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翻訳できる左右分離イヤフォンやShureのUSB-C搭載MMCXケーブル、ヘルメット型HMD

 米国ラスベガスで1月9日~12日(現地時間)に開催される「CES 2018」の開幕前イベント「CES Unveiled」において、LINEのクラウドAIプラットフォーム「Clova」を搭載した左右分離イヤフォンや、VR/ARヘッドマウントディスプレイなど様々な製品が披露された。

CES Unveiled会場のMandalay Bay

Clova搭載など左右分離イヤフォン多数

 韓国のNaver/LINEブースで出展されたのは、スマートスピーカー「Clova WAVE」で採用しているAIプラットフォーム「Clova」を搭載した左右分離イヤフォンの「MARS」。翻訳機能を備えているのが特徴で、1ペアのMARSを、2人で1個ずつ装着して話すと、話した内容が任意の言語に翻訳されて相手に聞こえるという。韓国では'18年第3四半期ごろに発売し、日本でもそれ以降に発売予定としている。価格は未定。

Clova搭載イヤフォンの「MARS」。写真はデモ用の試作機のため外側にアンテナが出ている

 現時点では韓国語や日本語、英語などに対応し、製品化の際には40言語に対応予定。マイクはイヤフォンの外側と内側に内蔵。自分の話した声は耳管を通して内側のマイクで拾い、相手の声は外側のマイクで受ける。マイクで集音した周囲のノイズを除去する機能も搭載。

 音楽再生や通話のイヤフォン/ヘッドセットとしても利用可能。連続使用時間は音楽が3時間で、通話は1.5時間。付属ケースでイヤフォン部を4回分充電できる。

最終製品のイメージ

 Jabraは、Amazon Alexaに対応した左右分離イヤフォン「Elite 65t」を出展。価格は、169.99ドルで、'18年第1四半期に発売する。カラーはチタニウムブラック。

Elite 65t

 Alexaの他に、SiriとGoogle Nowにも対応。バッテリの使用時間は5時間で、ケースからの充電と合わせて合計15時間使用できる。

付属ケース収納時

 CRAZYBABYは、小型筐体と10色のカラーバリエーションが特徴の「Air by crazybaby (NANO)」を3月~4月に日本を含むグローバルで販売。振動板には、軽さと強さを合わせ持つカーボンナノチューブを使用して高音質化を図っている。Bluetooth 5.0対応で、F字型のアンテナにより接続安定性を高めている。

 本体は防滴対応。連続使用時間は2~3時間で、ケースからの充電により合計で約12時間使用できる。

Air by crazybaby (NANO)のカラーは10色
ケースに収納されたイヤフォン部

ShureがDAC内蔵のUSB-C/Lightningケーブルなど

 Shureは、同社SEシリーズのイヤフォン向け交換ケーブルとして、USB Type-C端子を備えた「RMCE-USB」を出展。ケーブル部にDACも備え、96kHz/24bitまでの音源に対応する。

USB Type-C端子とMMCXの「RMCE-USB」

 また、4極ステレオミニプラグ-MMCXのケーブルで、リモコンマイクも備えた「RMCE-UNI」も発売。既存モデルのiOS向けLightning-MMCXケーブルに加え、接続できる機器のラインナップが拡大された。

4極ステレオミニ-MMCXの「RMCE-UNI」
左から、USB Type-C、Lightning、4極ステレオミニ

 マイク製品では、iOS/Android対応のデジタルマイク「MV5」(99ドル)や「MV51」(199ドル)などを展示。いずれもUSB/Lightningケーブルが付属し、スマホやPCなどで簡単に録音できるのが特徴。

iOS/Android対応マイク「MV5」(左)と「MV51」(右)

網膜投影や、バイクのヘルメット型などの様々なHMD

 QDレーザは、網膜に直接映像を投影するヘッドマウントディスプレイ「RETISSA Display」を出展。網膜に直接映像を投影することにより、装着者の視力(ピント調節能力)やピント位置に影響を受けにくいフリーフォーカスを実現している。HDMI入力を備えた外付けユニットからの映像を表示可能。

「RETISSA Display」の装着例

 同社は現在、医療向け製品として前方にカメラを備えたモデルを展開しているが、今回の「RETISSA Display」はカメラを省いて映像表示に特化することでコンシューマ用途を想定。専用のメガネフレームだけでなく、他のフレームにプロジェクタ部のみを装着する形も実現可能で、今回のCESでは超軽量のフレームも参考展示。これは日本のメガネ生産地である福井県鯖江市の企業と協力して試作したもので、こうしたコラボレーションにより、様々なフレームと組み合わせられる可能性もあるという。

HDMI搭載の外付けユニット
メガネの内側に備えたプロジェクタ部
超軽量フレーム(試作機)との組み合わせも提案

 SKULLY TECHNOLOGIESは、バイク用ヘルメットに小型カメラとプロジェクタを備えた「SKULLY FENIX AR」を展示。夏に発売予定としている。フルフェイスのヘルメットの後ろ側にカメラを備え、後方180度の映像を前方のシールド部分に投写できるのが特徴。GPSナビ機能も備えるほか、スマホのハンズフリー通話などにも利用可能。

バイクヘルメットの「SKULLY FENIX AR」
後方にカメラを装備
中央の黒い突起がプロジェクタ部

 LOOXID LABSは、脳波や視線のトラッキング機能を備えたVR HMD「LooxidVR」を展示。VRコンテンツなどを視聴した時に、利用者が映像のどの部分を主に見て、反応の良し悪しをグラフで表示できるようにしたもので、コンテンツ開発などのBtoB向けに、2月から予約を受け付ける。AndroidやMac、Linux端末との接続に対応する。

「LooxidVR」の使用イメージ
HMD部
脳波や視線の移動などを可視化できる