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ゼンハイザーの密閉型「HD 820」、スタックス静電型最上位「SR-009S」に注目
2018年4月28日 17:46
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「春のヘッドフォン祭 2018」が、4月28日(土)と29日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催中。ここではゼンハイザーやアユートなどのブースをレポートする。
ゼンハイザー
注目を集めているのは、密閉型ハイエンドヘッドフォン「HD 820」。同社の高級ヘッドフォンでは開放型がお馴染みだが、「HD 820」は密閉型を採用しているのが特徴。
一見すると開放型に見えるが、これはハウジングに透明なガラスカバーを使っているため。振動板の背後から出る音を、ガラスカバーの凹凸が効果的に反射させる事で、開放型で音が抜けていくように減衰させるという。ユニットは「Ring Radiator」トランスデューサを採用している。
インピーダンスは300Ω。再生周波数帯域は12Hz~43.8kHz(-3dB)。音圧レベル(SPL)は 1kHz、1Vで103dB。
日本での発売時期、価格は未定だが、海外では6月、7月頃の発売がアナウンスされており、日本でもその時期と大きく違わない見込みだ。
スタックス
静電型ヘッドフォンを手がけるスタックスブースでは、新たな最上位モデルとして、6月中旬に発売予定の「SR-009S」が登場。そのサウンドを一足先に体験できる。価格は46万円。
既発売の「SR-009」をベースとしながら、第二世代固定電極「MLER2」を搭載しているのが特徴。静電型ヘッドフォンの発音体(サウンドエレメント)は、振動幕を2つの固定電極がサンドイッチするような構造になっているが、SR-009Sではこの電極をさらに進化させ、アフターエッチングと呼ばれる処理によって、固定電極に空いた孔の縁を滑らかにし、空気抵抗を低減。音の透過性をより向上させた。
さらに、比重が大きい金メッキ処理を施す事で、電極の振動を減少。電極自身の電気抵抗も減らすことによってクリア感も向上させている。
ブースではSR-009とSR-009Sを聴き比べ可能。音の進化や、傾向の違いを確認でき、多くの来場者で賑わっていた。
さらに、同社史上初となる、DAC搭載のポータブルタイプ「SRM-D10」も出展。6月中旬発売予定で、価格は9万円。リチウムイオンバッテリを搭載し、出力として、5Pin PROバイアス用コンセントを搭載。屋外でも、同社の全PRO BIAS静電型ヘッドフォンをドライブできる。
アユート
Astell&KernとJH AUDIOのコラボイヤフォン「THE SIREN」シリーズの新モデルで、5月下旬発売予定の「Billie Jean」(ビリー・ジーン)を出展。直販価格は39,980円(税込)と、JH AUDIOのイヤフォンとしては価格を抑えている。注目度も高いようで、試聴の人だかりができていた。
2ウェイのBA構成で、独自開発のカスタムBAを採用。高域用と中低域用の構成で、高域用が情報量の全てを再生、中低域用は限りなくフラットな中域と、歪を最小限に抑えた低音を再生するという。
AZLA(アズラ)からは、第2弾イヤフォンとして「HORIZON」(ホライゾン)が5月下旬に登場。直販価格は32,980円(税込)。極薄の3層振動板で、分割振動などをコントロール。そのユダイナミック型ニットを、ポリカーボネートの透明なシェルで覆う技術などが特徴だ。
会場にはこの「HORIZON」に加え、開発中の「AZLA II」というイヤフォンも参考展示。フィルタやケーブル、イヤーピースなど、様々な部分をブラッシュアップしたというモデルで、今後登場する予定だ。
4月27日に発売されたばかり、groovers Japanが設立したオーディオブランド・ACTIVO(アクティヴォ)の第1弾ポータブルオーディオプレーヤー「CT10」も展示。直販価格は39,980円(税込)。昨年12月に発表されていたが、発表時からファームウェアなどが大幅にアップデートされ、機能強化されている。
また、「CT10」のユニークなバリエーション展開として、ヨーロッパで人気のアーティスト、ムシュー・シャとiriverがコラボし、ムシュー・シャのアートを筐体デザインに取り入れたCT10も参考展示している。背面にイラストを配置しているほか、ボリュームつまみが猫になっているなど、細部までこだわっている。
5月下旬に発売する、DITAブランドのイヤフォン「Twinsシリーズ」も出展。「Fealty」と「Fidelity」の2機種で、ベースは同じだがサウンドチューニングが異なる。直販価格は各139,980円(税込)。プレーヤー側の出力端子に合わせて2.5mm 4極とステレオミニのプラグを交換できる。
どちらも新開発の10mm径ダイナミック型ドライバ「デュアル・マテリアル・コンポジット・ドライバ」を搭載。振動板にPET(ポリエチレンテレフタレート)とPEN(ポリエチレンナフタレート)の混合素材を採用し、「しなやかで豊かなサウンド」を実現している。
アユートが今後扱いを予定している、Luminox Audioのリケーブル製品も参考出展。2017年創立の新しいリケーブルメーカーで、特許取得済みのPair Balancing Technologyを採用。信号経路における電子伝送の安定性を最大限に高め、両方の信号線が同じ極性の信号を伝送するバランスケーブルと、同様の効果が得られ、高S/N伝送を可能にするという。
オーディオテクニカ
オーディオテクニカのブースでは、、“圧倒的な低域表現”をコンセプトとして展開するヘッドフォン「SOLID BASS」シリーズの新ラインナップを一気に紹介。
ネックバンド型のBluetoothイヤフォン「ATH-CKS770XBT」や「ATH-CKS550XBT」、有線タイプでシリーズ最上位のイヤフォン「ATH-CKS1100X」や、「ATH-CKS770X」、「ATH-CKS550X」などが体験できる。
さらに、実売約9万円のベルトドライブ方式ターンテーブル「AT-LP7」と、ハイエンドヘッドフォン「ATH-ADX5000」を組み合わせた展示も用意。アナログレコードの魅力や、デジタルオーディオとの音の違いを、ヘッドフォンで確かめられる展示になっている。
アスク
取扱いメーカーであるAUDEZE製品を多数展示。3月に発売開始となった改良復刻モデルの平面駆動型ヘッドフォン「LCD-2 Classic」や、スタジオモニター用プロフェッショナルモデルの「LCD-MX4」などに加え、海外発表されたAUDEZE社初のゲーミングヘッドフォン「Mobius」も登場した。
さらに、フラッグシップモデル「LCD-4」を低インピーダンス化し、より鳴らしやすく改良した「LCD-4Z」というモデルも参考出品。スマートフォンでもドライブできるのが特徴だ。