月20日より順次発売する。価格はオープンプライス。上位2モデルはUltra HD Blu-ray再生に対応する。

おうちクラウドDIGA 4モデル

 Ultra HD Blu-ray(UHD BD)再生対応は、HDD容量2TBの「DMR-UBZ2030」と1TBの「DMR-UBZ1030」の2モデルで、店頭予想価格は2TBが95,000円前後、1TBが85,000円前後。BDドライブ搭載モデルは1TBの「DMR-BRT1030」が75,000円前後、500GBの「DMR-BRT530」が65,000円前後。

DMR-UBZ2030

 DIGAの番組予約/視聴アプリとして展開してきた「MediaAccess(メディアアクセス)」の機能をほぼそのまま搭載しながら、新たに音楽転送/再生や写真や動画の取り込み/転送に対応した新アプリ「どこでもディーガ」に対応。テレビ番組以外の音楽や写真/動画を楽しめるホームサーバーとしての機能を強化し、「おうちクラウドDIGA」として訴求している。

 '16年秋モデル以降のDIGAでは、音楽CDのリッピング機能やミュージックサーバー機能を備え、DIGAのホームサーバー的な利用を訴求していた。同社のユーザー調査では、購入者の3割以上が音楽関連機能を利用する人気の機能となったこともあり、DIGAに様々なコンテンツを“貯める”機能を強化。音楽や写真/動画をためて活用するホームサーバー=「おうちクラウド」として、単なる“録画機”から一歩進んだ形を提案するという。

 なお、シングルチューナで、HDD容量500GBのエントリーモデル「DMR-BRS530」も10月20日より発売し、店頭予想価格は5万円前後。

型番チューナUHD BD再生HDD店頭予想価格
DMR-UBZ203032TB約9.5万円
DMR-UBZ103031TB約8.5万円
DMR-BRT10303-1TB約7.5万円
DMR-BRT5303500GB約6.5万円
DMR-BRS5301500GB約5万円

 DIGAのラインナップは、画質/音質にこだわったフラッグシップ機「DMR-UBZ1」と、全自動DIGA「DMR-UBX7030/4030/2030」と、おうちクラウドDIGA 4モデル、「DMR-BRS530」の合計9モデルとなる

DIGA 2017年冬モデル

どこでもDIGAアプリでおうちクラウド。新機能群

 おうちクラウドDIGAの4モデルは、放送の録画/再生などBDレコーダとしての基本機能は、DMR-UBZ2020など'16年モデルとほぼ共通。大きく変わったのが、新アプリ「どこでもディーガ」を使ったスマートフォン連携機能と、ホームサーバーとしてのDIGAの動作だ。

DMR-UBZ1030
DMR-BRT1030
DMR-BRT530

 「どこでもDIGA」アプリは、番組の録画予約や視聴、外出先からのリモート視聴機能に加え、DIGAに録音した音楽CD楽曲の管理や再生、音楽のスマホ持ち出し、DIGAに蓄積した写真の管理や表示に対応する。

どこでもDIGAアプリでDIGAを〝おうちクラウド”化
スマホ連携の強化

 どこでもDIGAは無料アプリとなり、iOS/Android版を用意。従来の「MediaAccess」アプリは'17年モデルでは利用できず、従来機種のアプリも「どこでもDIGA」に切り替えていく方針。なお、MediaAccessに対応したDIGA従来機種であれば、ほぼ同等の機能がどこでもDIGAアプリから利用できる。

番組関連の機能

 MediaAccessとほぼ同様の機能が利用可能で、番組表を開いて、録画予約を行なったり、録画一覧からのスマートフォン/タブレットでの番組視聴(ストリーミング)、番組持ち出し(スマホ等にダウンロード)に対応。おすすめ番組の表示や、再生履歴や「あとで見るリスト」などのチェックが行なえる。

番組持ち出しも可の王
「どこでもDIGA」アプリで番組を視聴・録画予約

 また、外出先からのリモート視聴や録画予約を行なう「外からどこでもスマホで視聴」に対応。その時の通信状況に応じて、画質や通信モードを選択できる。また、話題なドラマやアニメの番組ニュースをアプリ上で通知する機能も搭載している。番組ニュースはドラマについては東京ニュース通信社が、アニメはアニメハックが提供する。

CDを取り込みミュージックサーバーに。アプリからも手軽に再生

 おうちクラウドDIGAでは、音楽CDのリッピングが可能。これまでのDIGAでは、FLACやWAV形式でリッピングした楽曲を、DIGA本体で再生、もしくはDLNA対応のプレーヤーへストリーミング出力して音楽を楽しむ形となっていたが、新DIGAではFLAC/WAV形式での取り込みと同時に、128kbpsのAACファイル(.m4a)も作成する。

 スマホやタブレットの「どこでもDIGA」アプリから音楽を再生する場合は、このAACファイルをストリーミングで再生する。持ち出しにも対応し、AAC楽曲をアプリに転送しておけば、外出先で通信料を気にせずに音楽を楽しめる。なお、アプリから再生できるのはAACファイルのみで、FLACやWAVファイルのストリーミングや持ち出しには対応しない。

スマホやタブレットの「どこでもDIGA」アプリで再生

 FLACやWAVファイルは、DIGA本体で音楽再生する場合、もしくはDIGA本体をミュージックサーバー(NAS)として扱い、DLNAやサウンドジャンプリンク対応ネットワークオーディオ機器から再生できる。対応ファイル形式はMP3/WAV/FLAC/AIFF/AAC/DSD/ALAC。新たにAIFFをサポートしている。

 なお本体で再生する場合、DSDはPCM変換再生となる。本体再生のHDMI出力時は最大で192kHz/24bit、光デジタル音声出力時は96kHz/24bit。DIGA本体で再生する場合は、CD音源もハイレゾ相当にアップコンバートして再生する「ハイレゾ リ.マスター」により高音質化する。

DIGA本体で音楽再生

 また、e-onkyo musicのハイレゾ楽曲ダウンロード機能も搭載。PCを使わずに、e-onkyoの購入楽曲をダウンロードして管理できる。

スマホの写真を取り込み。遠隔地のDIGAへの送信も

 また、おうちクラウドDIGAとどこでもDIGAアプリをペアリングすれば、スマートフォンの写真をDIGAに転送できる。DIGAに転送した写真は、テレビの大画面で楽しめる。

どこでもDIGAの写真をおうちクラウドDIGAに転送

 宅内だけでなく、宅外からもDIGAに写真転送できる点も特徴。そのため、実家にDIGAを設置し、ペアリングしておけば、子供の写真やアルバムを実家のDIGAに送って、実家で見てもらうといった使い方も可能。宅外ペアリングのためには、DIGA側で登録番号を確認し、24時間以内にアプリ側でその数字を入力。入力が完了し、DIGA側で登録を承認すると、ペアリングが完了し、写真送付が可能になる。写真が届くと、DIGA前面のディスプレイや画面上で新着を知らせてくれる。

 DIGAのリモコンには専用の[写真]ボタンも装備。写真専用の画面も用意し、スマホごとの写真管理やアルバム作成に対応する。さらに、DIGA内の写真やDIGAで作成したアルバムを、どこでもDIGAアプリをインストールしたスマホから見たり、ダウンロードして持ち出すことも可能。

リモコンも一新

 おうちクラウドDIGAによる、音楽や写真機能対応のため、リモコンのボタン配置も一新。リモコン中央部に[音楽][写真]ボタンを新設し、各機能をすぐに呼び出し可能とした。また、[機能一覧]ボタンは[ホーム]ボタンに名称変更されている。

DMR-UBZ2030/1030のリモコン

 SeeQVaultにも対応し、対応USB HDDを用いたコンテンツバックアップも行なえる。

録画機能も充実

 おうちクラウドDIGA 4モデルは、HDD容量以外のレコーダ機能は共通。地上/BS/110度CSデジタルチューナを3系統搭載し、最大15倍の長時間録画や外付けUSB HDD録画に対応。1秒番組表示や1秒録画一覧表示、1秒トレイオープン(いずれもクイックスタート[入])の高速起動に対応する。

 番組表を開いた際の下部に地デジやBS/CSで話題の新番組や不定期放送の特番、映画の初放送番組などをポップアップで知らせる「新番組/特番おしらせ」も搭載。一覧で番組内容や出演者情報を確認でき、ワンタッチで録画予約まで行なえる。

 また、新たにLINEアカウントメディアの「CLUB Panasonic」と、DIGA向けの番組表サービス「DIMORA(ディモーラ)」が連携。LINEのやりとりでおすすめの番組検索などが可能になる。

LINEでお勧め番組を探す

UHD BD対応の上位モデルは4K HDRに強み

 DMR-UBZ2030/UBZ1030は、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)再生に対応。UHD BDの4K/60pやハイダイナミックレンジ(HDR)映像、広色域規格のBT.2020、HEVC/H.265の10bit/100Mbps信号に対応し、4K UHD BDの高画質を楽しめる。

DMR-UBZ2030/1030

 2系統のHDMI出力を装備し、テレビやプロジェクタのほか、AVアンプなどのオーディオシステムに別途音声出力可能。AVアンプなどが著作権保護技術のHDCP 2.2に非対応の場合でも、1系統をAVアンプに繋いで音声だけ出力、もう1系統をテレビなどに接続することでUHD BDを楽しめる。また、映像/音声信号を分離することで、信号干渉を抑える。

 「ダイナミックレンジ変換調整」も搭載。接続するテレビがHDR非対応の場合でも、UHD BDのHDR信号からSDRへのダイナミックレンジ変換を自動で行ない、HDR感を保った画質で表示可能とするもの。

 高画質化回路の「4Kリアルクロマプロセッサ」も搭載。デコードした4K(4:2:0)信号を独自の高精度マルチタップ処理で4K(4:4:4)に補間することで、鮮度が高く、自然な質感と立体感のある4K映像を実現する。

 UHD BD対応のUBZ2030/UBZ1030は、Netflix、Amazonビデオ、Hulu、dTV、アクトビラなどの映像配信サービスに対応。4K/HDR配信にも対応し、Kリアルクロマプロセッサにより、鮮度の高い4K映像を楽しめる。

 またUBZ2030/UBZ1030は、録画番組や放送を家庭内で配信する「お部屋ジャンプリンク」を2系統同時に配信できる(BRT1030/BRT503は1系統)。

 DMR-BRT1030/BRT530は、UHD BD再生は非対応で、BD/DVD/CD再生となる。動画ファイルもHEVC非対応。HDMI出力は1系統のみ。また、NetflixやYouTubeなどには対応せず、映像配信サービスはアクトビラのみの対応となる。

上位機のみHDMI 2出力

 HDMI出力はDMR-UBZ2030/UBZ1030が2系統(4K/60p対応)、DMR-BRT1030/BRT530が1系統。UBZ2030/1030は光デジタル出力も備えている。なお、BRT1030のみコンポジット映像入力とアナログ音声入力を備えている。

 USB×2(録画用USB 3.0×1、汎用USB 2.0×1)、LAN端子を装備する。消費電力はUBZ2030が約30W、UBZ1030が約29W、BRT1030が約19W、BRT530が約17W。

 UBZ2030/1030の外形寸法は435×199×54mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.6kg(UBZ2030)/約2.5kg(UBZ1030)。BRT1030/530の外形寸法は430×179×41.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.1kg(BRT1030)/約1.8kg(BRT530)。