ニュース
テレビとVODを融合した「スカパー! ハイブリッド」スタート。dボタンを活用
2017年12月1日 19:23
スカパーJSATは1日、BS/110度CS放送の「スカパー!」に映像配信サービスを融合した「スカパー! ハイブリッド」をスタートした。対応テレビでスカパー! 視聴中に、テレビリモコンの「dボタン」を押すだけで、BS/CSをシームレスに表示するEPG(番組表)が起動し、放送と配信(オンデマンド)の違いを意識せずに、放送中番組や放送後の番組のオンデマンド視聴が行なえる。
新サービスだが、特別な契約は必要なく、スカパー!加入者が契約チャンネルおよび無料チャンネルを楽しめる。スカパー!の放送サービスと、VODサービスの「スカパー! オンデマンド」を連携させ、対応テレビのEPG上で番組を探しやすくしている。
スカパー! ハイブリッドは、HybridCast(ハイブリッドキャスト)技術をベースしており、HybridCastのブラウザ技術とVOD配信対応のテレビが必要。
スカパー!の放送を見ながら、テレビリモコンのdボタンを押すと、スカパー! ハイブリッドのEPGが起動。EPGにはBS/CSを問わず、スカパー!の全チャンネルを表示できる。また、契約中のスカパー! チャンネルと無料チャンネルだけの表示にも対応する。
EPGは、当日と過去一週間、未来1週間の合計15日分の番組情報を画像付きで表示。視聴予約や録画予約(一部対応機器のみ)も行なえる。録画予約に対応するのは、東芝REGZA X910、Z810X、BZ710X、M510X、C310X。
スカパー! ハイブリッド対応テレビ(12月1日時点)
2015年製品 CX800N、CX800、CX700
2016年製品 DX950、DX850、DX800、DX770、DX750、DX600
2017年製品 EZ1000、EZ950、EX850、EX780、EX750、EX600、ES500
2017年製品 UH5、US5ライン
(2018年3月末迄にソフトウェアアップデートで対応予定)
2016年製品 Z9D、X8300D、X7000Dシリーズ
2017年製品 A1、X9500E、X9000E、X8500E、X8000Eシリーズ
2017年製品 X910、Z810X、BZ710X、M510X、C310X
(X910、Z810Xは12月中旬、BZ710X、M510X、C310Xは12月下旬にアップデートで対応)
EPGは写真付き(チャンネルや番組ごとに異なる)で表示され、一目で内容を把握しやすくした。EPGで番組を選択するだけで、過去に放送された番組のオンデマンド視聴も可能。関連番組や話数違いの番組も表示され、関連番組の「イッキ見」にも対応する。
なお現在番組表からの再生(放送視聴)に対応しているのは37チャンネル。そのうち、オンデマンド(見逃し視聴)対応のチャンネルは9チャンネル。また、全てが見逃し対応なのは、「釣りビジョン」だけとなっている。
見逃し視聴対応チャンネルは、以下の通り。
・釣りビジョン
・BBC Word
・スカサカ
・スカイA
・GAORA
・フジテレビ ONE
・フジテレビ TWO
・フジテレビ NEXT
・キッズステーション
見逃し対応チャンネルは、随時増やす計画。まだ対応チャンネルが少ないが、「将来的にはすべてのチャンネルを見逃し対応にしていきたい。ただし、番組やチャンネルごとの判断や契約もあるので、話し合いを続けていく(メディア事業部門 プラットフォーム事業本部 相良正樹 ネット配信推進部長)」という。
見逃し対象のチャンネルは、番組表のチャンネル名の部分で、色で判別できるようになっており、対象番組には[再生ボタン]のアイコンを表示している。
番組表から見逃し視聴を選ぶと、番組のオンデマンド再生が始まる。この番組は、スカパー! オンデマンドのテレビ向けサービスと同じもので、画質は「HD画質で、放送と遜色ないものを目指している」とのこと。ビットレートは非公開だが、スカパー! ハイブリッドの推奨通信環境は、8Mbps以上。
面白いのが「無料開放日」の表示。スカパー!は、12月3日(日)を「スカパー!無料の日!」として、多くのチャンネル/番組を契約無しに無料視聴可能にするが、スカパー!ハイブリッドのEPG上では、この無料番組を赤く表示して、どの番組が無料対象か一目でわかるようになっている。
見逃し視聴(オンデマンド)の番組は、続きをスマートフォンやタブレットの「スカパー! オンデマンド」アプリからも再生できる。また、契約手続きやPPV購入などをテレビリモコンから行なえる。なお、地デジやスカパー!以外のチャンネルでdボタンを押すと、データ放送が立ち上がる。
また、現時点では110度CS放送の「スカパー!」が対象となっているが、2018年12月を目標に124/128度CS放送の「スカパー! プレミアム」にも対応予定。専用のセットトップボックス(STB)を開発中という。
また、テレビメーカー各社に、テレビやレコーダなどの周辺機器でのHybridCast対応を呼びかけていく。
通信と放送のいいとこどり
執行役員 メディア事業部門 プラットフォーム事業本部長の古屋金哉氏は、専門多チャンネル(1996年:パーフェクTV!)、テレビ内蔵(2002年:スカパー!2)、FTTH(2004年:スカパー! 光)、マルチデバイス(2011年:スカパー!オンデマンド)といったスカパー! サービスの歴史を紹介。2015年ごろから映像配信サービスが伸長し、検索キーワードでは動画関連ブランドの検索数が急増している、「スカパー!が伸びている、という現状ではない」と現状を分析する。
古屋事業本部長は、「だからこそ、スカパー! ハイブリッド。放送をやっている我々でしかできないサービス。新しい楽しみ方をどんどん提案していく」として、放送と通信を融合させた新サービスの魅力をアピール。
スカパー! ハイブリッドの魅力については、「出会いと発見」、「録画できる」、「安定した高画質」という放送の良さに、「視聴利便性」や「いつでもどこでも」、「手軽に契約」などの通信の良さを組み合わせ、「放送と通信のいいとこどり」とまとめた。
Hybridcast対応テレビは、2017年末までに日本国内に約770万台出荷されており、2020年末には2,350万台を見込んでおり、今後の急拡大が予測される。対応機器の拡大に合わせて、見逃しチャンネル等も充実させていく考え。「リモコン1つで使える」点を訴求していく。
スカパー! 音楽祭を3月14日。CHARAMELも登場。フルコーラスが嬉しい
また、「スカパー! 冬のおすすめコンテンツ」も発表。12月は音楽ライブを強化し、Mr.Childrenの25周年ライブ、THEYELLOW MONKEYのドーム公演生中継、BIGBANGのジャパンツアー生中継などを放送予定。発表会には12月21日のZepp Osaka Bayside公演を、BSスカパー!、スカパー! 4K総合で生中継するナオト・インティライミが登場した。
半年間休養し、アフリカ大陸、ルーマニア、スウェーデン、ドイツなど19カ国を回ったというナオト・インティライミは、「音楽の原点回帰ができた。創作意欲がわいて、何十曲と新曲ができたので、アルバムが28曲入りになった(笑)。半年間旅に出るといったら、周りの大人に説得されたが、我儘を通してよかった。ファンの方には迷惑をかけてしまったが、ファンの方が離れるのも2/3に留めることができた」と語り、笑いを誘った。
また、2018年3月14日には音楽イベント「スカパー! 音楽祭2018」を開催。MCはベッキーとハマ・オカモト(OKAMOTO'S)。アーティストが自ら選んだ楽曲を“フルコーラス”で生放送するという趣旨で、出演は、OKAMOTO'S、岸谷香、氣志團、Creepy Nuts、香西かおり、田口淳之介など。
MCの2人と、同番組に出演予定のナオト・インティライミの全員が注目したのが、CHARAMEL(キャラメル)というグループ。ふなっしーとアックマ、カパル、にゃんごすたーなどのキャラクターが一堂に会してバンドを組む。
ハマ・オカモトが「ライブも演歌もあって、着ぐるみも……」と語ると、ベッキーは「キャラクター。ゆるキャラ。と言い直してもらえます?」と注文。ハマ・オカモトもベッキーも、「CHARAMELに入りたい」と語る。
初出演となる、ナオト・インティライミは、「豪華でいいよね。テレビで、フル尺はなかなかないから。大御所の方が、番組でフルで歌ってるのを見ると『おぉ』ってなるし、こんなわたくしがフルで歌えるのは、ありがたいですね」とコメント。
ハマ・オカモトが、「ほぼライブですね。テレビサイズじゃない」と続けると、「テレビサイズは、『一番終わって次は間奏』と思いきや、もう一回サビ、とか……覚えられない」(ナオト)、「もう、知らない曲ですよ」(ハマ)と、フルコーラスでテレビで歌えることがアーティストにとっていかに嬉しいかを解説した。